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異世界召喚はいつも突然だ①

「ふ、ふざけんなーーーー!!」


だだっ広い空間の真ん中で、俺、篠崎悠葉(しのざきゆうは)は絶叫していた。


そこは玉座だった。

いわゆる「王の面前」ってやつだ。


現に俺の前には今、急な絶叫に眉を顰める、絢爛豪華な衣装の金髪美女がいる。

腰かけている椅子の豪奢な造りからしても、こいつが女王ってやつなんだろう。


その傍らには、腹心なのかにこやかな笑顔でたたずむ長身のイケメンの姿がある。

手に持っている異常にねじくり曲がった木の枝みたいのが杖なのだとすれば、こいつは魔法使いか何かなんだろうな。


周囲にはにわかに緊張感のある甲冑の兵士たち。

皆、手には槍なり剣なりを携えて、俺の様子を窺っている。


そのすべてが、俺の元居た世界――二十一世紀の現代日本に見られるはずのないものばかりだった。


息も絶え絶えに叫んだ俺を涼しい視線で見ながら、笑顔の……いや、どこか軽薄な表情のイケメン魔術師が声をかけてくる。


「いい加減、現実を受け入れてくれないかな? ここは君のいた世界じゃない。僕たちが召喚魔法で君を呼び招いたのさ。僕らにはどうにもできない問題を解決してもらうためにね」


「いかにも。そなたには我らが住まう世界エーテルリンクを救う大役を授ける。心して励まねば命を落とすぞ」


「君には、各地の国々にある特異点――あ、魔素(マナ)の極めて溜まりやすい地域のことなんだけど――を回って、魔素の結晶体を集め、最果ての地(エーテルエンド)にある神殿に納めてきてもらいたいんだ」


「そなたら異世界人は、我らに比べ、総じて身体能力が高い。特異点にはその性質上強力な魔物が棲み付きやすいのだが、それもたやすく突破し、魔晶を回収できるであろう」


おい、怒涛のステレオ解説やめろ。

こっちは絶叫までして拒否の姿勢を示したばかりだろーが。

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