第六章(14) 認めておらうために By フェイ
「・・・エルザの話はわかった」
僕は少し安心した。
「だが、たとえエルザの周りの人が認めていたとしても、私達は君たちのことを判断できる状態にない。つまり、今現在、認めることはできない。」
その言葉を聞いているエルザはとても悲しそうな顔をしていた。僕も一旦安心してしまった為か、その分ショックは大きかった。
でも、
「では、どうしたら僕たちを認めてくれますか?」
「認めるも何も、さっきも言ったが、私たちは君たちの話を正しいと判断できる術を持っていない。」
「それはその通りだと思います。」
僕はしっかりエルザの両親と目を合わせて話す。
そのことに心配になったのか、
「フェイ・・・」
とエルザが僕の方を振り返って小さく呼んだ。
「エルザ様、きちんと旦那さまと奥様の方を向いていないといけませんよ」
僕は執事という立場上、失礼なことは決してできない。
だから、心配してくれているのはありがたいけど、甘えることは許されない。
その意志が伝わったかどうかはわからないけれど、エルザはすぐに旦那さまと奥様の方を向いた。
今甘えていては、今後、今よりも少し対等に話すことが出来るようになったとしても、これ以上親しいと言えなくなってしまうのではないかと思ったからだ。
僕の父と柚紀のように、言えない思いがあったままなんて、もうごめんなんだ。
僕がエルザとエルザの家族を離すようなことはあってはならない。
「どのようにすれば、認めていただけますか?」
「・・・そうだな。まず、これからは君もエルザがここに来るときは一緒に来なさい。話をしよう」
「ええ、それがいいわ。」
旦那さまの意見に奥様は賛同なさった。
しかし、僕もエルザも黙ったままだ。
「あら、お二人共、まだ不服そうね」
「・・・お母様、私の婚約者のことは、どうなるんですか?」
エルザが奥様に聞いた
「そうだね、判断できるまでは、候補は探しておくことにしようか。」
「ですか、相手の方に失礼なことは貴族として許すことは出来ませんよ。」
「そうだな。だから、探しておくだけだ。」
「探すのはご自由ですが、私はフェイ以外の方とは結婚しません。」
「・・・そうか。なら、探すのもやめておこう。」
「ありがとう、お父様」
「・・・ただ、まだ認めた訳では無い。」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「・・・認められるよう、努力しなさい」
旦那さまはそう言った。
奥様も
「簡単なことではないですよ。」
と言った。
僕はどうにかして認めてもらわないといけないんだ。
僕はこの世界にはもう二度と日付を諦めたくない。
せっかくジークさんが認めてくれたんだ。
お父さんもお母さんも認めてくれたんだ。
ゆずきのお母さんに至っては、もう見れなかったかもしれないゆづきの晴れ姿を見れること見ることができるかもしれない。そんな機会をもう逃してはいけない。
だから、僕は何がなんでも説得しなきゃいけない。
「失礼ながら、努力は最低限にさせてもらいます。素の僕を判断していただきたいと思います。」
「フェイ・・・」
その後、少しの沈黙の後に
「ははは!!!」
という笑い声が部屋に響いた。
「君、気に入ったよ!」




