介護の一端
介護自体が大変なんやないんや。
老人介護業界が大変やという話はよう聞く。
けど、何が大変なんか分かってて言ってるか?
現在の老人介護業界。
一言にいっても、いっぱいあんねんで。それらを全て紹介する事はでけへんけど、ちょっと簡単に紹介するわ。
でな、老人介護に関する事、大人だけやない。子供も真摯に受け止め、考えてくれへんか? 現場の奴らは好きでやってる奴らが大半やけど、限界きてる奴もいっぱいおるからな。
老人介護で一番よう聞くのは、やっぱり老人ホームやないか? 本当はな、老人ホームいうたら二種類あんねん。
養護老人ホームっていうのと、特別養護老人ホームいうの。
養護老人ホームいうのは、要介護度が低くほぼ自立生活が営める人達がいてる施設の事や。中では、利用者が日々の仕事の役割を分担したりして生活してる。
特別養護老人ホームいうのは、要介護状態にあり、精神または身体的に著しい障がいがあったり、社会への適応能力の欠如があったりする人が、介護や介助・援助・支援を受けて生活している所や。
特別養護老人ホームの中には、主に介護員(昔の寮母)がおって、業務と呼ばれる生活支援を行ってる。
他に有名な施設は、老人保健施設やな。
これは集約すると、病院と特別養護老人ホームの中間施設や。
特別養護老人ホームのように介護員が多くなく、看護士も多数いてる。しかも、リハビリ師(PT:理学療法士やOT:作業療法士)がいてて、リハビリも行いつつ、介護も行ってる。
一概に言われへんけど、老人介護業界で、最も大変とされる施設やな。
そして忘れたらあかんのが、在宅援助サービス。
まずはヘルパーサービスや。
殆どのヘルパーステーションは、家事援助型というサービスを行ってる。これは、直接介護を行わへんサービスなんや。
なんで直接介護をせえへんか知ってる? 答えはな、主にいてる介護員が2級ヘルパーやからや。直接介護がOKされてんのは、1級ヘルパーと介護福祉士だけ。だから、家事援助型が多いねん。
でもな、現場におっても疑問に思う。特別養護老人ホームの介護員には、ヘルパー2級の人達もおんねん。でも、その人ら直接介護してんねんけどなぁ……。
そしてもう一つが、デイサービスや。基本、送迎・入浴・食事・レクリエーション付きサービスやねんけど、デイサービスには上手い活用法があってな、それぞれのサービスが分裂して存在してるから、チョイスできる施設もあんねん。
全てがセットになってる訳やないから、入浴だけってのもアリな訳や。
ある意味、自分で施設まで行って、介護員のおるところで、安全に入浴して、お昼御飯だけ食べたら、また自分で家まで帰る。こうしたら、送迎代とレクリエーション代をカット出来るから、介護保険の点数を限界まで有意義に使える。つー訳やな。まぁ、いうても、要介護度1〜2の人向きの話やけどな。
一般の人が言う介護の大変さ。これってたぶん、排泄ケアやと思うねん。
排泄ケアってな、そんなに大変とちゃうねんで。
ちなみに、入浴ケア・食事ケア・移動介助・余暇活動・コミュニケーションなどのいろんなケアも、たいして大変ではないんや。
じゃあ、何がそんなに大変やねん!? って思うやろ?
それはな、家族との連絡不足・家族の放置・地域住民との連携不足という点が大変なんや。
家族の大半は、年寄りをホームに預けたら、それで終わりやと思ってんのか、面会にも殆ど来んと、外泊どころか外出もせぇへんようになる。
施設に入ってる年寄りの心の訴え知ってる?
「私は悪い事してへん! なんで、こんな監獄みたいな所に入れられやなあかんの!?」
って思ってる人が、ようさんおんねんで。
年寄りの心の寄り処は家族や。その家族から疎遠されて、鬱状態になる年寄りも少なくないねんで。
せめて年に一回、正月くらいは一家団欒したって。そやないと、年寄りも苦しいし、介護員も年間96日休みという、正月も盆も夏休みもゴールデンウイークもない現状の中で、壊れていくだけやから。
あとな、地域の人達。施設の建設に反対やったかどうかしらんけど、施設の行事や運営に協力する姿勢を見せてぇや。
施設ってのはな、単体では機能しにくいんや。地域と連携する事で、その活動範囲はグッと広がる。
特に創設祭なんかで、地域の人達と交流する事で、利用者の精神状態・スタッフの精神状態は、飛躍的に向上する。
よくある例で、施設サイドでは《エスケープ》と称する利用者の無断外出。これの時に、地域住民の連携があると、大変助かるんやで。
措置制度時代には、地域に存在している施設に絶対入所やったんが、介護保険制度になって、入所施設選択可能になったけど、それでも地域からの入所が大半なんも事実や、そこんとこようよう理解して協力してほしいもんやな。
施設ってのはな、施設単体で運営・管理してるんやないんや。施設が運営して、利用者の生活を介護員がサポートして、精神状態の管理を、施設職員と地域住民が協力してサポートするもんなんや。よろしく頼みますわ。
特に子供(幼稚園・保育園くらいの年齢)の施設訪問は、利用者にとって最上級の精神安定をもたらす。
なんでかしらんけど、年寄りって小さい子供が大好きなんや。子供を見て、紙で出来た記念品を貰うだけで、後生大事にそれを保管していたりするんや。それくらい、子供の事好きやねん。だから、地域の幼稚園や保育園の訪問・発表会なんかには、スタッフでは引き出す事の出来ない笑顔を、引き出す事が出来るんやで。
★最後に
よく施設介護の現場でみられる光景やけど「介護員! オムツ内への排泄の不快感から「オムツ替えて」と訴えてる利用者に「もう少しで、オムツ交換やから待っとき!」って言うのは、やめたりや!」
そんな事言う介護員は、介護員失格や! いっぺん、自分にオムツ着用して、交換時間だけでやってみたら、利用者の気持ちわかるやろ!
介護業界の仕事も、その他の仕事も、大変なんは変わらへん。
だから、介護だけが大変みたいに言わんといて。天狗になる、馬鹿な介護員もおるからな。
でも、施設外との交流は大切や。だから、家族・知人・地域住民が一丸となって、施設を盛り上げて欲しいと願う。
それが、近未来型介護施設の姿やと思うから。
みんな歳をとる。みんな老いていく。親も自分も友達も子供も、みんなや。自分は、関係ない。そう思わんと、ちょっと真剣に考えてくれへんか?
そうしたら、今の社会福祉士の卵が理想としている現実に、少しでも近付けると思うから。
超高齢化社会は、もう目前に迫ってんねんで!!
老若男女が考えなあかん事ちゃうか?