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準備
さて、明日が地裁の公判だという日になって、証拠の整理や提出書類の不備を確認していた。
一番私が嫌なのは、この裁判で負けることではなくて、書類不備によってこの裁判が執行不能となることだ。
そのためには、自分は労力を惜しまない。
だから自分は残業をしていた。
「この書類については」
「はい、それは提出済みです」
「なら、チェックマーク入れておかないとね」
すでに必要な書類一覧を作っていて、それでチェックマークをつけていく。
「これでラスト。かな」
整然と箱に詰められた書類を見回しながら、自分は最後のチェックをした。
全てのチェックを終えると、箱に封をして、誰も部屋に入れないようにしっかりと鍵をかけて、私が最後に出た。