ケモミミ天使(自称)に絡まれました。 〜前編〜
アルクス学園に入ってから約三ヶ月が経った...。
寮生活にも慣れたし、今まででは考えられないほどにクラスの方達と話すこともできるようになった。
しかし、俺もとい私は知ってしまったのである。
この学園には天使と言う名の悪魔がいると言うことを......。
「ミノリお姉様ぁぁぁぁぁぁ〜!!!!!」
来やがったな。
「や、やめて!?変なところ触らないでいただけますか!?ちょっ!?胸!?やめっ......やめろって言ってるだろ!!!」
「あいたっ!?」
「スコットちゃんと関わるようになってから変わったよね...ミノリちゃん」
「本当に変わったよなミノリ」
「そんなこと言ってる暇があるなら助けてもらえます!?アリスちゃん!?ルーク君!?
...てかいつまで触ってるの!?」
「ぐへへっ......お姉様の小さな胸が......ぐへへっ......」
「いい加減......しろ!!!」
「あっひぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!?」
どこで間違えちゃったかな私......。
-------------------------数ヶ月前-----------------------
今日でこの世界に来てから一ヶ月か〜。すっかり今じゃ一人称も私になっちゃったな〜。
「ミノリちゃん帰ろ〜?」
「うん!」
マジ充実してますわ〜。今めっちゃ充実してるわ〜。
こんな可愛い子と一緒に帰るとかめっちゃ充実してるわ〜。
「明日こそは出来るようになろうね!」
「毎日ごめんね......」
そうです。まだ私はファイアを出すことはできていません。
何故か微弱な光を出す魔法は出来たけど...。なんか恥ずかしくて皆には言ってないけど......。
「全然いいよ〜 じゃあ私の部屋こっちだから また明日ね」
「うん また明日」
にしてもこの学園は本当にすごいな〜、 一人ひとりに部屋があるなんてな...。
しかもキッチン風呂トイレ付ですんごく広い、前住んでた所よりいいんですけど〜!!
取り敢えず ファイアの出す練習しとこ......。
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ドンドンッ!!......。
ん?誰だろ?こんな時間に......。
「はーい?どちら様ですかー?」
「貴女がミノリさんですね!?」
「ど、どちら様ですか?」
誰だこのケモミミのちっこいの......。
てか周りのこの黒服の人は...?
「わ、わたしを知らないですって!?貴女!アルクス学園の生徒なのに!?」
「は、はぁ......知らないです......すみません......」
誰なんだろ。
「じゃあ教えてあげるわ!!わたしの名前はスコット!《スコット・アルクス》!
このアルクス学園、学園長の孫よ!!
そしてみんなにはアルクス学園の天使と呼ばせているわ!!覚えて起きなさい!!」
呼ばせているのか...。 変なやつだな...。
「はぁ......。で?何の用ですか?」
「貴女!魔法が使えないんですってね!!」
おう?いきなりなんだ?
「わたし思うのよ!アルクス学園は超が付くほどのエリート校!!
そんな所に貴女のような落ちこぼれがいてはいけないと思うの!!」
「じゃあ退学しろと?」
「私もそこまで鬼じゃないからチャンスを与えるわ!!
一ヶ月後の授業で模擬決闘があるの!!その模擬決闘で貴女が私を見事倒すことができたらこの学園にいてもいいわ!!
...まぁ無理でしょうけどね!!」
「......わかった。私もまだやりたいことが残ってるからね」
私は絶対にこの学園を辞めたくない......。
やっと築き上げたリア充ライフ絶対に手放すものか!!!
「いい返事を聞けてうれしいわ!!一ヶ月後楽しみにして待っているわ!!」
にしても、模擬決闘があるって聞いてませんよ?
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「え!?スコットちゃんと勝負することになったの!?」
「なっちゃったね〜...」
「スコットのやつまたそういうことしてたのか...まったくあいつは...」
「またって前にもあったの?」
「毎回だよ...あいつは成績の悪い奴を見つけるとすぐ勝負を仕掛けてこの学園を退学させる困った奴なんだ...ミノリが編入する前にも一人退学させられてるんだ」
成る程な、とんだ困ったちゃんなわけだ
「ど、どうするの!?ミノリちゃん!?スコットちゃんってすっごく強いんだよ!?」
え、マジすか?
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「成る程ね〜それで私の所に来たってことだね〜」
と、いうわけで助けを求めにドクターのところに相談しに来ました。
「どうすれば勝てますかね...。」
「スコット君はね〜学力身体能力共に他の生徒より群を抜いてるからね〜」
やっぱりすごい奴なのか...完璧超人って奴なのか...はぁ...。
「そうと決まったことじゃないと思うな〜人間誰しも弱点はあるしね〜」
「あ、あるんですか!?あいつの弱点!?」
「そりゃ人間だもの〜弱点の一つや二つあるよ〜」
「あいつの弱点ってなんなんですか?」
これで俺も学園から追い出されずにすむ!
「こちょこちょ」
......え?
「いやだからこちょこちょだよ〜」
「マジすか...」
「マジ」
あいつ結構ちょろいんじゃ......。
「そうでもないと思うよ〜?どうやって運動神経抜群の優等生から、隙を見つけてこちょこちょ〜ってするの〜?」
あ、確かに 無理ゲーだわ...。
「君にも魔法が使えればね〜まだ隙を突くくらいなら出来たかもね〜」
ん?まてよ?魔法?
でもあんな微弱な光でな〜...。
「あれ〜!?君、閃光魔法使えるの〜!?それは驚いたよ〜!?」
「え?何か驚くことあります?ただ灯りを出す魔法じゃないんですか?」
「閃光魔法はね〜 光魔法って言って高等魔法なんだよ〜。
それに光魔法を使えるのは指で数える程度なんだよ〜?
まさか君が使えるようになるとはね〜。」
指で数えるほどしか居ないの!?それってかなりすごいんじゃ!?
「でもそれだと君がファイアみたいな下級魔法が使えない意味がわかったよ〜。」
「なんか関係があるんですか?」
「実はね光魔法は無属性なんだよ〜。ファイアは火属性ってのはわかるよね〜?
そのほかにも水、雷、土という風にいっぱい属性はあるよね〜? それで人それぞれ得意な属性があるよね〜?
じゃあここで問題だよ〜 どうやって得意な属性が決まるのでしょう〜?」
「簡単に確かめるには最初に発動することができた魔法......でしたっけ?」
確か授業で言ってたような...?
「せいか〜い! でも君が発動したのは無属性の光魔法だよね〜。
その場合、光魔法は無属性だから得意な属性はないってことになるんだよ〜。
そして属性がある魔法はほとんど使うことができなくなっちゃうんだよ〜」
「え!?じゃ、じゃあ、あんだけ練習しても使えなかったってことは私はファイア使えないってことですか!?」
「まだそうと決まったわけじゃないよ〜?」
「え!?」
「使えないのは一時的な場合があるからね〜 まだ使えないって決まったことじゃないんだよ〜」
「そ、そうなんだ...よかった...」
...でもなんでこんなに詳しいんだろ?
「それは私も君と同じで光魔法を最初に発動したからね〜」
「え!?そうなんですか!?」
「そうなんだよ〜 まさか君も光魔法を発動するとは思ってなかったからね〜」
「ドクター!!」
「な、なに〜?いきなり大きい声をあげて〜?」
「俺に光魔法の使い方教えてください!!」
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「まずは光魔法の形状変化からだね〜。光魔法は応用が効きやすいからね〜 。
ただ光を出すだけじゃなくて〜 光る個体...例えば武器とかも作ることができるんだよ〜?
まぁ脆いんだけどね〜 あとはその個体の質量も変えることができるよ〜?」
「へ、へぇ〜...でも武器としてはやっぱ脆いとすぐ壊れてダメなんじゃ...?」
「そこは考えようだね〜 斧やハンマー、剣だとそりゃダメだよね〜? でも斬れ味が抜群の投げナイフとかだったらどうかな〜?
質量を軽くして投げやすくて斬れ味抜群なんて最高の投げナイフの完成だけど〜?」
「いやいや、対人ですし流石に危ないんじゃ...それに投げナイフなんてやったことないし...」
「あれ?知らなかったの〜? あの模擬決闘って対人の他にモンスター戦もあるんだよ〜?」
そうなのか!?まったく知らんかったわ!!あんの小娘ちゃんと説明してけよな!!聞いてなかった俺も悪いけど!!
「知らなかったか〜...だとすると武術も覚えていってもらった方がいいかな〜?
流石に魔法だけでいけないだろうしね〜」
「教えていただけると助かります...」
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それから私はドクターから光魔法の基礎から応用、武術、投げナイフの投げ方も習って大体出来るようにはなった。
「結構慣れてきたね〜」
「やっとって感じですよ...当日まであと一週間ですし...」
「本当は諦めずに頑張ったね〜 問題は1つだけなんだけどね〜...」
「やっぱ出来ないんですかね... ファイア...」
「私の時はすぐ出来たんだけどね〜 なんでだろうね〜」
ドクターは人と比べちゃいけない気がしてきた...。
「そんなに変わらないよ〜 みんなと一緒だよ〜」
「聞きましたよ...ドクターってアルクス学園の首席で卒業生だったんですよね...」
「あちゃ〜知られちゃったか〜。まぁ昔の話だよ〜」
「いや! 全属性の高等魔法使えるなんてチートじゃないですか!!」
「ちーと?ってのはよくわからないけど出来ちゃったんだよね〜」
くそっ! ただの天才じゃないか!!
「にしてもどうしような〜... あまり光魔法は使わない方がいいんだよね〜...」
「 え?...なんでですか?」
「ん〜とね〜 前にも言った通り光魔法を使える人は少ないんだよね〜 だから狙われやすいんだよね〜 いろんな人に」
あ〜...なるほど...。実験とかされちゃうことがあるんだろうな...。
「...じゃあ他の人達って隠しながら生活してるってことなんですか?」
「いや〜? してないよ〜?」
え!?してないの!?
「そうだよ〜 今いる光魔法が使える人たちはみんあ国を1つ潰せるぐらいの力を持ってるからね〜 誰も近寄らないんだよ〜」
「だとすると...ドクターもそうなんですか?」
「まぁ それぐらいは出来るかな〜?」
化け物じゃないか...。
「化け物は酷いな〜 取り敢えず時間いっぱい練習しようか〜 ファイアが発動するかもしれないから〜」
「そ、そうですね...」
これから先、絶対にドクターは怒らせない様にしよう、と心に決めた...。




