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ドラゴノイド覚醒  作者: Re:
1/4

プロローグ

注意

怪我描写

それは月が空の一番高いとこを通り過ぎた頃


「火事だー!!」


「水を持ってこい!」


帝国の端っこのとある村で一つの家が炎に包まれていた。

炎の勢いは思ったより強く、家の前ではその家の家主と思われる母親がいた。

腕にはちいさな子供が抱かれている。


「おぃあんた!旦那は!」


「…中に…あの子を救いに…」


木製の家がまるで砂で作った山のように崩れつつあった。



男は木と炎の中を探り歩いている。


「アル…アル!」


黒い煙が肺を締め付ける。

落ちる火の粉が肌で赤くなる。


(……熱い…)


早くあの子を探さなくては。


──モゾッ


「!」


今にも崩れそうな柱のそばに影が動く。


「アル!」


縮こまって震える赤毛の子供がそこにいた。

その顔は怖い気持ちにいっぱいだった。

その怖い気持ちは果たして何を思っているのだろう。

火事の火だろうか

孤独だろうか

あるいは──


「アル、もう大丈夫だ。父さんが来たからな」


男は赤毛の子供を抱きかかえて外を目指す。



「………たぞ!」


「出てきたぞ!」


すでに半壊した炎の家から子供を抱えた男が出てきた。

抱えられた子供はまるで何も知らぬような優しい顔で眠っていた。


「アル…良かった…」


母親は涙を浮かべた。男…父親も家族全員の無事を安堵する。

自分の怪我すらも気にならないほどの安心感を得たのだろう。

父親の片目は皮膚の色が代わり、血を流していた。


────────────────────────


まもなくして火は消し止められ、そこには家があったのだろう跡のみが残っていた。


───あの炎は、偶然ではない。


それは、

まだ名も与えられていない力が世界に触れた

“最初の痕跡”

だった。


月は何も語らず、

夜は静かに明けていった。

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