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ドラゴノイド覚醒  作者: Re:
東雲
3/4

同じ


 村の外れへ向かう小道を、二人は小走りで進んでいた。


「……怒られたね」


 オクシアが苦笑する。


「だって、薬草取ってきてないし…冗談だと思われてたね」


「ほんとに出たのに」


 アルカーナは唇を尖らせた。


 くしゃみに混じった、熱。

 あれは絶対に――気のせいじゃない。


「でもさ」


 オクシアが、ぱっと顔を上げる。


「もし本当だったら、すごくない?だってアルちゃんも、もう魔法使いだよ!」


「……えへへ」


 思わず、笑ってしまう。


 魔法使い。

 オクシアと同じ呼び名。


 胸の奥が、じんわり温かくなる。


 そのまま二人で歩いていると、道の先に人影が見えた。


「あれ?」


「アルカーナ?オクシア?」


 声をかけてきたのは、少し年上の幼馴染だった。

 仕事の合間なのか、肩に道具を担いでいる。


「どうした?二人とも、なんかこそこそして」


 顔を見合わせてから、オクシアが口を開く。


「実はね――」


 くしゃみのこと。

 炎が出たこと。


 話し終えると、幼馴染は一瞬きょとんとして、それから大きく笑った。


「口から炎!? ははっ、すげぇな!」


「……信じてないでしょ」


「まあな」


 正直すぎる返事に、オクシアがむっとする。


「でもさ…もし本当なら、オクシアと同じ魔法使いだろ?」


 その言葉に、アルカーナの背筋が少し伸びた。


「二人とも将来有望だなぁ…村も安泰だ!」


 軽い冗談。

 でも、悪い気はしなかった。


 別れ際、幼馴染は手を振る。


「森の方行くなら、気をつけろよ。最近、獣が出るって話だ」


「はーい!」


 元気よく返事をして、二人は森へ向かう。


 木々の合間に、やわらかな光。

 花畑が広がっていた。


「わぁ……きれい」


 そのとき。


「……あ」


 小さな声がした。


 二人が視線を向けると、花を摘んでいる小さな女の子が一人。


 両手いっぱいに花を抱えて、こちらを見ていた。


「お姉ちゃんたちも、取りに来たの?」


 無邪気な声。


 オクシアが屈んで微笑む。


「ううん。私たちは薬草を取りに来たの。貴方は?」


「私はお母さんにプレゼントするんだ!」


 ――その背後。

 森の奥で、枝がわずかに揺れた。


 重く、低い気配が、近づいてくるのを。


 まだ、誰も知らない。

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