境目の鏡
中二全壊!
あまり突っ込まないでください……
自分でも分ってますから……
なんだここ?
僕は確か僕をいじめていた奴等を助けて死んだんじゃなかったっけ?
あたり一面真っ白だし。
ああ、死後の世界か。
これから輪廻転生でもするのだろうか?
今まで生きてきた記憶が消えて別の人間になるという事はやっぱり怖い。
だけどどうしようもないことだろうし、しょうがない。
そう思いながら立ち上がる。
その瞬間にいきなり視界がはじける。
白い色しか見えなかった視界は突然の色彩に反応できない。
徐々に目が慣れてくるとそこには髭面のいかつい男が座っていた。
しかしまともではない。
まず体長が十メートル以上ある時点でおかしい。
その体躯にふさわしい巨大な両手で鏡を支えている。
周りを見渡してみると血が染み込んで固まったような色の黒い大地。
少し顔を上げてみると血を大量に蒸発させたら出来そうな真紅の空。
縄で繋がれて引きずられていく人や動物達。
羽を与えられて空に飛んでいく人や動物達。
まさしくここは――――
「死者の罪を数え裁く場所。生ける者はたどり着けぬ故郷。天国と地獄の境界。ここは最後の審判を行う場所也」
――地獄だと思ったけど少し違うらしい。