おまけ後編. あわれ頭部人間。無限触手レ*プ
日人と金星は夜の内に粕谷グループ本社の正面玄関の脇にある木に登って、枝の影に潜んだ。そこで、粕谷狼が来るのを待ち構える。
なお、ふたりが本社の正面玄関だと思っているのは、実際には田舎の大学の正面玄関のようなもの。つまり、粕谷グループのオフィスビルや工場や社員寮がいくつも並ぶ広大なエリアの入り口に過ぎない。
金星親子程度では、真の大企業のスケールを想像もできなかったのだ。
平社員は最寄り駅から徒歩で来て、ゲートでAIによる顔認証をして、いくつもあるセキュリティゲートのうち最初のゲートを通過する。
朝になり、日人と金星は粕谷狼が出社するのを待ち続けた。
そして気づく。
車両用ゲートを通過して内部に入っていく、バスがある。さらに、偉い社員なのか、自家用車やタクシーでやってくる者もいる。
ここで待っていても、粕谷狼とは接触できないのだ。彼らが気づいていないだけで、エリア内には地下鉄駅もある。
中小企業でイキっていた親子は、粕谷狼も自分たちと同じように電車で最寄り駅まで来て徒歩で出社すると思いこんでいたのだ。
彼らは諦め、日人が粕谷と一緒に飲みに行ったことのあるバーに潜伏した。そして一週間後、ようやく、粕谷がやってきた。
日人は金星に入り口を見晴らせ、自分はバーのトイレに潜んだ。
個室の洋式便所の背後に隠れて待ち構える。
やがて、粕谷がやってきた。
ガチャッ……。
カチャカチャ。
ジョロロロロロロッ……。
「ふーん、ふふ、ふーん」
「おい」
「ん?」
粕谷は軽く驚いた。
まさか便器の裏側に、頭部だけの日人が潜んでいるとは思いもしない。
店内ミュージックの台詞パートだろうと、スルーする。
「ふーん、ふふ、ふーん」
ジョロロロロロロッ……。
「俺だ。日人だ」
「え?」
日人は敢えて姿を見せずに話しかける。
個室で音が反響しやすいこと、ぶりぶり音をごまかすためか男性用トイレなのにBGMが大きめなこと、粕谷が酔っていること、それらの理由により、彼は声の出所が便器の裏だとは理解できなかった。
脳内に直接声が聞こえているような気がしたし、それを不思議に思わなかった。
「日人なのか?」
「ああ。俺だ。久しぶりだな。狼」
「日人。生きていたのか。あの戦いで死んだと思っていたぞ」
「トッシュに復讐する。最強の戦闘用サイボーグを用意してくれ」
「くくっ」
その笑いには自虐めいた響きがあった。
「……どうした?」
「無理だ」
「なに?」
「あの失敗で俺は降格処分だ。会社の金や私兵部隊を勝手に使って、個人を襲撃して失敗したんだ。父さんももう俺をかばいきれない。それだけじゃない。立場も危うくなっている」
「なるほど。なら、最新の戦闘用サイボーグを盗むなり、横流しするなりしろ」
「無理だ。俺はもう、お前には協力しない。お前に関わったせいで今の俺は、ハイヤーなんかで出社しないといけないんだぞ。粕谷グループ次期総帥と言われた、この俺様がだ。通勤にヘリが使えないんだ。俺が信号待ち? こんな惨めなことがあってたまるか。ヘリの上で商売女にしゃぶらせて、イキながら地上のカスどもを見下ろすのが最高だったのによ……。歯を突き立てるような下手くそは、ファンタジーエリアに突き落とすんだ。必死に命乞いをする声を聞くと、最高に勃ったんだがなあ」
「そうか。分かったよ……」
カサカサ!
日人は便器の裏から飛びだし、指足で粕谷の足首にしがみつく。
ガシッ!
「うわっ! なんだ! キモい! なんだ、このキモいの!」
ジョバババババ!
粕谷が驚き手元が狂い、小便がズボンにかかる。日人にもかかる。
ビチャビチャビチャ!
「へへへ! ちょうど喉が渇いていたところだぜ。俺と同じ所まで堕としてやる! スキル『感染』!」
「ぐ、ああっ、あっ、か、体が熱い! まるで内側から溶けるみたいに熱い!」
「まるで、じゃねえよ」
「ぐあああああっ!」
ジョロロロロロ……(尿音)
ドロドロドロ……(肉体が溶ける音)
尿音と溶解音がまざりひとつになり、やがて消える。
ドサッ……。
粕谷の体は溶けてべたつく霧となって消滅した。
トイレの個室には彼が着ていた服と、頭部だけが残っていた。
「くくくっ。よう。気分はどうだ?」
「ひ、ひいいっ! ば、化け物!」
「お前もその化け物になったんだぜ」
「そ、そんな……! うっ、ううっ!」
「これはトッシュのスキルの効果だ。やつなら元に戻せる。だから元に戻りたかったら貴様も協力しろ」
「う、ううっ。いったい何を」
「トッシュの親しい者を俺の『感染』スキルで同じ姿にする。そいつを人質にして俺たちを元に戻させる」
「……わ、分かった」
こうして、日人と金星は新たに粕谷を仲間に加えた。
3人はさらに仲間を増やそうとしたが、気持ち悪い彼らに協力する者はいない。
というより、頼れる相手はもういない。
移動中にうっかり通行人に目撃されて、新手の妖怪かモンスターかと疑われ、警察や冒険者に追われた。そのうち、ツチノコや人面犬のように懸賞金もかかるだろう。
必死に逃げて必死に移動し、彼らは、トッシュの館に続く下水道にたどりついた。全員、道中でカラスや野犬に襲われて、傷やこぶで顔は覆われ、毛はなくなっていた。
3人は川にあったトッシュ達お手製の浄水場から下水道へ侵入する。
下水道だから当然、汚水が流れて臭い。指足で移動しているから彼らの鼻も口も、汚水にひたる。
惨めさと屈辱に挫けず、怒りの炎を燃やした。
耐えがたい状況はすべてトッシュのせいだ。復讐するためなら、どんなことでも耐えてみせると、彼らは汚水の中を強い意志を持ち、溺れそうになりながらも進んだ。
飲んだ汚物がどこにいくのかは分からないが、彼らはなんども飲んだ。
最初は不快さで吐いたが、やがて開き直る。
「へへへっ。トッシュの館には、レインがいる。俺が飲んでしまった汚水はレインの小便だ。ぐへっ。ぐへへへっ。うめえ。うめえ。聖水のかぐわしさが、今は無き胃に染みわたるぜえ」
「くくくっ。日人よ。よいなあ。なら、わしは、ネイのうんこを食べよう。むはっ。むはっ。くくくくっ。これはまさに、あの巨乳女の母乳成分が含まれた極上のステーキよ。うまい。うまい。やがてやつのうんこがワシのうんことなるのだ。くくくっ」
「ひひひっ。なら、エルフの幼女だ。ひひひっ。うめえ。この濃厚でツンとくる味、あいつの経血に違いねえ。ひひひっ。もう赤ちゃん産める体なんだねえ。うめえ。うめえ」
3人はすでに正気を失いつつあった。それほどまでに頭部のみの生活は過酷だし、下水道を進むことは彼らの精神をむしばんだ。
なお、彼らの位置に漂う汚水は、逆算すると前日のもので、ちょうどドルゴら男友達が押し寄せていた日だ。女子達は女子会のため、シルの実家があるエルフの里に出かけていた。
つまり、3人が飲んだり食べたりしている汚水や汚物に女要素はない。あ、いや、下水に流れているものは元を正せばトッシュやドルゴたちの嫁や恋人の手作り料理だから、女要素は少しだけあるかもしれない。
3人は短い指足で移動して、いよいよ終着点、トッシュの館の真下に来た。
「くくくっ。ここは便器の真下だ。いいか。レインが来たら俺が便器を破壊して、レインのま*こに吸い付く。ひひひっ。尿道から直接聖水を飲んでやるぅぅ。うひひっ」
「きひひひっ。ネイがきたら、ワシがア*ルをすべての指で拡張してガバガバにしてやる。あの高慢ちきのアヘる顔を見ながらねっぷりと弄ってやる」
「ひひひひっ。ロリエルフが来たら、俺のすべての指で前も後ろもめちゃくちゃにしてやる」
そのとき!
実はトッシュの館には、トッシュとレインの2人しかいなかった。シルはエルフの里にいる。両親と過ごす時間も必要なので、女子会のついでにしばらく帰郷している。
ネイはエルフの里で観光を続行するために残った。
レインだけがエルフの里から帰ってきたのだ。
ネイはレインをトッシュとふたりきりにさせるために、残った。
ということで、もう若妻と結婚して幸せハッピー脳のトッシュは常にエロいことばかり考えているし、妊娠で先を越されてしまったレインは、ヤりまくりたい。
「トッシュ。いつもと違うことしたい! ネイさんがいないし、普段できないような変態的なこと、しよ! いっぱい、いっぱい、しよ! トッシュの赤ちゃん欲しい! 孕ませて!」
レインは筆舌しがたいほどに、とんでもなくエロい格好とエロい表情で言った。
「ああ! しよう!」
そのとき、屋敷中の壁が女性器の内側のような肉ヒダに覆われた。さらに、粘液まみれの触手が無数に伸びてくる。
もともと、この世界は現実世界とファンタジー世界が融合した世界だ。
突如として、ゲームやアニメの世界が出現することがある。
トッシュ達が暮らす屋敷も、「ファンタジーRPGに登場する館」が出現したものだ。
いま、エロゲーの世界が出現し、トッシュの館に重なった。魔法少女が無数の触手にエッチなめに遭っちゃうタイプの、どぎついコアなエロゲーだ。
実は、世界が変容する現象はすべて、トッシュが無意識にスキル『現実改変』を使って起こしている現象だ。
トッシュは『現実改変』という最強過ぎるチートスキルの使い手だから、その対象を「手に触れた物」に限定することによって『ステータス編集』に劣化させていたし、『現実改変』スキルが使えることは記憶から消していた。
だが、都合のいいところでは、使う。使えてしまう。
スローライフを送れる家がほしいなと思ったから、荒野のど真ん中にでっかい屋敷ができて、安く買えた。
なら、とうぜん、愛する妻といっしょにドスケベド態度でドエロなことをしたいと思えば、そうなるのだ。
「トッシュ! な、なにこれ!」
「どうやら、エロゲーの世界が出現したようだ」
「ど、どうしたらいいの?」
「当然、このステージを攻略する!」
「うん!」
ぱくっ!
ぐぽっ!
ずにゅるんっ!
水気のある音が響き始める。
こうしてトッシュとレインはドスケベ触手の館を攻略する。
当然、触手の粘液は感度3000倍だし、館のすべての部屋が『セッ――しないと出られない部屋』になっている。
だから、トッシュとレインはすべての部屋でセッ――した。
自分たちの寝室でセッ――ロックを解除した後もなんどもしたし、ネイの部屋でもして、ヤッた痕跡をベッドの上にがっつり残してシーツをドロドロにしたし、シルの部屋でもヤッたし、ルクティの部屋にあったメイド服もネットネトにした。
来客用の部屋でもヤりまくって蓋がないタイプのゴミ箱に大量のティッシュを捨てたし、とにかくやりまくった。
そして、その間、館の地下もスキル効果範囲になっており、下水道にも感度3000倍触手が大量に発生して、3つの生首人間をがっつりと犯した。
3人は感度3000倍状態で7個すべての穴を犯された。極細のミミズ触手ががっつりとヤった。
下水道も『セッ――しないと出られない部屋』になっているが、頭部人間の彼らはセッ――できないから、もう出る手段がない。
完全に精神が崩壊して理性をなくして獣になった3人は、不死になっているため死ぬことも構わず、世界が滅びるまで永遠に地下下水道で触手に犯され続けるのであった……。
<完>




