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これが泥試合というものなのね!

作者: 双月一星
掲載日:2026/08/17

セ○コ、違う。

それは泥試合じゃなくて泥仕合や。

しかも使い方違うてるで。


自サバ関連のお話です。

被爆先がアカンかった自業自得系です。

「ねぇ、セシリア。()()ほっといていいの?」


学園の食堂から見えるテラス席の事だろうか?


「ええ。この前は犬だっけ?子猫に囲まれたんでしたっけ?」


テラス席では、私、セシリアの婚約者である騎士科のロイド様が、同じ科の生徒らと昼食中だ。

中でも同じ騎士科の女子生徒が親しき態度で腕をとり文字通りロイドに絡んでいる。


犬や猫でなくてお猿さんだったかしら?


「別に構わなくてよ、まぁ、撒き散らさなければ、だけど。」


「まっ!撒きち……(ゴニョゴニョ)なんて……」


私とベルーガ子爵家3男であるロイドは領が近いだけの政略結婚、というより、女伯爵となる私への婿入り要員である。

他に種を撒かない限りは好きにさせるつもりでいた。

彼に課せられたのは元気な身体と元気な子種位のものである。

結婚したあとも騎士でいたいという要望もオッケーしている。


領主経営は私と家令らでモノ足りるので、彼の才は必要ない。


後から思うと、放置気味なのが良くなかったのよね。

被爆先が大きすぎた。



**********



放置気味といっても、一定の間隔で婚約者同士の交流というものがある。


デート先は最近人気の喫茶店だった。

人通りが多く、女子に人気で可愛らしいスイーツが自慢の店である。


私達は、そのテラス席にいた。

店員に案内される間も、知人らの顔もあり、軽く会釈しながら席についた。

そして、おすすめのスイーツと紅茶が運ばれる。


そして軽く会話をしながら紅茶を楽しんでいた。


「あー、ロイドじゃん!席詰めてよー。何頼んだの?あたしも何か頼んでいい?」


まさかの闖入者御来店である。

ロイドが断ってくれるかと思いきや席をずらし、彼女を招き入れる。


「ロイド様、この方はどなたかしら?」

少し棘を含ませた声音で尋ねる。


「あ、えっと……」

その言葉にかぶせる様に、彼女は自己紹介をした。


「あたし?あたしはロイドと同じ騎士科のミルキ!宜しくねー婚約者さん!」

そういって、ロイド側に配膳された水を勝手に飲み始める。


色々有り得ない行為である。


「あーおいしー!走り込みしてたから喉乾いちゃってさー助かったよーロイド。」


「ロイド様、この方は?」

先ほどより圧強めで尋ねる。


今になってオロオロし始めた。

遅くない?


「はぁ、ミルキさん、今は婚約者同士の交流中ですので、退席願えませんか?いきなりの同席は不躾ではありませんか?」


「えー?婚約者さん心狭くない?ロイドとは同級生で、同じ班なだけなのにー?あー、婚約者束縛したい系?」


「違います。男女としての距離がおかしいので、離れて欲しいだけです。同席も許してはおりません。」


「えーっ心せっまっ!!だからロイドに嫌われるんじゃないー?あたしとロイドは男友達の延長みたいなもんなのにー。」


「でも、ロイド様は男性でミルキさんは女性でしょう?貴方方がどう思おうと、人々の見る目を気になさるべきですわ。」


そう、此処には私達の同級生や彼女達に親しき友人等、高位貴族の姿もお見かけしている。

今、彼女らも険しい表情をされているだろう。

数日後には、私を含め彼らの地位も失墜するだろう。


「えー、あたしとロイドはそんな仲じゃないっていうのにー婚約者さん心配しすぎじゃない?」


もう何を言っても無駄そうだ。

ロイドは頼りにならないし、彼女も聞く耳を持ち合わせてないようだ。


給仕に茶器らを下げさせ、来店されてる他の席の方々に茶菓子を持たせるよう言付ける。

見苦しい会話でお耳汚ししてすみませんの意味を添えて。


勿論ロイドらに手渡すわけもなく。


「気分がすぐれませんので、この辺にて。」


と終わらせた。


勿論会計は別々である。

茶器を下げさせたのだから察するべきよね。

彼女分は自分でお支払いになるといいわ。



「婚約者さん、帰っちゃったねー?ロイドォあたしも何か頼んでいい?お腹空いちゃったー」

と、いちゃついてたとかなんとかは、後日雀さん達からお聞きした。


もう勝手にやってろ。である。


**********


私やロイド、ミルキが在籍している学園では、今期、王女が在籍している。


2〜3年前、王太子が主催された通り、学園に在籍中に王家の子女に課せられた公務として、王女様が、親善試合を主催されたのだ。


それがまさかあんな事になるとは思っても見なかったのである。


**********


親善試合は、騎士科生徒らの誉れである。


勿論ロイドもミルキも参加していた。

当然男女別々である。


ミルキは出れたものの成績は振るわずだったようで、ロイドらに慰められており、他の騎士科女生徒らが呆れた様に見ていた。


ロイドは確かに見目よく、王女からも一時期秋風を送られていた。

私もジト目で見られた。

今なら熨斗付けて差し上げますのに。


そのロイドが上級生をいなし優勝した。


それ自体は誇らしくあるだろう。


が、事件は起きた。



**********


「ロイドおめでとーっ!すごいじゃん!!」

と、ミルキがロイドに抱きついたのである。

しかも両頬にキスまで送って。


そしてチラッと私を見て愉悦の微笑みを見せたのだ。


私は勿論、真っ青になった。


が、私より早く退席された方がいる。



王女殿下である。

表向きは体調不良とされたが、そうでないことは多くの生徒は察していた。


王女殿下の体調不良と銘打ち、その後の式典は後日を予定()()()()とされた。


私もすぐさま退席し、家へと戻った。

勿論、大体の生徒達もわらわらと退席した。

中には青ざめている女生徒らもいる。


その中、ロイドらだけが()()()()()()()


愚かにも打ち上げをして祝杯をあげ、賑わったらしい。

色々と。



**********


私はロイドと婚約破棄した。


当然、彼らは分かっていなかった。


打ち上げで飲み明かし、彼らは寝落ちしていた。

その中には勿論ミルキも含まれており、彼らの実家による沙汰がされた。


男友達のようなものだから、は通じるべくもない。

男女が一夜を共にしたのだから。


が、私が婚約破棄した理由はそこではない。



**********


親善試合の優勝者には王族からハグとキスを賜る名誉があたえられていた。


それなのにミルキは、ロイドに抱きついた挙句、両頬にキスをした。


つまり王女の公務に泥を塗ったのである。

王女とて、ミルキとの間接キスは嫌だろう。


王女は自身の失敗と矜持を天秤にかけ、矜持をお護りになったのである。


人の手垢のついたものに送るものなど何もないのだ。


ミルキもだか、ロイドも抱きつかれた時点で、拒絶するべきであった。

なのに、彼は抱きついた彼女の腰に手を回したのだ。


誰が見ていても不貞である。


ミルキは私への愉悦を選び、虎の尾を踏んだ(王女の逆鱗に触れた)のである。

 

王女に目を付けられた彼らを迎え入れることは出来ない。

喫茶店での事も含め、不貞と王女への不敬を理由に婚約破棄としたのだ。


**********


勿論、表彰式は行われなかった。

騎士科生徒は教師陣から叱責を受けた。

連帯責任になるのはしたかがない。

早かれ遅かれ彼らに苦言を申すべきだった。

もしくは苦言したものの、理解しなかったのだろうか。


彼らの未来は明るくならないだろう。


**********


まぁ、勿論というか、ロイドらが泣きついてきた。


彼らは自分らの近しき関係は私の勘違いだとか、そんな関係じゃなくてとか、色々並べてきたが、そこではないのよね。


しかも内定済だった仕事先が拒絶してきたのは私のせいだといってきたのである。

いや、違うから。


「何も理解されてないのがわかったわ。

でも私が婚約破棄したのは、貴方方が王女殿下の怒りに触れたからよ?


 通例、親善試合での表彰式があるわよね?

 優勝者に王族からのハグとキスを賜る事も。


 王族が触れてくださるというのに、貴方方は何をしてたと思う?

 王族が触れる位置を貴方方が手垢で汚したの。


 私だってミルキさんと間接キスなどお断りよ。

 だから、王女殿下への不敬を理由に婚約破棄させてもらったわ。


 勿論、即刻受理していただけたわ。

(他にも婚約破棄に至った方々も居るでしょうけども)


 王女殿下を軽んじた貴方方を助ける事は出来ないわ。」


家令を呼び、ロイド達を退室させた。


彼らは道すがら、お互いを罵倒していた。

私は勿論、家令に警備員に引き取って貰えるように命じた。


窓の外からは彼らの言い争う姿が見える。


「これが泥試合というものなのね!」

セ○コ、違う。

それは泥試合じゃなくて泥仕合や。

しかも使い方違うてるで。(2度目)


ということで、主人公の名前はセシリアになりました。


自サバさんは、愉悦を選んで、別の地雷を踏んだ自業自得になります。

ロイドは流されのボンボンですね。

周りのお仲間もしかり。


親善試合なので客人もいたと思いますが、主題から外れるので、王女の失態(公務失敗)についてのアレコレは省略させていただいてます。


今回のコンセプトは自サバ自業自得とザマァと、最後の泥試合(泥仕合)の間違ったセリフを言わせる事なので。


セシリア

家名不明の次期女伯爵。

婿は、亭主元気で留守がいい、所謂種馬であればいいぐらいの婚約だった。

馬だけに手綱位つけとくべきだったか?


多分、次の旦那には手綱つけるかと思う。


ロイド

ベルーガ子爵家3男。

流され男子。

セシリアの事はまあまあ好きだったかもしれないが、○野〜野球しようぜ〜的な、騎士職まっしぐらで放置しがちされがちだった様子。

ミルキとは本当に男友達位の気安さだった。

内定された職を失い、実家からも縁を切られた。

多分どっかでボソボソ突っ立ってるお仕事してそう。


ミルキ

恐らく男爵令嬢。

勿論ロイドに色目つかってた。(がスルーされてたっぽい)

自サバを称していたし、女子生徒からは嫌われていた。

打ち上げではそれなりに胸元空けてたりしたので、男女の仲云々の疑いは晴れなかった。

王女に喧嘩売った形なので、実家から籍抜かれたし、王都に職もなく、ド田舎に逃げたか、場末の娼館に墜ちたかしてそう。

(姐さんらとは仲良く出来なさそうなのでそれなりに酷い目に遭いそうですね。)


王女

ロイドの事を気に入ってた時期がある。

セシリアをよく思ってない時期もあったかも。

でも、親善試合後は、あんな男に惚れて私達バカみたいね。みたいな親和性をセシリアに感じている。

勿論、即決でセシリアらの婚約破棄を受理させた。

その後はなんとなく2人でお茶会してそうではある。

しくじり先生2人仲良くね?!((え))


泥仕合と泥試合から親善試合をくっつけたら、地雷が出来たお話である。(笑)

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