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妖精のくしゃみが人生を変える  作者: 柏木紗月
ランダ新生活編
39/55

ハード鬼ごっこ



「それじゃあ私が審判をしてあげるわね」


 ルナシーさんがそう言うと妖精の姿になって宙に浮く。


 それにしても審判って……。これはスポーツなのか?


「良いかしら?改めてティナにルールを説明するわよ。最初に1人鬼を決めるの。スタートって言ったら鬼も含めて全員動き出して魔法や体術で攻撃や防御をしながら誰かの体にタッチしたら鬼交代よ。ティナみたいに体を透明化するのはありだけど人から逃げるときと近付くとき以外は透明化を解くのよ。それからタッチするときは透明化を解かないとダメ。だってタッチされた相手も私も見えないもの」

「それはそうですね。……タイミングが難しそう」

「ルルに任せてー」


 任せて大丈夫かしら。でもこの前もそうだったけど意外とルルはこういう場面に強いのかも。戦禍のランダで暮らしてたからかな。


「よし、じゃあ透明化したり解いたりは目配せでやりとりしましょ。ネルも」

「あーい」

「あいあーい」

「鬼が交代になったら私が知らせるわ。じゃあ鬼を決めましょう。みんな輪になって」


 どうやって鬼を決めるのかと思ったら輪になった真ん中に木の枝を立てたルナシーさん。


「「「鬼さんだーれだ」」」

「あ!!私なの!!」


 みんなの掛け声の後枝を倒してその先にいたコリエッタちゃんが飛びはねた。


 なるほど。こうやって決めるのね。


「最初の鬼はコリエッタね。さ、始めるわよー」

「わっ、もう?サリさんどうしよう」


 作戦とか……いや、4人で1人の私以外はそんなの考えないのか。


「大丈夫大丈夫ー。ルルちゃん、始まったらすぐに透明化してちょうだーい」

「あーい」

「ティナ、始めちゃうわよー?」

「あ、はい、大丈夫みたいです!!」

「ティナ様、頑張ってください!!」


 応援係のベルーナに手を振って応える。


「じゃあスタートー!!」


 ドゴーン!!


「ぎゃっ!!んっ……!!」


 スタートと同時に大岩が降ってきたかと思ったら凄い音が響いた。


 思わず叫んでしまった私の口をサリさんが塞いでくれる。


 危ない……透明化した意味なくなるところだった。


 改めて大岩が降ってきたところに目を向けると大岩を挟んで犬獣人くんとコリエッタちゃんがいてコリエッタちゃんの足が大岩を砕こうとしているところだった。


「いや、いくらなんでも……」


 そう言ってる間に大岩にヒビが入り──。


 ガシャーン!!


「はーい、犬獣人の君に鬼交代よ」

「あーあ、ダメだったかぁ」

「ふふ!!やったーなの!!」


 大岩を降らせる犬獣人君もそれを砕いちゃうコリエッタちゃんにも驚いている間に私はサリさんに腕を引かれて近くの岩影に隠れた。


「子供なのに獣人ってすごいのね……」

「ティナーのんびりしてる時間はないわよー。鬼ごっこはーすぐに鬼交代になっちゃうんだからー」

「そ、そうなんですね」

「鬼交代ー!!次は狼獣人君」


 そういう間にもう鬼交代したみたい。


「ティナ様の匂いがするぞ!!」


 狼獣人君の声と同時に雷が降ってくるがサリさんがガードしてくれる。


 私はネルに目配せして辺りを照らしてもらいその間に透明になって逃げる。


「ひゃん!!」

「ご、ごめんね!!」


 走っているとコリエッタちゃんの従姉ちゃんとぶつかってしまう。


「あっ、ティナ様ですね!!何もないところで何かにぶつかってびっくりしちゃいました!!」

「う、うん、私。ルル」

「あーい」


 ルルに透明化を解いてもらった私は従姉ちゃんに怪我してないか聞く。


「全然平気ですよ!!それに獣人は体が丈夫なので怪我しにくいんです!!」

「そうなのね」

「ティナ様見つけたー!!」

「きゃっ」


 狼の姿になった狼獣人くんに突撃された私は地面に倒れる。


「ティナ様大丈夫ですか!?……あ」


 従姉ちゃんに差し出された手を取って思った。


「鬼がティナに交代したけどすぐに交代ー」

「あー……やっぱり。ごめんね」

「いえいえ!!私いつもこんな感じで……」


 従姉ちゃんはおっちょこちょいなのかな。


「えっと、ティナ様逃げてくださいね」

「あ、うん」


 従姉ちゃんがぴょんと跳ねて私に向かってパンチを繰り出す。それをサリさんに止めてもらって再びネルの発光で逃げる。


 サリさんと合流して今度はコリエッタちゃんにタッチされ、どうにか犬獣人君にタッチして──。


「終了ー!!」


 そしてルナシーさんの合図で超ハード鬼ごっこが終了した。そういえばどうすれば終了だったんだ。


「なんとなくよなんとなく。審判がそろそろかしらって思ったら終了なの」

「そ、そうですか……」


 私は息も絶え絶えに応える。周りを見ると元気いっぱいだったみんなもぐったりとまでいかなくてもくったり、くらいになって地面に倒れたり座り込んだりしていた。


「鬼ごっこ……やっぱりめちゃくちゃハードですね」

「でもルル楽しかったー」

「ネルもー」

「ふふ、そうね、疲れたけど楽しかった」

「はーいみんなーコリエッタママがジュースを作ってくれたわよー」


 子供たちの遊びの鬼ごっこに付き合ってくれたサリさんがいつも通り元気で、何処かに行っちゃったかと思ったらコリエッタちゃんの家からベルーナと一緒にジュースが入ったコップを持って出てきた。


「なんと品種改良してなんだか元気が出る効果のあるりんごで作ったりんごジュースよー。飲みたい人ー」

「「「「はーい!!」」」」


 子供たちがサリさんたちの元に駆け寄る。


「ティナ様もどうぞ。妖精さんの分もこちらに」

「ありがとうございます」

「わーい!!ありがとー」

「ありがとー」


 私たちもベルーナからりんごジュースを貰う。


「この前のりんごですね」


 そばにいたコリエッタちゃんのお母さんに言う。


「はい。いただいたりんごをジュースにさせてもらいました」


 なんだか元気が出る効果……眉唾物だけど、と思いながら一口飲む。


「えっ!?」


 何故かわからないけどなんだか元気が出てきたかも!?


 さっきまで疲労困憊で動けないと思っていた体が元気になった。でもそんなことあるかと思いながらくったりしていた子供たちがぴょんぴょん跳び跳ねたりくるくる駆け回ったりしてるのを見る。


「ルル、なんだか元気出たー」

「ネルもなんだか元気出たー」

「品種改良した食べ物の効果って凄いですよね!!」

「えっと、確かに……」




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