夏の大輪
夏は頭が痛くなります。熱中症かもしれません。
今日は5月20日。
少し早い夏の暑さを感じる今日のこの頃。
俺、小鳥遊水鳥は
ひと夏の大切な記憶を思い出していた。
それは
去年の5月20日のお話。
ねぇ、早く行こっ?
はいはい
今日は年に1度の地元でのお祭り。
高校でバラバラになってしまった友人たちと
久しぶりに会える唯一の機会だったりする。
今日は小・中学校の頃からの仲で同じ学校の女友達
春日乃雪樹と一緒にお祭りに来ていて
早速引っ張りまわされている。
雪)ねぇねぇ、次は何を食べよっか?
水)まだ食べるん、、、?
雪)当たり前じゃん!!
なんだって今日はお祭りだよ!?
いっぱい食べなきゃなんか勿体無いじゃん!!
水)だからって食いすぎよ。
いったいその細っこい体のどこに入ってるんだか、、、
?)よぉ、おひさー
懐かしい声が聞こえた。
春)おいおい、まさか忘れちまったわけじゃねぇよな??
俺だよ俺、三 鷹 春 !
こいつは三鷹春
中学時代のバンド仲間で因みに担当はDr
当時、散々やんちゃしまくって俺まで飛び火食らってたっけ。
水)覚えてるに決まってんだろー
あんだけ仲良かったのに忘れるとか、なんかの病気かよ
春)そうだよな
実際忘れてるとは思ってなかったけどー言葉の綾ってやつ?
雪)おーひーさっ!
春)おっ、雪樹も来てたんか!
おひさ、、、って
ん?
雪)ん?
春)水鳥と一緒に来てるって事はお前ら
もしかしてもしかしてもしかしてやっと付き合ったのか!??
水)付き合ってないわ
雪)付き合ってないよ
春)中学時代あんなに仲良かったもんなー
やっとか!やっとなのか!
水&雪)だ か ら ー !
?)よっすよっす。
水&春)???
雪)あ!! みなちゃん!!
?)雪樹ー 久しぶり元気してた?
雪)元気すぎて常にピンピンしてたよぉー!
?)そっかそりゃ良かった
彼女は古咲海那
春と一緒で中学校からの仲
雪樹の大親友だったりする。
確か親の都合で海外に引っ越しちゃって
中学校の卒業式前日に、アメリカに引っ越すことになってしまった
不運の持ち主だ。
海)水鳥も春も久しぶり
水)おひさっ
春)よっ
自然と中学校の頃のいつものメンツが集まる
懐かしい雰囲気、思い出されるあの日の記憶。
皆も思い出しているんだろうか?
いや、間違いなく思い出してる
あの日の楽しかった日々の記憶を。
そんな気持ちを切り裂くかのように、、、
海)しっかし、このメンツ誰一人としてあの頃と変わってないな
ちゃんと年取ってる?
唯一変わってるのは雪樹の胸くらいか。
男子の目線が一瞬で雪樹の胸に集まる。
雪)みなちゃんやめてよー!
水)言われてみればみれば確かに、、、
春)た か し ! (確かに)
雪)もー!!!
水)いやいやそうじゃなくて
一番変わってんのはお前だろ!
雪)うん
春)ホントだよ
海)えー そんなに?
水&雪&春)うん
海)えー、、、
そりゃそうだ。
髪はいつの間にやら金髪に
肩から見える日焼けの跡は水着の紐の位置ををハッキリと表す。
海)だってねぇ 海外ともなると皆金髪じゃない
黒髪だと浮いちゃうのよ
日焼けの跡は、海でちょっと遊びすぎちゃっただけ。
水)ちょっとじゃそんなにならn、、、
海)ままよ!
とりあえずお祭りまわろ
あたしお腹空いちゃった
春)さんせーい
雪)次は何食べよっかなー♪
雪樹は結局まだ食べる気なのか
流石にこれ以上食べさせるのは体に悪い。
水)もう食べるのはやめとけっ
軽くデコピン
雪)いてっ うぅ わかったよぉ。。
そして時間は過ぎ、、、
春)いやー食った食った!
海)あたしもうこれから一週間何も食べなくても生きていけるかも
水)雪樹ばりに食べてたからなぁ
常人じゃそうなるわな。
海)うむ
あたしちょっとお花摘みに行って来る
春)おいおい大丈夫かよ、顔色悪いぞ
海)ちょっと食べ過ぎただけよ
春)俺もついていく
心配だし
海)勝手にすれば、、、
春)おう
水)この辺で待ってるから
花火までには戻ってこいよ?
海)絶対に戻ってくる
花火楽しみにしてたんだから
そして
春と海那がいなくなり再び雪樹と2人になる。
雪)ねぇ水鳥、、、
あたしだけカキ氷ってあまりにも酷くない?
そりゃ食べないとは言ったけど
水)お前は昼いっぱい食べたろ
腹は八分目にしとけって昔のお偉いさんが言、、、
雪)そんなん知らんもん!
雪樹まだお腹三分目だもん!
水)はいはい
じゃあこれあげるから静かにして
食べかけのりんご飴を雪樹に渡す。
雪)えっ いいの、、、?
これ水鳥のだしそれに色々と、、、
水)正直二本目だから飽きてきた
食べないなら食べちゃうけど
雪)たっ、、、食べる!
食べるよ!!
でも、、、ほんとに良いの?
食べるよ?食べちゃうよ、、、?
水)早く食べなって
まだ腹三分目なんだろ?
雪)なっ、、、なんでもない!
いただきます!
今まで見た事の無い表情。
どうしてそんなに顔真っ赤にして
あっ
もしかして間接キスを気にして、、、
水)雪樹 ごめん間接キスとか俺完全に忘れてた、、、
雪樹はまだ、一口もりんご飴を食べていなかった。
水)やっぱり嫌だったよな
雪)ううん
水)ごめん
雪)ううん!
水)えっ
雪)全然嫌じゃないよ、、、
気付いてないって分かってても、嬉しかったの
水)それって
雪)水鳥と間接キスになっちゃうって分かってても
このりんご飴を貰った雪樹の気持ち、、、分かる?
こんな些細な事でさせ私
すっごい嬉しくなっちゃって
雪樹は泣いていた
雪)雪樹ね、、、
雪樹、水鳥のことが好きなの
大好きなの!
花火が上がる
いつの間にか沈んだ太陽にも負けないほどの
光の感覚
その光の粒たちが
雪樹の頬に伝う涙を彩っていく
様々な色に彩られた涙は
落ちて
消える
けど
この想いは
決して落ちて消えたりはしない
だってその想いを
受け取るのが俺の役目なのだから
水)俺も雪樹が好きだ
この世の誰よりもお前が好きだ
でも
言葉に出す勇気が無かった
もし雪樹に拒まれて今の関係が崩れたら嫌だって
どうしようもない臆病者なんだ俺
だめだめなんだよ
雪)そんなことない!
雪樹は知ってるよ?
水鳥は
誰よりも優しくて
誰よりも頼りがいがあって
誰よりも純粋で
誰よりもまっすぐで
誰よりも、、、
誰よりも素敵だって事
だからそんな水鳥に惹かれた
好きになったの
水)雪樹、、、
震えてる
確かに震えているその体を
抱きしめる
もう言葉は必要ない
今確かにあるこの感覚
間違いではない
この感覚
彼女の手に握られた溶けかけのりんご飴に映る
満天の星空に煌くのは脳裏にうかぶ数々の思い出たち
そして
最後に映る今日の大切な記憶は
夜空に咲く大輪の花に消える
忘れはしない
たとえ
花火が消えようとも
今日と言う日が確かにあったと
俺達は死ぬまで忘れる事は無い
初めての口付けは
ほのかに甘く、涙の味がした
続編あるかもしれません。
その時は是非、また読んでいただけると嬉しいです。




