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77話 トッシュとレインのセッ――熱気が、館中に状態異常を起こす

 翌朝。

 トッシュはベッドでセッ――しながら、窓の外が明るくなったことに気づいた。


「おはよう。レイン」


「おはよう。トッシュ」


「ちっちゃな太陽にもおはよう。ちゅっ、ちゅっ」


 変態親父的なことを言いながらトッシュはレインの左右の乳首にキスをした。新婚二日目にしてすでにエロエロだ。それだけ濃密な経験を積んだ。


「おはよう返しです。ちゅっ、ちゅっ」


 とんでもないところにキスを返したレインもド変態だった。***解禁したセクシーアイドル並みのドスケベになっている。

 トッシュはまたムラムラしてしまったので、ステータス編集で性欲を抑えるしかなかった。


「朝食の準備してきますね」


「ああ。俺はその間、家庭菜園の水やりしてくる」


 レインが下着を身に着ける。

 昨晩までは普通の下着だったはずだが、激しいドエロ行為をしたため「そこに穴が空いてたらダメだろ」という部分に穴が開いており、もう、エロ下着になっていた。

 というか上も下も普通の下着より布地が多く厚くやや野暮ったいものだったのに、すけすけの紐しか残らないくらい、激しい行為がおこなわれた。もちろん、下着を着用していないときにも、激しい行為が行われた。


 ドンキホ*テで買ってきたスク水やブルマも、「ちゃんと着けてヤッたんだ」と分かる感じで、あそこやあそこに穴が開いたり、裂けたりしていた。

 逆「バトル漫画でどんなに服が損傷しても股間だけは大丈夫」状態だ。


 そんな下着や衣装を見て、レインはようやく状態異常ドエロから回復した。


「きゃあああああああああああっ! わ、わた、わたし、なんてことを……!」


「ど、どうした。急に叫んで」


「う、ううっ……。み、みんな泊まっているのに……。ど、どうしよう。絶対、聞かれた。ううっ」


 レインはベッドに飛び込んで頭を抱え込んだ。


 バキッ、ドスンッ!


 激しい行為によって限界に来ていたベッドの底板が割れて、同時に脚も折れて崩壊した。部屋全体もきしむ。


「あー。あとで直しとくよ。とりあえず、水あげてくる。食事はルクティに用意してもらうよ。落ち着いたら出てきなー」


「はい……」


 トッシュは寝室を出た。


 館の外に行き、井戸から水をくみ上げ、プラスチックのじょうろで家庭菜園に水を撒く。

 作業開始してすぐにシルも出てきた。トッシュが水をくみあげてあげると、シルも小さなじょうろで水をあげはじめた。


「楽しみだなあ」


「トッシュのスキルで成長させたら?」


「ダメだよ。こうやって毎日楽しみにすることが楽しいんだよ。分かる? 『楽しみだなあ』『楽しみだなあ』って思うことが楽しいの」


「ちょっとわかる」


「ちょっとと言わず、いっぱい分かってくれよ」


「ねえ、レインは元気? どこにも行ってない?」


「ん? 元気だよ。なんでそんなこと気にするの?」


「だって、昨日いっぱい『死ぬ』とか『行く』とか言ってたから……。ルクティは大丈夫って言ってたけど、心配だった」


「……大丈夫。どこにも行かないし死なないよ」


「トッシュも大丈夫? 昨日の戦いで疲れたんだよね? シルもマッサージしてあげる。トッシュの顔に座ったり、おち*ちん踏んだり、罵ってあげるから、言ってね? 『頑張れ。頑張れ』って応援したら元気になる?」


「……お、おう」


 壁は厚くしておいたが、何もかも聞かれていたらしい。

 シルの聴力を消すわけにもいかなかったから、しょうがない。


「そういや、昨日のダンガムすごかったな」


「うん! すっごく楽しかった!」


 トッシュは露骨に話題を変えた。シルは簡単にのってくれた。


「あれなら間違いなくA級認定されるよ。大人になる前にスキルを繰り返し使って、『あれができることが当たりまえ』って自分にしっかり覚えさせて。そうしたら大人になってもダンガムに乗れるよ」


「うん! ガジラもやりたい!」


「お。おう。ほどほどにな」


 所詮アニメだから……と思う前に『できて当然』と心に刻み込むことができれば、それは永遠にシルの力になるだろう。


 それから雑談を続けて、水やりを終えた二人は館の中に入った。


 しん、としていた。


 台所を見ても、誰もいなかった。


「あー。昨日の戦いで疲れて、みんな寝てるか」


 トッシュは庭に出ると、米を炊く準備を始める。

 トッシュ家では米を炊くとき、屋内にパン焼き釜に飯ごうをぶち込んでもいいのだろうだが、庭で直火に当てることにしている。そうした方がおいしくなる気がするからだ。


 問題なのはドルゴのような大食漢がいるため、大量に用意しなければならないことだ。

 もともと、トッシュ、シル、ルクティの3人で暮らすつもりだったから、飯ごうは1つしかない。一度に3人分が炊ける小さめのやつなので、14人分かつドルゴを考慮すると、8回は炊く必要がある。


「まあ、おいしく炊けたのは俺達で食べて、ドルゴはスキルで時短して炊いたやつでいいだろ」


「トッシュはドルゴの扱いが雑だと思う」


「えー。そんなことないよ」


「昨日、トッシュがひとりで出て行ったことに気づいたドルゴ、ひとりで飛び出していったんだよ」


「マジかよ」


「シルがダンガムでドルゴを拾ってつれていってあげたんだけど、ずっと『無事でいてくれ』とか『俺がつくまで死ぬな』って言ってたよ」


「マージーか~よ~」


 ちょっと照れくさかったから、まあ、仕方ないし、ドルゴの飯も丁寧に炊くことにした。


 米は「あとは待つだけ」状態になった。

 おかずが何もない。食材や調味料はあるが、トッシュはレトルトくらいしか作れない。


 カレーや中華丼やハッシュドビーフなど、レトルト食品を外に持ちだし、大鍋にお湯を用意した。

 各自で好みのものを食べてもらうつもりだ。


 トッシュとシルは飯ごうで炊けたご飯を寿司桶に移した。


 二回のお米を準備していると、トッシュが思っていたことと同じことを、シルがぼそっと、つぶやく。


「まだ誰も起きてこないね」


「ああ」


 さすがにちょっと様子がおかしい。

 寝ている人を起こさないようにトッシュとシルは静かに行動していたとはいえ、物音がするんだから誰か一人くらい起きてきそうなのに……。


「炊きたてのうちに食べてほしい……」


「そうだよな。じゃあ、シルは噴きこぼれないか見ていてくれ。先ずは、ルクティを呼んでくる」


「うん」


 トッシュはルクティの寝室に向かった。まずは、飯ごう炊さん経験があり、料理のお手伝いをしてもらいやすいルクティから起こす。


「おーい」


 ノンデリなトッシュはノックもせずにドアを開けた。


「あんっ! あっ! あっ! あっ……!」


 全裸のルクティがベッドの上で股間に手を当てて、なんか激しく、いたしていた。


「おい、朝から……。ん?」


 テーブルに、シルのお絵かき用スケッチブックが開いたまま置かれており、何か文字が記されている。


「ん? ルクティの書き置きか?」


 そこにはこんなことが書いてあった。


 一晩中、ご主人様とレイン様のエッチな声を聞かされて私はムラムラしていました。シルちゃんがいるときは一人エッチが出来なかったけど、もう限界です。今日は一日中、狂ったように一人エッチします。もし、私のことを哀れと思うなら、慰めてください。


「なんか、悪いことしたな……。しかし、まだ続きがある……」


 他の方々はご主人様たちの熱にあてられて、一晩中ひとりエッチしていました。ドルゴさんと姫子さんは「自分たちも」と盛り上がってカップル成立しています。みんながっつりヤってしまっているので、恥ずかしくて外に出てこられないかと思われます。

 一人エッチのし過ぎで体臭を気にしている方もおられます。お風呂にお湯をためて、トッシュ様はシル様と一緒に外に行ってください。


「マジかよ……。まじで、悪いことしたな……」


 どうやら、トッシュとレインのセッ――熱気が、館中に状態異常を起こしてしまったらしい。もしかしたら、感度をあげたりしていたトッシュのスキル効果が漏れてしまったのかもしれない。

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