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妖精のくしゃみが人生を変える  作者: 柏木紗月
ランダ新生活編
32/55

新しい生活


「「ティナ様、ようこそランダへ」」

「ど、どうもこんにちは?」


 エディに王宮まで連れてきてもらった私は王宮の前にずらりと並ぶ人たちに戸惑い後退る。


「ティナ、とりあえず侍女やメイドたちだ」

「こ、こんなに?」

「多いか?ルナシーに聞いた人数より少ないのだが」

「いや、私もわからないけども」


 そこに一人の女性が一歩前に進む。


「ティナ様、至らぬことばかりでご迷惑をおかけすることもあるでしょうが皆ティナ様がお早くこのランダに馴染むことができるように精一杯ティナ様にお仕えいたします」

「あ、はい……あれ?」


 どこかで聞いたことがあるような声に首をかしげる。


 そういえば皆人の姿をしてるけど獣人なのかしら。


 獣人、この声……。


「あっ!!ミゼルダさんですか?」

「はい」


 目の前の女性がにこやかに笑うと次の瞬間鷹の姿になった。


「わぁ!!ミゼルダさん!!さっきはありがとうございました!!」


 さっきはロイドを運ぶためにちゃんと挨拶できてなかったんだ。


「いえいえ、こちらこそ国の争いに巻き込んでしまいまして申し訳ございません」

「いえいえ、サクティラは私の故郷ですし」

「ティナ様ー私はベルーナですよー!!」


 さっき会ったばかりのベルーナが抱きついてきた。


「ひゃっ……びっくりした」


 でもなんというかやっぱり10才くらいの女の子に見えるのよね。


「こらベルーナ。ティナ様に抱きついては失礼ですよ」

「はーい」


 ミゼルダさんのくちばしがベルーナの襟を加えて私から離す。そしてミゼルダさんは獣人の姿になる。


「長いこと王族は竜王様エドモンド王だけでしたのでお世話係もいなかったのですよ。ですがご安心くださいね。私は人間の国に飛んでいって貴族や王族の暮らしを見たことがありますから」

「あ、はい。でも私も貴族らしい生活してなかったので気を使ってもらわなくても……」


 私がそう言うとミゼルダさんもベルーナも他の人たちもショックを受けたような顔をする。


「ど、どうしました?」

「ティナ様、どうかそのようなことをおっしゃらないでくださいませ。私たちティナ様にお仕えできることが楽しみなのです」

「そ、そうなんですか?」

「はい。私のような年長の者は先代とラナ様を思い出してとても懐かしく幸せなのです。2人が愛したエドモンド様が愛する方をお連れするなどなんて素晴らしいことでしょう。そのような方にお仕えできることはこの上ない幸せなのです」


 ミゼルダさんの言葉に年上に見える人たちがうんうんと頷く。


「えっと、わ、わかりました。そういうことでしたら私も誰かにお世話されなれてないですが頑張ります」

「まあ、ティナ様が頑張るのはもっと別のことですわよ。さ、どうぞこちらへ」

「そうですよー来てください来てください。時間がなかったのでまだまだですけど最低限揃えたんですよー」


 ベルーナに背中を押される。


「あ、えっと、エディ」


 振り返るとエディはため息をついていた。


「整えた部屋を見せたいのだろう。行ってくると良い」

「う、うん」

「あとで夕ご飯を一緒に食べないか?」

「うん!!」

「じゃあまた後で」

「うん、また」


 そうして私はベルーナに手を引かれて宮殿の中に入る。


「こちらがエドモンド様のお部屋です。それでこちらがティナ様のお部屋です。どうぞ」

「は、はい。……わぁ!!」


 落ち着いた雰囲気で品のあるお部屋だ。


「それにドレスです!!」


 ベルーナがクローゼットを開けると水色や黄緑、紺色を基調とした服が5着あった。ベトナムのアオザイのような衣装だ。


「可愛い……」

「こちらの勝手なイメージで作ってしまいましたから少ないですがティナ様のお好みですぐに仕立てましょう」

「ありがとうございます。でも私好きですよ。見ても良いですか?」

「もちろんです」


 ベルーナと私と年の近そうな女の子たちがそれぞれ衣装を手にする。


「鏡の前にどうぞー」

「ふふ、ありがとう」


 せっかくだから着てみようと言うことでドキドキしながら用意してもらう。


 ちなみに準備の合間にミゼルダさんやベルーナ以外の人たちを紹介してもらった。堅苦しいのは嫌だからやり易かった。


「ランダではお花の形をした飾り物やこうしたピアスを身につけます」

「髪の毛は緩く巻いて下ろすことが多いですよ。ティナ様のお髪はお綺麗でいらっしゃいますね」

「ティナ様ーこれティナ様に似合うと思います!!」


 そんなこんなでまず着たのは水色の衣装。合わせて結婚式でつけるようなラインストーンを髪につけてもらって軽く化粧もしてもらった。


「わぁ!!綺麗!!」

「ええ、とても美しい」

「ティナ綺麗ー」

「きれいきれいー」


 ルルとネルもくるくる回って褒めてくれる。


「ちょっと服に着られてる感じしませんか?」

「そんなことないですよ!!」

「とてもお似合いです。他にも着てみましょうよ!!」

「ええ」


 そして5着全て着てみて最初に着た衣装に再度着る。


「……どうかしら?」


 なんと着飾ってエディと夕食をとると途中で聞いたのだ。


 でも考えてみればさっきまでの服で晩餐なんて格好がつかない気がする。


 というわけで途中からエディがどう思うかを真面目に考えながら衣装や飾り物を身につけていた。


「ええ、素敵ですわ」

「ミゼルダさんそればっかり……」

「あら、すみません。でもどれも素敵なんですよ」

「本当にそうですよねー!!早く竜王様に見せに行きましょうよ」

「え、もうそんな時間?」

「はい。サリさんたちエドモンド様の側近のみなさんも戻られたそうです」

「本当ですか?サイネスさんたちも?」

「はい。一旦方針を報告するために戻ってきたと」

「そうなんですね。どうしよう、みんなに変だって思われないかな……」


 一緒に行動をしてきたみんなに着飾ったところを見られるってなんだか恥ずかしいかも。


「大丈夫ですわ。さあ、参りましょう」

「うう、はい」



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