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第六章(16) 独り身の僕が・・・ Byフェイ

エルザとフェイの事がお父様とお母様に認められる見込みがたった。

それは僕にとって大きなことだった。 


僕はお父様とお母様が悪い人だとは思ったことはなかった。ただ、二人と一緒にいると、甘えてしまう自分がいることに気がついたのは、結構早かったと思う。エルザの婚約者の問題がわかったときよりも前に、『自分がいつかこの家を守らなければ』と、思っていたのかもしれない。ただ、エルザを守りたかっただけなのかもしれないけれど。でも、もう、その必要もなくなってしまった。

これからは、本当に僕がこの家を守らなければならなくなる。

その事実は、今の僕には少し、辛いものがあった。


「さて、次はジークだな。ジーク、さっきの話は受けてくれるかな?」

さっきの話というのは、僕がこの家を継ぐという話だろう。

「・・・その前にいくつか質問させていただいても良いでしょうか?」

「ああ。」

「・・・独り身の僕が、結婚よりも先に家を継いでも良いのでしょうか?」

「「「・・・・」」」

少しの間の沈黙が、僕にはとても長く思えた。


「なんの問題も無いだろう?」

「え?」

僕はお父様の一言に驚いた。

「別に独り身であったから家を継いでいけないなどというルールはない。そのことは知っていると思っていたのだが・・・」

・・・そうなのか?

結婚していなくてもいいというのに、なんでこんなに不安なんだ?

「ふふ。ジークはジークなりに焦っているのですよ。責めないであげましょう。」

お母様はお父様にそう言った。

焦っている?僕が?

「何に焦っておるのかな?」

「・・・それは、私からは言えませんわ。」

僕も知りたかったのに、お母様は教えてくれない。

「ジーク、何に焦っているのか、教えてくれないか?」

お父様は僕に聞いてくるが、僕にもわからない。

どう答えようか悩んでいると、

「申し訳ございません。」

と、エルザの謝罪の言葉が聞こえた。

「エルザ?」

僕はエルザに声をかける。

エルザはその言葉に応じず、お父様とお母様に向かって一言こう言った。

「私のせいでお兄様の婚約者についてのお話がしにくい状況になってしまったこと、謝罪致します。」

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