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今日は厄日でした。

その日はいつもと変わらない平和な1日のはずだった...まさかあんなことが起こるなんて....。


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今日もいい天気だな。俺も心もこれぐらい晴れないかな...。せめて『いいこと』があればいいけど...。


「おっはよー!!少年!!」


はぁ...なんでこいつはいっつもこんな元気なんだろうか...。


「ああ、おはよう。楓」


「どうした?今日は元気がないじゃないか!!ミノリくん!!」


「今日は天気が良すぎて気持ち悪いぐらいだからな」


「今日から高校生になったのに!!元気になって!!ほら!!この可愛い私を見て!!」


「ああ、そうだな可愛いかどうかは置いといてお前見てると元気になりそうだな」


「やっぱり?こんな可愛い私を見て元気にならない人なんかいないもんねー!」


「ああ、そうだな。」


楓は俺の幼馴染で小さい頃からナルシストで元気がありまくる奴だ。そして今日から俺たちは遂に高校デビューとなるわけで...


「いや〜 高校って今までと何か違うんだろうかね〜」


「どうだろうな、あまり変わらないって聞くけど... 実際の事はわからないし」


「ミノリ君も高校デビューして友達が出来るといいね〜」


そう 俺は今までコイツ以外の友と呼べる奴が居なかった... というかしっかり話すことさえ出来なかった... はぁ...


「そ、そんな顔しないで!? ね!? 私も友達作り手伝うからさ?」


「ほんと よろしく頼みます...楓さん...」


「私に任せなさい〜い!!」


楓さんほんま助かります...


「そういえば今日も同じ夢見たの? あの美人のお姉さんが出てくるっていう」


この頃、というか中学に入ってから同じ夢を見続けている。 少年と少女がモンスターに追われていて、美人のお姉さんが助けにくるっていう内容の夢だ。 その夢はとてもリアルでまるで自分が昔体験した そんな気さえしてくるものだった。


「そういえば今日は見てないな... なんでだろ?」


「そうなんだ でもなんで急に見なくなったんだろうね?」


「さぁ...?」


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なぁんて会話してる間に学校に着いたわけで


「あ... ミノリ君とクラス違う...」


早くも私の周りに会話できる人が居なくなりました。 っていかん、いかん 逆に考えるんだ! 自分を窮地に追い込んでまさに背水の陣状態にするんだ!!


「じゃあ... 友達作り頑張ってね...?」


「お、おう...」


あいつどんだけ俺の友達作り手伝いたかったんだろう...


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って気づいたらもう放課後だよ!!だから嫌なんだ!!入学式なんて!!

結局誰にも話されることも話すこともできないまま1日目終わっちゃったよ畜生!!!


「ほら...元気だしなって...まだ1日目だから...ね?...」


くっそ....!! 幼馴染の優しい目が痛い!! せめて同じクラスだったら...!!!


「じゃあ帰ろうか!今日行きたいところあったんだ〜♪」


「あーすまんちょっと今日、レンタル返さなきゃ行けなくてその後でもいいか?」


「全然いいよ〜!! 実はね〜駅近くにカフェが出来たんだ〜」


「そうなのか、それは楽しみだな。っとじゃあレンタル返してくるから...っと確か鞄に...あれ...?」


「ん?どーしたの? ...もしかして」


「そのもしかしてだ。 忘れてきちまったみたい... 今から家帰って持ってきたらギリギリ閉店間に合うかもしれない...」


「そっか... じゃあ また今度絶対行こうね!! 約束だから!!」


「わかった 約束な」


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全力で家に帰ってレンタル品を返したわけだが... 疲れた...。かなり疲れた...。

歩くのもしんどいわ... 大体何キロあるねん...。田舎怖いわ...。


その時俺は誰かが微かにこう呟いたのを覚えている。


「君でいいか...」


「え?」


その声を辿って上を見ると鉄骨が落ちてきていた。


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いってぇ... なんか周りがガヤガヤうるさいな...。 ってそうか...俺、鉄骨に当たったんだっけ... あぁ こりゃ死んだな... 結論俺の人生友達一人しか居なかったな...。にしてもいてぇ...。


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「いてぇ...いってええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」


「うおっ!?」


「え!? 俺、生きて...!?」


ってここどこだ!? 薬品の匂いがするし病院か!?


「あ〜起きました〜?」


「あ、はい起きたようですよ!」


「なら、よかった〜」


「じゃあ私はこれで...」


「はい〜、ありがとうございました〜」


なんなんだこの人達...服装もおかしいし...いったい誰だ?


「君〜大丈夫だった〜?痛いところはない〜?ってさっき痛いって言って起きたんだったね〜」


「え...ああ...やっぱ痛く...はないです...」


俺、鉄骨に当たっても生きてるとか現代医学すごいな...


「そう〜? ならよかった〜。あ、でも顔にちょっと傷ついちゃってるね〜。一応鏡で見ておく?」


「え、あ...はい....。あ、あとその...ここって何処ですか?」


「あ〜ここ〜?ここは治療部屋だよ〜?」


治療部屋?病院とかじゃなくて?本当にここはどこなんだ?


「は〜い、鏡持ってきたよ〜」


「あ、ありがとうございま...ってはああああああぁぁぁぁぁぁぁ?」


「君はよく叫ぶ子だね〜」


「い、いや!? え!? なんで...!?」


「ん〜どうしたの〜その可愛い顔に傷ついたのがそんなに落ち込むほどだった〜?」


いやいやいや 落ち込むとかそういう問題じゃねぇぞ!?!?なんで俺...『女』になってんだ...!?


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そう...今日は友達も出来ないわ、鉄骨に当たるわ、性別が変わるわ、と『いいこと』が一つもない『厄日』だった。

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