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追憶の笑顔  作者: ぺぺ
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変化

こんにちは!長らくお待たせしました。

初心者なので、文章の不届きや読みにくさはお許しください。


 女は、今は某有名大学の首席として、講義とレポートとバイトに追われながら暮らしている。あの日のことを思い出しても由梨には少し悪いことをしたな、と思う程度で、全く後悔はしていない。

 人は皆いつか死ぬ。そして他人の命より自分のそれのほうが大事なのは当たり前のことだからだ。


 「いやぁ、ほんとによくバレなかったよなぁ」


 バイト終わりの午後9時頃、女は一人暮らしのアパートに向かって、街灯の明かりだけの夜道を自転車で帰っている。電球が切れかかっているのか、たまに点滅してしる。今日も疲れたな、などとぼんやりと考えていると、微かに子供の嗚咽する声が聞こえる気がした。ふと気になって、帰路から逸れて声のした細道に入ると、やはり道は間違っていなかったようで声は大きくなった。こんな夜にうるさいな、近所迷惑じゃないかと思いながら進むと、子供が小さな声で泣きながら横たわっているのが目に入った。驚いたが、好奇心が勝ったため女は自転車を降りて近づく。見たところ子供は4歳ほどの男児で、枝のようにやせ細った腕、擦り傷や打撲痕だらけの顔や体を見れば、虐待を受けているのは火を見るよりも明らかだった。きっと、この子供の何かが親の癪に障って家を追い出されたのだろう。とりあえず児相にでも連絡するか、噂になれば大学での私の株も上がるだろうし、と、女は電話をかけた。


 およそ20分後、児相の役員が駆けつけて、子供は保護され、その親は取り調べを受けた。酷い虐待で以前にも通報されたことがあったようで、子供は児童養護施設に預けられた。通報した時の男児の様子を事情聴取されているとき、偶々その子に会った。

 そのとたん、男の子が女に駆け寄ってぎゅっと抱きつき、にこっと笑って、少し詰まりながらも、ありがと、とお礼を言った。女は少し呆然としてから、何か守るべきものを見るような目をして、ううん、と言いながら男の子に目線を合わせるように屈んだ。


 女のなかで何かが変わった瞬間だった。



 女は、大学を卒業して就職したらすぐ戻ってくるからね、と言い残して去って行った。女の目には、何か決意が宿っていた。




 約束通り、女は就職して、養育里親研修をあっという間に終えて、少し大きくなった少年のもとに戻ってきた。大学時代の貯金のお金がたくさんあったため無事に審査も通って、晴れて少年を引き取ることに成功したのだった。


 それから一ヶ月もした頃には、女はすっかり庇護欲と母性に満ちた女性に変貌した。仕事も家事も、もちろん育児も一人で完璧にこなし、少年の心をケアすることも忘れない。そのハードな生活が続くのはひとえに、少年にもう二度と悲しい思いをさせない、という決意からのものだった。



 二人の暮らしも2ヶ月目に入り、少年の体の傷も少し薄くなってきた。学校での友人関係もうまく行っているようで、毎日楽しそうに通っている。

 「ねえお母さん、ここの宿題わかんないよー」

 「ん、どこぉ?」


 はじめのうちは、’’母親’’に対するトラウマからか、女を名前で読んでいたが、最近お母さん、と呼ぶようになった。これに女は大喜びし、少年といるときは一人称が”お母さん”となる。



 大きなマンションの広めの一室、幸せそうな”家族”の笑い声が響いていた。


























 あの日までは。

                                                                                                       

ありがとうございました!

まだまだ続く予定です

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