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第六章(3) お兄様に、謝ります

次の日。私はお兄様から本邸に行く日を知らされました。

その日は、驚くことに、思っていたよりも早かったです。

「あの、お兄様。」

「なんだい?」

「・・・ごめんなさい。」

日にちを伝えてくれたお兄様に、私は伝えたかったことを伝えようと思いました。

「お兄様、お父様やお母様に、何か言われてませんか?」

私は、それが気がかりだった。

お兄様は何も言わず、私の次の言葉を待っているようでした。なので、話を続けます。

「私は、お兄様の立場も考えず、ただ、危険な場所から逃げてほしくて、私の大切なお兄様に、いなくなってほしくなくて、お父様とお母様のいる場所なら、安全だと思って、そこにいてほしいと言いました。」

私は、そこで一息つく。

まだお兄様は、私の話の続きを待っているようだ。

「でも、昨日、お父様とお母様とお電話をしていて、思ったのです。私は、大変なことをしてしまったのではないかと。私が知らない話があって、本邸に行ってはいけないことになっているだとか、ここを離れては行けないルールだったりとかがあったのではないかと。」

ここまで言って、私は俯きます。

「今度、お父様とお母様には、私から話します。お兄様は悪くないのだと。悪いのは、何も知らないのに、お兄様に無理なお願いをした私なのだと。私が、悪いのです。」

私達の前世のことは、お兄様はお父様とお母様には言えてないだろう。それなら、話せたことも少ないだろうし、ワ私だけ行かなかった理由も、きちんとしたものではないだろう。何より、お兄様がこのことで当主を辞めさせられるなんて、耐えられなかった。お兄様は、何も悪くない。お兄様に何か処罰があるのなら、それは私が受けなくてはならないのだと、そう思った。

それに、私は、お兄様との食事が、何より美味しかった。お兄様の心配そうな声が、好きだった。だから、お兄様には当主でいてほしかった。

「本当に、ごめんなさ・・・」

私は、その言葉を言い切れなかった。

お兄様が私を抱きしめていたからだった。

「お、お兄様・・・」

部屋の入口のところに立っているフェイから、少し怖いものが見えた気がしました。

「もう、謝るな」

お兄様は、とても優しく、そして、少しだけ、悲しそうな顔をしていた。


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