一夜の幻想:蝉の羽化観察日記
ぎりぎり夏休み期間中に投稿できました。
流れ星って見たことありますか?
実は私は見たことありません。どうもタイミングが悪いようで、ちょうど目を離した隙に流れて、自分だけ見逃したパターンが多いです。
四つ葉のクローバーなど動かないものを見つけるのは得意なので、致命的にタイミングが悪いんだな、と思います。
そんな私なので同じ環境の家族は普通に見たことのある、蝉の羽化にも立ち会ったことがありませんでした。
写真では見たことあるのですが、夏の夜のひと時だけ見られる幻想的な姿はとても儚げで綺麗です。
妖精のような羽を生で見てみたいので、自主的に探しに行こうと思い立ちました。
・7月某日。
ロードショーで某恐竜映画を見たあと、庭の木を見て回る。抜け殻はいくつもあるものの、肝心の羽化真っ只中の蝉はなし。
ちょっとそこまで、ちょっとそこまでと散策範囲を広げ、近所の神社まで足を運び、発見。
↑羽化してから時間が経ち、羽を乾かしているところ。
若干色味が薄い、乳白色に透けた羽のクマゼミ。
胴体もクリーミーな色合いです。
↑こちらは白に茶色の模様が浮かび始めたアブラゼミ。
すでに羽化が終わって殻から抜けた後とはいえ、二匹も確認できたので手応えを感じました。
どちらも近くに抜け殻が多数あり、観察には絶好のスポットと言えます。
夜の神社って肝試しだと怖く感じますが、目的が羽化の観察だからか、結構平気でした。シチュエーションって大事ですね。
・仕切り直して、翌日。
あれからネットで調べたところ、蝉は大体夕方から夜にかけて羽化するそうです。
最初から調べておけよとツッコまれるかもしれませんが、何しろ急に思い立ったもので……。
十六時過ぎぐらいに土から出て木に登り、羽化を始めるのは十八時~とのこと。
この日は二十時半頃に観察に出向き、アブラゼミ二匹とクマゼミ一匹の羽化を発見しました。
↑にょきっと頭が出たアブラゼミ①。
↑縮こまった羽とつぶらな瞳がキュートなアブラゼミ②。
殻からでた白い糸は落下防止のため、命綱的なものだそうです。
↑こちらはクマゼミ。アブラゼミと比べて体格がしっかりしている気がします。
↑アブラゼミの真っ白な羽が濃い緑に映えます。
羽の先端がふんわりカールしてるのが可愛いです。
↑羽が全部伸びました。
これから徐々に色付いてアブラゼミらしくなっていきます。この純白の状態は柔らかいので、触れると形が歪んでしまい、まともに生きられなくなるので絶対に触ってはいけません。
羽化したての姿はとても綺麗ですが、儚げでもあります……。
こちらはクマゼミの羽が伸びたところ。自分で観察すると、色々な角度から見られるのが良かったです。
今回はクマゼミとアブラゼミの二種類だけでしたが、ミンミンゼミの羽化も見て見たいですね。
近年はクマゼミの勢力拡大に伴い、ミンミンゼミ自体が減っている気がします……。
あと撮影中は光を当てていますが、多少明るくても羽化には影響はないそうです。
ただ田舎で民家もまばらとはいえ、周辺の迷惑にならないよう騒音や光には気を遣いました。
地面から出てきたばかりの幼虫を捕まえて、庭の木や家のカーテン、網戸などにくっつけて観察も出来るのですが、下手なタイミングでマズい持ち方をすると羽化不全になるため(足の一本潰しただけでアウト)、絶望的にタイミングが悪い私は幼虫を捕まえるのは断念しています。
それと家で観察する時はクーラーで室温が下がっていると羽化しないことが多いので、その点も気をつけた方がいいそうです。
調べる前は、蝉の羽化を真夜中~夜明け前くらいだと漠然と思い込んでいましたが、思ったより早い時間に羽化します(個体差あり)。
なので虫嫌いじゃなければ、夏休みの自由研究に蝉の羽化の観察記録はとても良さそうだと感じました。
・早起きが苦手な人にぴったりな、夕方からの観察。
・比較的短時間、短期間で終わる。
・田舎や都会に関わらず地面と木さえあれば蝉はどこにでもいる。
・朝顔や生き物の観察と違って育てる手間やコストがかからないというメリットがある。
ただ8月も末になると羽化もほぼほぼ打ち止めなので、やばっ自由研究終わってなかった!今から観察しよう!となっても見つからないかもしれませんが。
余談ですが蝉だけでなく、蜻蛉や蛾、蝶々なども木や葉に止まって眠っていたため、間近で観察ができました。
危険に気をつければ夜の昆虫観察もいいかもしれません。
7月後半や8月前半、短い期間でも羽化の状況や休んでいる昆虫の種類にかなり違いがあったので、来年はもっと早い段階から観察を始めようと思いました。
まとめ:観察記録はイラストを描いたり写真を撮ってレポートにしたり、やり方も色々あるので、私はいつものごとく切り絵を製作します。
たくさん落ちていた蝉の抜け殻を拾って参考に。
蝉の抜け殻は子どもの頃よく拾ってたのを思い出して懐かしくなりました。
昆虫と植物を掛け合わせたモチーフが好きなので夏らしく朝顔と組み合わせていますが、このデザインだと朝顔の観察記録にも使えて一石二鳥ですよ(´▽`)ノ✂
完成品を庭の朝顔に添えて。
学生以来、自主的に始めた自由研究でしたが、観察するのも標本を作るのもとても楽しかったです。
自由研究を課されていた頃はパソコンは身近なものではなく、やりたいことがあっても調べるのにも時間がかかりました。
便利な百均もなくて、材料集めもなかなかできず、技術もないのでアイデアはあっても思うようなものが作れず、悔しい思いをしていた子ども時代。
情報も材料も簡単に手に入り、経験や技術力が身についた現代の大人にこそ、自由研究は楽しめるのではないかと思います。
…………まあ、大人になったらなったで、自由な時間と体力がないんですけどね!\(´ཀ` )/{世知辛い!!)
文字数(空白・改行含む)2760字
文字数(空白・改行含まない)2330字
行数:97
400字詰め原稿用紙:約7枚
なので自由研究的には丁度良い分量になりました。