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妖精のくしゃみが人生を変える  作者: 柏木紗月
ランダ新生活編
46/55

興味

前回の45話ですが当日中に最後の辺りを一度訂正しています。申し訳ございませんが訂正前に読んでいただいた方はもう一度読み返してもらえますと幸いです。


 私たちは場所を変えて私の部屋に移動した。


「それでルナシー、マナちゃんが三度寝したってどういうことなのー?」

「確かついこの間会った時に何十年か振りに目を覚ましたんですよね」

「そうなのよ。正確には四度寝かしら?ティナが会ったのが二度寝から覚めたときよね?」

「はい。その後ちょっと寝るって」

「それで昨日の夜私が会いに行ったのよ」

「会いに行かれたんですね」

「そう。私もそろそろティナに約束してたお勉強を教えてあげようかと思ったのよ。それで山猫一族の力のことはマナに聞いた方が良いからって起こしに行ったの」

「そうなんですね。ありがとうございます」


 ルナシーさんも忙しいから教えてもらうのはまだ先かなって思ってたけど準備しようとしてくれてたのね。


「ええ、感謝してちょうだいね。そう、昨日の夜だか今日の夜だかにバジーリオのところに行ったのよ」




──遡ること深夜1時頃


「やあルナシー、直接会うのは久しぶりだね」

「ええバジーリオ。元気かしら」

「僕は元気さ。マナを起こしにきたんだよね」

「そうよ」

「それがマナの核だ」


 ルナシーはバジーリオの指す核に向かって声をかける。


「お寝坊さんのマナちゃん、そろそろ起きる時間よ。あなたが惰眠を貪ってる間に私は人間の国を手中に治めてきちゃったわー。あーあ、同時に生まれたのに中級と初級って差が開いただけじゃなく魅力も美貌も大きく差が開いちゃったわねー」

「煩いルナシー!!こっちは好きで初級妖精やってるのよ!!魅力と美貌がなんですって!?寝言は寝て言いなさい!!私の方が何倍も何百倍も上なんだから!!」

「寝ながら寝言言ってるのはそっちじゃないの。色気だけで落とせる人種は一部なのよ。私のような上品で清楚な美人の方が万人受けするんだから。おほほほほ!!」

「嘘仰い!!色気こそ正義!!極めて極めればどんな人種だって落とせるのよ!!ナイスバティに更に磨きをかけて起きるから首洗って待ってなさい!!」

「あーあ、メンテナンスに入っちゃったね。いつ起きるかな」

「ふん、すぐ終わるでしょ」

「それはそうだけどマナだよ?今興奮しててもすぐ沈下して普通にまた寝始めちゃうよ。そしたら次いつ目覚めるか」

「はっ……」

「僕ら的には気長に待てば良いけどルナシーは何のためにマナを起こしにきたんだい?ティナに力の使い方を教えるためだよね」

「……おほほほほ」

「高笑いしてもやっちゃったことは変わらないね」



─────


「ということがあったのよ」

「ルナシーさんのせいじゃないですか」

「あらー。ルナシーどうするのー」

「っていうか同時に生まれたとかメンテナンスとかってどういうことですか?」

「ああ、ルルとネルと同じよ。同時に生まれたの。双子みたいなものね。でもあっちはずっと初級妖精なの」


 ルナシーさんとマナさんがルルとネルみたいに双子……。


 確かにどっちも美人だ。妖精はみんな顔立ちは整ってはいるんだけど特に華がある感じ。でも路線は違うんだよね。


「で、メンテナンスというのはね、そもそも妖精は基本的に数百年ごとに眠りにつくのだけどその時に体をメンテナンスするのよ。寿命がないっていってもこの体はすごくゆっくりでも劣化していく。溜まった色んなものを取り除いたり綺麗にしたりして再び目覚めるの。その時自分の好みで容姿を変化させることもできるのよ。お馬鹿なあの子は私に対抗して胸を大きくしまくってたりボンキュッボンの体に変化させたりしててね。無駄な努力よね」


 うーん……あのお色気にそんな秘密が。


「あ、じゃなくて。そうなんですね」

「私に対抗してまた深い眠りについちゃったわけだけど安心してちょうだい。数百年溜まった体をメンテナンスするわけじゃないからそれ自体はすぐ終わるわ。未来視と同じなの。メンテナンス中は外から声をかけられても聞こえはいし反応もできない。でもメンテナンスが終われば声をかけて起こせるのよ。眠りながら会話もできるんだから」

「なんだ。じゃあ問題ないですね」

「だけど問題はマナがとんでもなくお寝坊さんなことよ。サヨ並みに寝起きが悪いの。だからセトスとほぼ同時に眠りについたのに起きるまでこんなに差が開いてしまったの」

「ふむ……」


 これは簡単なようでとても難解な問題な気がしてきたわ。


「ああ、それで、サヨをここに住まわせたそうね」

「そうなんです。毎日未来視を見たか確認してほしいって言われてるんですけど全然起きなくて」

「サヨもマナと同じで興味のあることがあれば起きようとするはずよ」

「興味のあることならーティナだと思うけどー?」

「サヨちゃんも私のところにわざわざ歩いてきてくれましたけどなんだかもう興味がなくなったみたいに私が起こそうとしても起きてくれないんですよね」

「興味がなくなったんじゃないはずだわ。それより寝る方が重要なだけ。サヨだって起きて楽しいことがあれば起きるわよ」

「じゃあマナさんとサヨちゃんの興味のあるものを用意しておけば良いんですかね」


 サヨちゃんは駄目だったけどマナさんは私という存在だけで興味を持って起きてくれるんじゃないか、という希望を持ってまずマナさんに会いに行くことにした私たち。


 バジーリオさんの所に向かった私は自分の考えが甘かったことを知る。


「ふぁ……ティナも愛してあげるけどぉ、刺激的なものも欲しいのよねぇ……ローナはほら……言動がぶっ飛んでて面白かったし……面白いものを見せてくれるっていうなら起きようかしら」

「駄目です。私は面白味のない普通の人間なので」


 ルナシーさんに連れてきてもらってバジーリオさんの元にいるマナさんに声をかけてみたけどローナと私は恐らくたぶん絶対性格が違うから難しい要望をされた。


「えーティナは面白いよー」

「ティナは面白いのにー」


 ルルとネルが不満そうに言う。


 だからそう思ってるのはああなたたちだけだって。


「マナさん、どうしても起きてくれませんか?」

「そうねぇ……あとマナって呼んでって言ったじゃない。敬語もいらないわ。人間ってそういうとこが面倒よね」

「えっと……マナ、こうやって普通に話してるんだから起きてくれても良いんじゃないかな」

「んーでも私一回寝るとなかなか起きれないのよねー。ほら、この空間ってあったかくてふわふわして気持ち良いのよ」

「知らないけど……」

「文句ならルナシーに言ってちょうだい。私は昨日起きようとしてたのよ。それがルナシーのせいで起きる気がなくなっちゃったんだもの」

「嘘よティナ。そう言って全部私のせいにしたいだけなんだから」

「うーん……」


 とにかくこのままマナに眠ったままでいられると私の力を使いこなせるようにできない。


 山猫一族の力がなくても問題ないとは聞いてるもののランダのみんなが待ってると思うと早く何とかしたいところだ。


「マナ、面白いものを見せるって言えば良いのね?」

「ええ。私好みの刺激的でキラキラしてて面白いものが良いわね」


 刺激的、キラキラ、面白いもの……なんだろう。


「ルルわかったー」

「なに?」

「激辛料理だよー」

「激辛料理……確かに刺激はあるけどキラキラと面白味はないんじゃ」

「面白かったよー。パン屋の新作の試食でねー激辛カレーパンを食べたティナがねーキラキラしてて面白かったー」

「そ、それは辛すぎて食べれなくって……ってとにかくそういうことじゃないから却下!!」

「えー」

「私食べ物にはそんなに興味ないのよねー。それより楽しい遊びが好きだわ」

「楽しい遊び……刺激的でキラキラ……」


 私はふと今頃鉱山での慣れない作業にヒィヒィ言っていそうな異母妹を思い出す。


「宝石集めとか?刺激的かはわからないけどキラキラしてて異母妹はいつも楽しそうに笑ってたわ」

「んー確かにそういうのも好きねぇ。でも違うのよ。もっとこう、楽しー!!って感じのぞくぞくわくわくするようなものが良いわね」

「また増えた……。ぞくぞくわくわく……」

「ふぁ……とにかく出直して考えてきてちょうだい。じゃあね」

「あ、マナ……」


 そのあとマナは反応を返してくれなくなって仕方なく私たちは王宮に戻った。


「んー刺激的でキラキラしてて面白くてぞくぞくわくわくする遊びですか……」

「そう、ベルーナ何か思いつく?」


 王宮で留守番をしていたベルーナたちにも考えてもらおうとマナから言われた話をしてみた。


「何でしょうね。竜王様と鬼ごっことかですか?」

「エディと……」


 それは獣人流鬼ごっこをあの最強竜王とするということよね。


「しかも手加減なし、とかだいぶ恐ろしくて刺激的だと思います!!」

「いや、炎で丸焦げになって刺激的どころじゃないわよ」

「ティナ様、情熱的な獣人の女は恋人の愛を確かめるために火遊びをしますよ。刺激的でぞくぞくわくわくします」


 ミゼルダさんの言葉にヒヤリとする。


「ランダの女性たちの愛は怖いので具体的にどんな火遊びなのかは聞かないでおきますね」


 うーん……。なかなか思い付かない。


「そうだティナー。こういう時は私の旦那様に丸投げしたら良いわよー」

「ネイツさんにですか?」

「難しいことを考えるのが得意なのよー」

「んー忙しいネイツさんには悪いけどこうして考えてても思い付かないし聞いてみようかしらね」


 ということで翌朝ネイツさんの元に行くことになった。



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