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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

嘘は、幸せの始まり

作者: 彩端

エイプリルフールって、こんな可哀想だっけな?

なんか、エイプリルフールって…………、

では、ご覧下さい笑

私は、幸せだ。あぁ、幸せだ。

なんでって?そりゃあ、家族も仲良くて、友達もいて、彼氏もいる。


この上ない、喜びでしょ?


あ、もうすぐお母さんとお父さんの結婚記念日だ。

今年は、何をあげよう?去年は、写真たてをあげたから、今年は、二人が好きなワインをあげようかな


どんな、顔してくれるかな?楽しみ。

あ、それと赤宮君の誕生日も祝わなきゃ。


あ、付き合い初めてもう5ヶ月になるや。

早いものだなぁ。ふふ、赤宮君と付き合えるなんて夢にも思わなかったなぁ。


どうして、私はこんな幸せなの?

どうして、私はこんなに愛されてるの?


まるで、少女漫画のヒロインみたい。


みんな、みーんな、私を愛してくれ―――


「所詮、妄想は妄想。」


突然、私の目の前に現れた黒服に包まれた男。

口角を、怪しげにあげている。


「誰、貴方?」


彼は、答える事もなく私に近づき頬に指を這わした


逃げたいのに、体が、何故か

――――――――ウゴカナウノ。


駄目、逃げろ私。ダメ、聞いちゃダメ。


この、男の話は聞いちゃ―――――――、


「全部、君の妄想だ。」


私の耳元で、囁いた。


「家族なんて、いない。君は、生まれてすぐ、

―――――――――――――ステラレタ。」


――――――――――――やめて。


「学校で、散々いじめられた挙げ句、体も汚され、

精神状態が、おかしくなり、いじめた奴らを、

―――――――――ミナゴロシニシタ。」


やめて、やめて、やめて―――――。


「その中に、君の好きな男もいた。」


やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、


「可哀想にね。君は、すごく、不幸せな娘だ。」


やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、


「すごく、すごく、信じてたのにね。」


やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、


「―――――初恋だったのにね。」


「―――やめて!!!」


彼から、距離をとった。

頭が、痛い。すごく、すごく、痛い。

頭が、心が、ワタシガ、―――――――コワレル。


私の、幸せな世界が、崩れてゆく。


私の、生きる世界が、シンデシマッタ。


私は、意識を失った。

――――――

――――――――――――

――――――――――――――――――


腕の中に、収まって眠った彼女。


あぁ、愛おしい。あぁ、すごく愛おしい。

僕の嘘で、こんなに狂って、苦しむ彼女が、愛おしい。


全部、全部、君の為なんだ。


人を、殺し。

居場所を、なくし。


――――――記憶を、ナクサセ。


全部、全部、全部、ゼンブ、


―――――キミが、ボクとシアワセにナルタメ。


そっと、彼女を抱きしめ、額に、頬に、唇に、首筋に、唇を落とす。


彼女は、僕のもの。


ずっと、ずっと、僕のモノ。


嘘は、僕達を幸せな世界にツレッテッテクレル。


たとえ、君が死んだとしても大丈夫。


僕も、死んで君と同じ世界に生きるから。


こんなにも、すごく、幸せなのに、


どうして、ナミダガデルノ?


これは、嘘?


それとも、――――――


そのとき、彼女の目が開いた。


僕と目があうと、優しく微笑んだ。


――――――気づいたら、彼女は消えていた。


嘘は、なんて美しいのだろう。


美しく、なんて残酷なんだろう。


そんな、世界が、たまらなく愛しい。

はは、皆さんエイプリルフールを楽しくお過ごし下さいませ。私も、堪能させていただきます笑

では、また。

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