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現状


 ルナシーさんの言葉で外に出た私たち。


「サクティラまで歩いて行くんですか?」

「我の背に乗って「いかないわよ」何故だ」

「竜の姿で飛ぶなんて目立つことしないでちょうだい」

「……ふむ」


 ルナシーさんにぴしゃりと言われたエディは不満そうに呟く。


「まあまあ主様ー。ご立派な竜の姿をティナちゃんに見せたいでしょうけど」

「ふん」

「でも竜の姿じゃなければ飛んで良いわよ。サリがティナを乗せて「我がやる」あら、そう?」


 エディが私を横抱きする。


「ひゃっ」

「どうした?担いでないだろ」

「いや、まあそうなんだけど」


 ネイツさんに抱えてもらった時とは違って緊張する。


 エディは少し首をかしげていたけど私が気にしないでと言うとみんなに向かって言う。


「ではサクティラに向かうぞ」

「「「はい」」」


 するとネイツさんとサリさんとサイネスさんがそれぞれ獣の姿になった。


「ルル、ネイツに乗っていこー」

「ネルもー」

「2人とも俺から落ちないようにな」

「あーい」

「あいあーい」


 そしてエディの背中から羽が生えて宙に浮く。


「わ、わわっ」

「今度はなんだ」

「だって飛んでる」

「飛んでるからな」

「そうだけどただの人間は空飛ばないからっ」

「そなたはただの人間ではないだろ」

「そうだった。わわっ」


 そうこうしてるうちに地面が遠くなりサクティラに向けて進む。


 その下でネイツさんたちが駆けている。





 数十分飛んでサクティラに着いた私たち。


「えっ!!ちょ、ちょっとエディ!!」

「降りるぞ」

「うん」


 地上に降り立って王都を見渡す私。


「どういうこと……なんでこんな……」


 多くの人々が地面に倒れていたのだ。


「っ……!!マリナさん!!」


 パン屋の前で倒れているマリナさんを見つけて駆け寄る。


「マリナさん!!マリナさん!!」

「ティナ、マリナ死んでないよー」

「ルル、本当に!?」

「うんー」


 マリナさんの上でくるくる回るルルが言う。


「ティナ、知り合いか?」

「エディ……うん、お世話になった人なの」

「ふむ……眠っているだけのようだ」

「眠ってる……?」

「主、他の者たちも眠っているようです」


 いつの間にか他の人たちの様子を見てくれていたらしいネイツさんたち。


 一先ずみんなに大事がなくてホッとする。


「そう……でもどうしてこんな」

「私が眠らせました」


 身体を強ばらせる。


 声が聞こえた上を見上げると1人の妖精が降りてくるところだ。


「あーセトスだー」


 ルルがその妖精の周りをくるくる回りだした。


「え、この妖精が……?」

「この姿では初めましてですね、ティナさん」


 そう言うと妖精の身体が光って大人の男性に変身した。


 その姿は見慣れたセントス様のもの。


「セントス様、ご無事だったんですね!!」


 私はセントス様に駆け寄る。


「あなたもご無事で良かった。陛下とご一緒とは思いませんでしたが。いえ、なんとなくそのような予感もありましたね。……おや?陛下、ご成婚おめでとうございます」


 な、なんでわかったの!?


「ふん、それよりこれはどうなっているんだ」

「ティナさん、数年前にこの国で流行った病を覚えていますか?」

「その話はもうした」


 あれ?エディ、なんか怒ってる?


「そうですか。では現在のそれが人間にとっても悪いものになっていることも?」

「え!?」

「前回は風邪のようなものでした。しかし今は人間にも最悪死にいたる毒物です」

「まさかそれをみんなに……!?」


 倒れている人々を見渡すとセントス様が安心してください、と言う。


「彼らはその毒物を霧状で噴射するつもりだったようですが私が眠らせたので彼らには作戦は成功したように見えるでしょう」

「さすがセトスねー」

「ティナさん、セトスの能力は催眠なんですよ」


 サリさんとネイツさんが言う。


「そうなんですね。じゃあみんな無事なんですね、良かった……」

「ただ事態はそう安心できるものではありません」


 私がサクティラを出たのは昨日。たった1日でこんなことになるなんて。


「……あの、私の家は、父や異母妹たちはどうなっているかわかりますか?」

「……そうですね、知ってもらった方が良いかもしれません。ティナさんのご自宅に行きましようか」


 セントス様の言葉に違和感を持ちながら私たちは私の家に向かった。


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