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第六章(4) エルザの癖と心配と僕のわがまま Byジーク 

僕は、エルザの電話のあとの思いを、聞いた。

今までになく、僕が相づちを打たなかったのは、エルザが何を謝っていて、どうするつもりなのか、分からなかったからだ。

でも、それを後悔したのも、その時だった。

エルザは話すたびにどんどん俯いていった。

そして、お父様とお母様には自分で説明すると言った。

また、悪いのは、自分だと。

それを聞いたとき、僕はエルザが、何をしようとしているのかわかった。

エルザには、小さい時から、考えすぎる癖がある。

今回も、昨日の電話がきっかけで、考えてしまったのだろう。

『僕が、当主を辞めさせられるかもしれない』

そして、その原因を、作ってしまったのが自分だと。


だから、エルザは自分が怒られようとしている。

でも、怒られるだけですまないのが、貴族なのだ。

お父様やお母様がエルザの今後についてどう考えているかはわからない。だからこそ、怖いのだ。

最悪、嫁がせるということにもなりかねない。


それは嫌。

誰が何と言っても反対する。

エルザの為じゃない。

僕のため。

僕が、元気に仕事をするため。

僕が、エルザを守ると決めたから。

守りきれなかったら、僕が弱かったのだと言うだけになってしまいそうだから。

今のままでは、まだ、守れないから。


そして何より、エルザが消えそうだったから。


だから、僕はエルザが俯いて、ごめんなさいという前に

抱きしめた。

フェイがものすごく怒っているのに気づいても、知らんぷりした。

「もう、謝るな。」

「でも・・・」

「説明はちゃんと昨日したし、お父様もお母様は怒ってなかった。」

「でも、お兄様が・・・」

「それは大丈夫だよ。心配してくれてたんでしょ?電話の後でお父様から聞いた。そして話したよ。僕はこれからもここの当主だ。」

そう、僕は話をしていた。

僕の当主の話はエルザを隠すために始まったものだった。つまり、エルザの今後によってはなくなるかもしれなかった。けれどお父様もお母様も、エルザを本邸にこさせる気は無いようで、同時に僕の当主の仕事も続行となった。


そう言うと、やっとエルザが顔を上げた。

「本当に?」

「うん。」

「絶対?」

「うん。」

「よ、良かった・・・」

エルザは、そう言うと、泣き出した。

そして、その後眠ってしまった。


まだまだ子供っぽいなー、可愛いなーと、思った。

僕はエルザを抱えて近くにあった椅子に座らせる。


そして、僕は自分の部屋に戻る前に、一言寝てるエルザに言った。

「早くエルザの考えてることに気づいてあげられなくて、ごめんね。」


これからエルザの考えてることが誰よりも先にわかるように努力しよう、と、フェイの怖い視線を浴びながら思うのだった。

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