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目的


 セントス様が引き続き説明してくれる。


「20年前ロイドはランダの獣人を拐ってサクティラに売りました。ロイドは常にサクティラにいたわけでなく、その間に獣人からローナの子孫の話を聞き出した王家の人間が平民からローナの子孫を探し始めたようです」

「その話聞きました。私が妖精の乙女になる前まであったって。その拐われた子たちはどうなってしまったのでしょうか」

「今は王宮で使用人として働かされているようです」

「そうですか……。王家は妖精の乙女を飾りだと思っているはずだったんですけど獣人たちから聞いたとしてどうして妖精の乙女を探していたのかわかりますか?」

「幻の果実を手に入れるためです」

「幻の果実……?」

「幻の果実は不老不死になると言われている。我々獣人にとっては不要なものだが」


 エディが言う。


 獣人は何百年も生きるんだものね。


「私がその幻の果実を作れるのですか?」

「いえ、作れないですね。昔山猫一族が人間に尋ねられて開発してみようとしましたが不老不死は実現しませんでした」

「人間が獣人と結婚すれば人間の寿命は伸びますが永遠ではありません。せいぜい150年から200年ですね」


 ネイツさんの言葉に私は人間の括りになるのかそれとも獣人なのかと思ったけど今はそれどころじゃない。


「王家はその幻の果実を手に入れるために妖精の乙女を探していたけれどエディの義母兄にとっては邪魔だから私を排除したってことですね」

「そうですね」

「セトス、仲間たちが捕らわれている場所はわかったのか?」

「ええ。ですが結界が張られていて私は結界を通ることができませんでした」

「そういえば王宮に結界があるってさっき聞きましたね」

「はい。なんの部屋かわかりませんが」

「結界か……結界を張れるユハはまだ眠りについてるのだが」


 また妖精の名前かしら。1人1人違う能力があるみたい。


「ローナがこの地に来てマナと一緒に土地を豊かにしたあとに結界を張りました」


 セントス様によるとローナとマナが魔法を使った後効果の範囲を囲うように結界を張ったのだそうだ。


 それはローナが安全に暮らせるように外から攻撃を受けないような守護結界だった。


 サクティラはローナが来た時から200年は外から侵略もされていないのだがその結界のおかげなのかはわからない。


「その結界が王宮に残っているんですか?」

「そうです。ただ攻撃もしていない私が逆に弱らせられるので誰かが魔法で結界を上書きしているんだと思います」


 エディたちに心当たりがあるみたい。


「そういえばルル」

「なにー?」

「ほら、婚約者に決まったばかりの頃マルクスの弱味を見つけようと思ってルルに王宮を探らせたじゃない」

「あーあったねー」

「その時なんかへにゃへにゃした気分になるところがあったって言ってた」

「そうだねー」

「あれは宝物庫がある部屋だったわ」

「じゃあみんなそこにいるのかしらー」

「おそらくそこから地下に繋がっているのだと思います」

「どうしたら結界を潜れるのかわからないのか?」

「恐らく何かアイテムを持っている必要があるのだと思います。それか意識のない者は通常結界を潜れます。ですが私が見張っている間に宝物庫に出入りする者がおらず何が必要なのかわからないのです」

「じゃあーサイネスを気絶させて部屋に放り込むっていうのはどうかしらー」

「なんでだよ!!」

「良いな」

「主!?……命令とあらば」


 サイネスさんが危ない。


「あの!!ロイドは金銀財宝には興味ありますか!?」

「なんだそれは」


 エディに訝しげな目で見られる。


「ロイドはそう言ったことに執着しているわけではないですね。ないわけではありませんが」

「ティナ、それがどうしたんだ」

「ナンシーは大好きなんです。お高い宝石。誰よりも目立ちたいんです。だから絶対宝物庫のお宝は自分のものにしたいはずです。つまりナンシーかナンシーに言われた誰かが宝物庫を訪れるはずです」

「なるほど。ではその者が宝物庫に入った際に突入するか」

「ですがいつ宝物庫を訪れるかはわかりませんよね」


 ネイツさんの言葉にみんな黙り込む。


「そうだ、ナンシーは人と張り合うのが好きです。絶世の美女が現れたら対抗してお高い宝石とかをじゃらじゃら用意してくるはずです。昨日の今日で他国のお姫様が訪問するなんてないと思うのでまだ宝物庫から出してはいないかもしれません」


 私の言葉にみんな微妙な顔をする。


「た、確かに王宮が占拠できた時点で全部自分のものにしてるかもしれないかもしれませんけど……」

「いえ、昨日今日で宝物庫を訪れた者はいないようです」


 ロイドは捕らえた獣人たちのことを気にしていないのかしら。


「とりあえずじゃあサリさんが」

「あらー私より適任がいるから大丈夫よー」

「適任ですか?」

「もうすぐ来るはずよー。絶世の美女」

「誰か私を呼んだかしら」


 そう言って窓から入ってきたのは妖精の姿のルナシーさんだった。


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