異能か……某佐藤君のよりましだといいな。
「すごい綺麗な町並みだな。さすが閻魔様がボーナスステージのようなものだと言うだけあるな」
素直に関心しか出てこない。
生前苦労した人たちが多いであろう場所だから、もっと暗い雰囲気かと思ったらとんでもない。
いたるところでやっている店は人だかりが出来て活気で溢れているし、道行く人は皆晴れやかな表情をしている。
誰も彼もつまらなそうに、何かに急かされる様に道を歩いているようだった生前の世界とは大違いだ。
「ん? もしかして新入りか?」
そういいながら髭面でぼさぼさ頭の男が声をかけてくる。
「はい。たった今この世界に来たところです」
「そうか! よく来たな! この世界は大体良い所だぞ?」
僕の肩をばしばし叩きながら言う。
元気付けてくれているようだ。肩が少し痛いのが難点だが。
「おし! この国を少し案内してやろう! その後家の紹介な!」
「あ……っと。良いんですか? いきなり町の案内なんてしてもらちゃって」
「それが仕事だからな。それに、困ったときには助け合いの精神だ。だからオレもお前に手伝って欲しいときは手伝ってもらうぞ?」
ガハハとおおらかに笑いながら言う。
まあ右も左も分らない。この人の優しさに甘えておこう。
「手伝える機会が在ったらぜひ。ここは甘えさせてもらっていいですか?」
「俺から言った事だぞ? そうだ、オレは武藤 誠治。好きに呼んでくれ。お前の名前は?」
「葵 龍司です。よろしくお願いします」
「んじゃ葵。お前は自分の能力が何か調べたか?」
そういえば何かしら能力をもらえるんだったな。
まだ全然調べてもなかった。
ん? ネットに落ちてた小説で見たことがあるなあ。
何かしらのチート貰ってるパターンじゃないか?
……異能複製とかだったらいいな。
異能無効化とかも憧れるしなあ。
または純粋に出力が高いタイプとか?
「じゃあ、とりあえず闘技場まで行こう。あそこの説明も同時に出来るしちょうどいい」
そう言って武藤さんは歩き出す。
僕もそれについて行きながらどんな能力なのか考えていた。




