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3話

「しゅうやくん!ちゃんと相手を見りぃ!攻撃半分も当たっとらんやろうが!MPのムダ!」

「わ、わかっとるけど・・・!」

「なおくん!そんな距離で詠唱始めたら途中で攻撃されるのわからんの!?そのモブは一気に距離詰めてくるやつやろう!」

「のわっ」

「ゆみちゃんはサボるな!」

「ごめんなさい!!」

「よし、MP回復したから1回一掃するよ![アイシクル・レイン]」


パーティーメンバーを叱りつけながらも自分もモブを狩っていく。

[アイシクル・レイン]は範囲と威力を通常範囲攻撃より高めていた分MPをごっそり持っていく。

雑魚狩りするならMPチャージしながら範囲反射攻撃を繰り返した方が効率は良いし燃費が悪いから長期戦には向かない。

加えて、周りがノンアクティブのモブのみであることが前提条件だ。

でも、指導しながら狩るならこれくらいがちょうど良いだろう。

というか、こんなつもりでパーティーに入った訳じゃ無かったんだけどなあ。







パーティーに参加して10分とかからず、私と他3人との経験の差が浮き彫りになった。

それに私が微妙な顔をしているのを見てゆみちゃんから戦いの指導を頼まれ今に至る。

初めは、他2人がそれはもう嫌がった。

慣れてないだけだ。こんなやつより俺らの方が強い、と。

あんまりにも駄々をこねるものだから即興で[アイシクル・レイン]を編み出して実力差を見せつけて黙らせたけど。

小学生のころのどうしようもない弱虫な私しか知らない2人はかなり衝撃を受けたらしく大人しく指導を受けるようになった。

まぁ、ちょっと納得行かないって顔はしているが、そこまでは面倒みきれないし、みたくもないのでほっとくことにしている。


「そろそろ休憩はさむよー。個人個人での反省も必要やからー。」

「うん・・・うわっもう納品数達成してる!」

「反省会のあともうちょっとやったら場所移ろっか。おんなじ場所ばっかりじゃ食材のレパートリー増えんし。」

「中庭の方行ってみる?」


見た目はにこやかに女子同士で会話をしているように見えるだろうが、内容は狩りについてなので女子同士のきゃっきゃとした雰囲気は一切ない。

そもそもゆみちゃんはともかく私に女子らしさは無理だ。

女のしての最低限は守ってるつもりだけど。


「・・・いざと言うときって女の方が度胸あるよな。」

「男がおおげさ過ぎんのよ。」


ゆみちゃんにバッサリ切り捨てられるしゅうやくん。

おぉ、ゆみちゃんかっけぇ。

なんか貫禄もついてきてるし・・・母親的な感じ?かな。


「なぁ、深七。」

「んー?」


少し休もうと校庭の端にあるくすのきの下に腰を下ろすとなおくんが声をかけてきた。


「お前の魔法どうなっとるん?俺のと全然違うやろ。」

「あぁ、やっとったゲームの違いやね。私がやっとったゲームでは魔法は自然界にMPを消費して干渉することによって発動させるって設定なんよ。まずそこが違うやろ?」

「?よう分からん。ゲームの違い??」

「あ、まずそこからか。皆ネットまとめ見とらんの?」

「色々有りすぎてどれをみれば良いのかわからんのよねぇ・・・深七ちゃんなんかおすすめある?」

「プレイヤー支援サイトのつどいの酒場、かな。今確認されてるモンスターの情報とかドロップについてとか書いてあるし、検証と考察とかも載ってるんよ。」

「わかった。後で見とく。」

「じゃあ知っといた方が良いことを今ちょっと教えとっこっか?詳しくは自分で見てもらうとして。」

「おぅ、頼むわ。」













じゃあまず確認するけど皆、私らプレイヤーは復活ありって知っとった?

あ、知らんかったんやね。やけんさっきゆみちゃん驚いとったんか。納得。

あんね、私らはもしモブに殺されても生き返れるんよ。

基本、死んだら街だったり家だったりに自動的に戻るん。

ん?死に戻ったこと?あるよ、1回だけね。


やけど、復活するにはプレイヤーで有ることが前提条件。

プレイヤーじゃない人は生き返れないしプレイヤーも電子機器壊されたらプレイヤーじゃ無くなるから生き返れんくなる。

なんで壊れたらプレイヤーじゃなくなるんかって?

私らの力、魔法とかスキルとかは電子機器を媒介にして現実化しとるって考えられとるんよ。


詳しいことは後でネット見て。これは私も説明し辛い。


で、まぁ、私らの力はその電子機器ーーー例えばスマホ、P●P、D●とかーーーで私らがやっとったゲームの自分のキャラクターのものそのものなんよね。

メニューをイメージしたら見慣れたゲームメニュー画面が出てくるっちゃない?

あ、出てきた?後でそれも見ときぃね?

やから、ゲームによっては成長の仕方も技も全然違ったりするんよ。

私のやつはスキルツリー制やけど職業制の魔道士の人もおるし。

あと、電子機器はイベントリにいれとくのが入れとくのが安全やね。

戦闘中に壊れたら洒落にならんし。


他になんかあったかな・・・

あ、技とかスキルとかはゲームシステムで設定されたこと以外もできるっぽい。

さっきも言ったように私の魔法は自然界に干渉して火とか水とか出すタイプやから、ちゃんとしたイメージを組み立てたら新しく技をつくれるんよ。

[アイシクル・レイン]もさっき作った出来立てほやほやの技やったし。

ただ、MPがどういう減り方をするんかは発動してみんと分からんから今色々と確認途中っちゃけど。

身の丈以上のことはやろうとしたらMPとHPごっそり削った上に不発するから限界を知ることも重要やね。


魔道士だけじゃなく、他のタイプの人たちもイメージは大事みたいよ。

システムの技も、技の仕組みとか敵を倒すイメージが強い方が威力が上がってMP消費も微量減らせたりするん。

あと、詠唱時間短縮できたり。

極論言えばイメージがしっかりしていてさえいれば一言で高威力の技も使えるらしいよ。

ただ、詠唱が少ないとイメージ固める時間も短い分、その時のコンディションに大きくされるらしいからあんまり無理して挑戦するもんでもないけど。


剣とかだったら動きのイメージをしっかりすればその分速く強くなれるらしいよ。1,5倍ぐらいには。


生産職は生産物の効果が高められたりするらしい。

面倒でも一個一個ちゃんと作った方がシステムの生産に任せるより成功率も良いって生産職の人もいってたし。


って、あぁー!パーティー組むの忘れとったぁぁぁ!

え、そりゃ大事だよ!

パーティー組んでたら自分でやった分以外の仲間が倒した分のドロップと経験値貰えるんだよ!?

お得じゃん!あぁ~さっきの時間が勿体ない~

・・・そうやね、今からでも組もうか。







「と、まぁざっとこんなもんかねぇ。」

「ありがとー色々分かったよ。」

「イメージ、なぁ。まぁ、色々出来るなら試してみないとな。」

「ってか詠唱短くするコツあるんなら言えよ!」

「えー?いやー、ね?なおくんとしゅうやくんのあれはイメージ云々以前の問題だから。」

「ビビりすぎやもんねー。」

「そうそう。」


事実を突きつけるとぐっ、と唸った。あ、自覚あんのね。


「さて、じゃあ10分くらい反省会したら再開しよっか。私としては次はポジションを決めてやってみたいところやけど・・・せっかくパーティーなんだし。」

「前衛後衛?」

「そうそう。基本は魔法職が後衛。耐久力の高い人がターゲット引き受けてくれれば魔法職は詠唱しやすくなって詠唱の失敗も減る。これは狩りに限ったことでもないしね。」

「なら俺が前衛やな。」

「・・・うわぁ、超不安。」

「脆そう。」

「・・・お前らなぁっ!」

「修也、どうどう。落ち着けって。」




その後二時間ほど狩りをしたとき、ゆみちゃんがある提案をした。


「ねぇ、今やったら屋上に行けるっちゃない?」



ーーーーーーーーーーーーーー

主人公は特別強いってわけではなく、ただ単に経験の差が顕著に出た感じです。


そもそもはじめての戦いですぐ戦える人間ってそうそういないよねって話。


主人公が戦いなれてるのは追々書きたいなーと思います。

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