第六章(7) お母様の突然な提案
私達はゆっくりとお菓子を食べることができました。
ですが、次に、話が始まりません。
お母様は先程お父様に一言言われてしまいましたし、お兄様と私には、簡単に発言できないような雰囲気があったのです。
「・・・すまないね」
そんな中、はじめに話し始めたのは、お父様でした。
「家族なのだから、こんな雰囲気になるような事は普通は、ないはずなんだ。これらは私達が判断を誤った結果だと思っている。」
お父様の言葉が、私には理解できませんでした。
「そんなことはありません。僕はこの家族の形でも、別に構いません。」
お兄様はお父様に、そう言いました。
お父様の言葉はわかりませんでしたが、お兄様の言葉のお陰で、少しだけ、わかりました。
お父様は、家族の形について、誤っているようでした。
「・・・エルザは、どう思う?」
「え・・・」
私に意見を求められました。私は少し考えてから発言しました。
「・・・私は、話の内容を全て把握しているわけではありません。ですが、家族の形についてでしたら、わかります。私はまだ、普通の家族というものがわかりませんが、この家族の形に感謝しています。お兄様とその前より仲が良くなったように思えるからです。」
もちろん、そんなことは嘘だ。
けれど、さっきのお母様の言葉などから考えて、私に言えることはこれしかないと思ったのだった。
あと、お母様のテンションについていくことはとても大変そうなので、毎日一緒だったらどうなってたのだろう、とも、思ってしまった。
「そうか。」
お父様は、その続きの言葉をしばらく発しませんでした。
しかし、少しするとお母様と目を合わせたのです。
次に何を言われるのか、少し緊張してしまいます。
「エルザ、これからは、私達と過ごさない?」
次に発せられた言葉は、お母様の言葉でした。
私はその言葉を聞いて、考えてしまいます。
私は、本邸へ戻ってくるのでしょうか。
でも、そうなったら、私に沢山の人が婚約者になろうと来るのではないでしょうか。
それはもういいのでしょうか。
私は少し怖くなりました。そして、俯きました。
「それはどういうことですか。」
お兄様が低い声でききました。
そういえば、私が本邸から離れるときに、当主の経験を、と、私と一緒にいます。つまり、私が本邸に戻るということは、お兄様の当主経験も一旦終わってしまうということと同じかもしれません。
だとしたら、お兄様がお父様とお母様に低い声で話すことも、当然のような気がしました。




