変態とよく会う日でした。
「てな訳で、ドクター、どうすればいいですかね?この竜」
取り敢えず困った時のドクターって事で 休日に来ました。
「困ったモノを毎回持ってこられてもね〜」
「そう言わないでくださいよ〜 頼れる人が貴方しか居ないんですよ〜 ほらリリーもそう思ってると思いますし〜」
「もう名前付けたの〜? でもそう言われてもね〜... 私もドラゴンを見るのは初めてだから〜...」
ドクターでも無理となるともうどう育てればいいか...。
「隣の街にならモンスターの事について詳しい人が居るんだけどね〜...」
「本当ですか!?」
「君もあった事はあるんだけどね〜...
ほら君を拾ってきた人いたでしょ〜? あの人だよ〜」
そんな人が居たような...居なかったような...。
「まぁあの時の君は混乱しまくっていたから覚えてなくても仕方ないよね〜」
「取り敢えず、隣街にその人がいるんですよね? 今から行っても大丈夫かな...?」
「あ〜 行かなくても大丈夫だと思うよ〜? 明日ここにくると思うし〜」
「あ、そうなんですか?」
「あの人 一応ここの患者さんだからね〜」
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明日くるとなると今日はなんとか乗り越えなきゃいけんだろうな〜... 。
「ドラゴンってなに食うんだろ...」
「あ、普通にお前さんと同じものでいいんじゃよ?」
「あ、そっすか?」
......!?
「え!? 誰!?」
「いや、リリーじゃけど?」
これはよく聞く擬人化ってやつ!?
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「おいしいのう!!これなんていうものなのじゃ!?」
「いや...焼肉です...はい...」
「ヤキニクと言うのか!?本当おいしいのう〜...」
なんかドラゴンがいきなり人になって焼肉食ってるんですけど、誰か説明できる人居ないかなぁ
ドンドンドン!!
ん?誰だこんな時間に...。
そいや前にもこんなことが...。
「おっ姉さまあああああああああああああああああ!? おらっしゃいますかああああああああ!?」
あぁ...そうだ...スコットと最初会った時だったわ...。
「うるっさいわ!! 夜中に叫ぶんじゃない!! 他の部屋の人に迷惑でしょ!?」
「す、すみません!? ドラゴンについてわかったことがありまして... もしかしたらドラゴンが人型になるかもしれ...」
「どうしたのじゃ〜? ミノリよ〜?」
「うん スコットさん 3時間ぐらい遅かったかも」
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「すみません... もう人型になってたとは...」
「まぁいいんじゃない? こうやって普通に意思疎通出来てるし」
「オスだった場合お姉様があんなことやこんなことをされてるかも知れないんですよ!?」
「はは... そりゃねぇわ」
俺 "元" 男だし。
「まぁ あとは明日 モンスターに詳しい人と話すからいいや」
「モンスターマスターと会うんですか!?」
「あー、多分そうなんじゃない?詳しくは聞いてなかったからわからないけど」
「き、気をつけてくださいね!? モンスタマスターには変人しか居ないと聞いたことがあるので...」
「いや〜 大丈夫でしょう〜私の記憶上執事っぽい感じの人だったし...」
「だといいんですけど...」
「もう我は寝るぞ〜?」
「そうだね...あ、今日はもう遅いし泊まっていくでしょ?」
「そのつもりでもう準備してます!!」
はや〜...。
その日の夜は横から聞こえる ハァハァ...という息遣いで眠れませんでした。
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「すみませんドクター! 予定の時間遅れました!」
「まだ来てないから 大丈夫だよ〜」
結局朝まで寝れなかったな...。
「それで、その娘は〜?」
「我はリリーじゃ!! お主はなんと言うのじゃ?」
「私はリンだよ〜...ってリリーってまさかあのドラゴン!?」
あ、初めてドクターが驚いてるとこ見た。
「ご、ごめん、取り乱しちゃった〜」
「いや 私もそんな感じでしたし」
「よろしく頼むぞ!リンよ!」
「よ、よろしく〜 ドラゴンって人型になれるんだね〜 竜族なら知ってるけどまさかドラゴンが人型になるとはな...ね〜」
「本当 びっくりですよ... まぁ意思疎通が出来るんでよかったといえばよかったですけど...」
ドンドン
「あ、来たみたいだね〜 入っていいよ〜」
「やぁ 久しぶりですね ドクター
...おや?そちらの方はあの時の...」
「その節は助けてくださってありがとうございました」
「いやいや、 地面に頭を突っ込んで倒れていた時は私ももう助からないと思いましたよ」
え、自分そんな倒れ方してたんすか?
「おや?そしてそちらのお嬢さんは...」
「我はリリーじゃ!!」
「これはこれは、ルイスと申します 以後お見知り置きを... それで例のドラゴンは?」
「あ〜 その娘だよ〜 リリーちゃんだよ〜
〜」
「ほう、もう人型に...」
ドラゴンが擬人化してても驚かない...やっぱこの人すごい人なんだろうな スコットの言ってたことは間違ってたな...。
「では リリー様、私にブレスをしてください!!」
うん、前言撤回やっぱおかしいわ。
「のう...ミノリよ 此奴、何かおかしいぞ...?」
「うん こっちに来なさいリリー」
「何故!?何故ですか!? これはモンスタマスター流の挨拶で決して私が攻撃されて興奮するからではないんですよ!?」
ダメだ...これは変人じゃねぇ..."変態"だ...ここまでの変態は今まであったことがねぇ...。
「はい〜 お薬打ちますよ〜 プスっとな〜」
ブスリッ そんな効果音が正しかったと思う...ってか
「大丈夫なんですか!?いきなり注射とか!?」
「大丈夫、大丈夫〜 それがこの人の今日の目的だから〜」
そ、そうなのか〜...。
「ハッ...私はいったい!?」
あ、起きた。
「いつもの発作だよ〜」
「そ、それは申し訳ありません... 私はモンスターを前にするとついああってしまって...」
よくここまで来れたなこの人...。道中ずっとこうだったんじゃ...
「それで、リリーの事なんですけど...」
「 知ってる事だったら教えられますよ?」
「人型になってても大丈夫なんでしょうか?なんかデメリットがあるとかは...」
「それは個体によって変わりますからね〜... どうですか? リリー様 疲れとかはありますか?」
「ん? なんじゃ? 我は元気じゃよ?」
「だ、そうです ほかには何か?」
なんかあれだな...意思疎通が出来るから本人に聞けばいいんだよね...。
「...ないようなのででは私はこれで... ただ一つだけ... 決して育て方を誤らないようにしてくださいね?」
「は、はぁ...」
「ではドクターありがとうございました また次の時に」
「じゃあね〜」
「ありがとうございました!」
なんか色々凄い人だったな...。
「用事はもうよいのか? では帰ろうぞ?我は疲れた!!」
「はいはい 今帰りますよ... 今日はありがとうございましたドクター」
「いやいや 私はなにもしてないよ〜」
「じゃあの! リン!!」
「じゃあね〜 リリーちゃん〜」
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ルイスさんが最後言ってたことどういう意味なんだろう... なんか引っかかるんだよな〜...。
まぁいいか! 今はリリーと暮らすことが第一だし!!
あと寝てないから帰ってすぐ寝よ〜っと
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「ハァハァ...お姉様の匂い...ハァハァ...」
うん、ここにも変態が居ましたわ。
てかまだ居たんすねスコットさん......。
こうして私の休日は幕を閉じましたとさ。




