表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/55

作戦会議(1)


「──というわけでスレイブ様と一緒にスレイブ様の婚約者のアリシア様を助けようと思うの」

「浮気か?」

「だから違うってば。話聞いてた?」


 スレイブ様たちを連れて家に戻ってきた私たちは人数的に屋根裏部屋は狭いということで荒らされていなかった父の書斎に移動して諸々の話をした。


 戻ってきたばかりの私が散らばっている花瓶やらが危ないと思ってスレイブ様の手を引いていたのを見たエディが浮気を疑ってきたのだ。


「ティナ」

「な、なに?」


 座っていた私の顎をエディが持ち上げて言う。


「竜人族は一夫多妻だが我はそなた以外の妻を娶るつもりはない」

「ひぇっ」


 色気が!!色気がありすぎる!!700才のおじいちゃんのはずなのに!!


「ところでその人はティナの彼氏なの?」


 スレイブ様が平然と聞く。


「夫だ」

「へぇ、この前婚約破棄されて国外追放されたのにもう結婚したんだね。おめでとう」

「あ、ありがとうございます?」

「あら、このお茶美味しいわね。人間にお茶を入れてもらうのも300年ぶりだわ」

「そ、そうですか」


 こっちはスレイブ様の乳母がルナシーさんにこの家に残っていたお茶を入れてあげてる。


 なんなの、この状況。


「ゴホンゴホン、今説明したのが偵察でわかったこと。で、これからどうするかを話していくわよ。ルナシーさん、お願いしますね」

「お茶菓子も欲しいわね」


 ルナシーさんが乳母さんを見ながら言う。


「ルナシーさん、真面目に……」

「ちょっとくらい良いじゃない」

「えっと、旦那が作りましょうか?」

「あら、じゃあお願い」


 乳母さんと旦那さんがアーヴィンさんを連れてそそくさと出ていく。


 ルナシーさんってどこかの女王様みたい……。


「さて、ではこれからのことを話すわ。スレイブ」

「僕……?」

「あなたサクティラの国王になりなさいな」

「え?」

「ちょっとちょっと、ルナシーさん何言ってるんですか」

「だって王族はみんなお馬鹿で王族でありながらまともなのはスレイブだけなんでしょ」

「今サクティラを占拠してる獣人を倒すなら竜の王様がこの国も支配すれば良いんじゃないかな」

「我は領土を広げようとは思わん」

「えーでも僕も国王なんてなる気ないんだけど」

「そなた我に口答えするとは良い度胸だな。頭を握りつぶしてやろうか」

「止めて止めて!!」


 エディがスレイブ様の小さな頭を片手で握るから慌てて手を払う。


「浮気か?」

「だから違うってば。エディの力じゃ冗談にならないでしょ」

「冗談じゃないからな」

「もう、気にさわるっていうなら初めて会った時のエディの方がよっぽどよ。傲慢で偉そうで気遣いもなにもできなくて」

「なっ……」

「主、ここはスレイブ殿で子供らしさを学んだらいかがですか?次に子供の姿になる時に参考になるかと」

「あらーまた主様があのちんちくりんになるなんて嫌だわー」

「サリ、主に失礼だぞ」

「お前ら……もうあの姿になることなどない」


 そこでルナシーさんがパンパンと両手を叩く。


「煩いわよ。獣人に簡単に制圧された国王と王子にこの国を治められるとは思えない。けどこの国はローナが初代妖精の乙女として後生まで民が幸せでいられるように願った国。だから放っておくのもねぇ、というわけでまともで私の良い傀儡になりそうな子を国王に据えておこうと思ったのよ」

「傀儡……ですか?」


 それってどうなんだろう。途中までローナさんが守った国だからっていい話っぽかったのに。


「ルナシーの遊び場が増えれば我に構ってくることも減って良いかもしれん」

「え……」

「サクティラがルナシー好みに染まりそうですね」

「あらーそれなら私も喜んで遊びに来ちゃうわー」

「サリ、他所の国に迷惑かけるなよ」


 なんかみんな納得しちゃってる。スレイブ様は……。


「んー……そういうことならまあ良いかな。僕は家族が無事に暮らせるならなんでも良いし」

「……そうですか」


 良いのかな。まあ良いや。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ