19【呉服屋の朝餉】
13【間者】によしの屋のお屋敷の間取りを入れました。
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そっちを見てからこれを読んでいただく方がイメージ湧くかもですぅ
いつもお読みいただきありがとうございます!
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翌朝、よしの屋に戻って挨拶する。
「お早うございます」
「あ、瑠璃姐さん、お早うございます」
「おはよう卯乃吉ちゃん」
今日は、隣のえびす屋の検めのためにお休みにした。他に一人いる丁稚や手代の六郎も今日は前掛けをせず、気楽な雰囲気だ。
「昨日は大変やったな」
主人も顔を見せる。
「あらあら、おはようさん」
女将のお福は朗らかな顔を見せる。
「瑠璃ちゃん、朝餉食べたん?うちらは今からやねん。あんたの分も用意できてるよ」
「では、すみません女将さん、甘えさせてもらいます」
瑠璃は今日は鬢付け油を使わずに、こよりや組紐で自分で結わえただけの丸髷に簪一つと柘植の櫛を付けている。
よしの屋の朝餉は、今日も真っ白なご飯と、雑喉場(魚市場)からの鯵が一尾ずつ塩をまぶされて香ばしく焼かれたものと、白みそ汁と、漬物、そして昆布を醤油味で炊いたものがお膳に乗せられている。
塩鯖や干物ぐらいしか海の魚を食べたことが無かった、京育ちの瑠璃には、新鮮な魚が焼かれたものが一人一尾丸ごと朝に昼に出てくる、よしの屋の食事がすごく気に入っている。
「これから、奉行所が隣に来る言うてますけど、ご主人はどうなったんでっしゃろ。昨日の瑠璃ちゃんと小まめが行ったお座敷にいたんやろ?」
主人が心配顔で聞く。
「お江戸の呉服屋の三男で、隣に婿養子になって頑張ったはったんですけどね」
女将も話す。
「女将さんとの仲はどないでした?」
「まあまあ、よかったんちゃいますか?ちょいちょい喧嘩してはったみたいやけど。あのぐらいなら普通やと思ってました」
「結婚されてすぐに先代と大女将が亡くならはって、それからは特にのびのびと商売してはりましたよ。江戸や長崎にも仕入れに行ったりして、よく留守にしておりました」
「そんな風に、じっとしてないからか、子供が出来んで。おりょんさんは少し悩んどりましたけどね」
「うちは反物や商売のことは分らしませんねんけど、そんなにご主人が動くもんどすか?よしの屋さんも仕入れに出かけたりしはりますの?」
「うちは、越後の方の出身でそちらの縮緬を扱っている仲買人と古い付き合いでね、その他の地域からもその仲買人が持ってきてくれるんや。だから自分で行くことはないわな」
「そうやで、やっぱり長の旅は大変やろ?それに商品なんかつんどったらさらに危険やしな」
「そうやな」
「自分の旅費と、その身と多い荷物を守ってくれる力自慢を雇って、その人たちの賃金や旅費や身の回りのお金も出さなあかんやろ」
「そうですね」
「そうしたら、仲買料増やすより高くつくねん」
「なるほどなあ」
「仲買人はあちらこちらに売るからそれでやっていけんねやけどな」
「たまに織元に顔を出して挨拶することはあるかもしれんけどな」
「畿内なら何とかなっても、江戸や長崎は遠すぎるわ」
「ふんふん、勉強になるわぁ」
「それを思ったら、隣のご主人の動きは、わてらからしたら変わってるとしか言えんけどな」
「それで、よしの屋さんは白い粉を疑ってたんですね」
「仕入れに出た言って戻ってきても、持ってきた荷物が反物と違う時もあるしな」
「確かに。反物が入るような大きさの箱じゃなかったりな」
「ふうん」
今日の検めは、一体何が出て来るんやろな。
「で、隣のご主人はどうなったんでっしゃろ」
「本田の遊女と阿芙蓉で遊んでて、ぼうっとしてたところを捕まったみたいや」
昨夜、百沙衛門の屋敷の風呂から出たら、六郎がやってきてて、その話を聞いた。
「せやから、本当に隣には誰もいないんちゃうかな」
「そんな。おりょんさんがあんなに頑張って守ってた店を」
「なあ」
朝餉の器を洗っていると、よしの屋の住まいの方の玄関に気配がした。
「ごめん」
百沙衛門の声だ。
「お早うございます」
「今日は、休みにしてもらってすまないな」
「いえいえ、瑠璃さんにも事情はお聞きしていますし大丈夫ですよ」
「それで、瑠璃は居るかな」
「へえ、呼んできましょ」
「もう来てるで」
手拭いで水を拭きながら三和土に揃えてある自分の下駄を履く。
「お早うございます。長見様」
「悪いな、手伝ってくれ」
「分かりました、卯乃吉ちゃん前掛け貸して」
「はいどうぞ」
前掛けと襷をする。ついでに手を拭いていた手拭いでほっかむりも。
どんな埃が出るかわからんしね。
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