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幕間(2) 僕は父と母と、連絡を待つ  By ジーク

僕は、あの日、仕事を今までにないスピードで終わらせた。

そして、僕だけがあの家をから出る日。

僕は怖かった。

フェイを、律という少年を、信じていないわけではなかった。

でも、愛する妹がいなくなるかもしれないというのは、怖い以外の感情がわかなかった。

だからこそ、律という少年は、怖かったんだとも思う。

彼は、自分の父に最愛の婚約者を殺された。

そして、その最愛の人がいるこの世界でもなお、世界ごと、また消されそうになっている。

僕に話した時のあの顔が忘れられない。

苦しそうに、犯人を隠した顔が。

最愛の人の後を追うように自殺したことを話した顔が。


とても、僕より年下だとは思えなかった。


家を出る前に、エルザに家族のキスをした。

フェイの僕を見る顔が、すごく怖かった。


僕は一人で父と母が住んでいる本邸に来た。

急なことで、父も母も驚いていた。

僕一人なのが、とても申し訳なかった。


けれど、両親といたところで、話すことも特になく、僕はずっとエルザのことを心配していた。

本邸に来て一時間もしないうちに、お母さんに尋ねられた。

「ねえ、ジーク。何かあったの?」

「え?」

「さっきから、心ここにあらずって感じよ?」

「いや、何も・・・・・・」

「・・・何か困ってることがあるなら、言いなさい。」

父までそんなことを言い出した。


この話って、言っちゃいけないよな・・・

信じないよな。

困ってるって、心配だって言ったところで、この人たちの迷惑になるだけだ。

それなら、話さなくていい。

また、甘えてしまう。


「ほんとに、何にもない、です。ごめんなさい。」

そういうと、母は、どこかに行って、すぐ戻ってきた。

「それ、嘘だったら、これ、飲んでもらうけど、本当に嘘じゃないよね?」

母の手にあったのは、強いお酒だった。

酔わせて、話させるというのだろう。

それは、話すしかない。お酒飲んで話すと、余計なことまで話しそうで怖い。


「ごめんなさい。嘘です。」

そう言って、僕は異世界のことは伏せて、エルザが狙われていることと、完璧な護衛を付けていること、エルザのお友達がいろいろな指示を出してくれていること、そして、僕に『必ず生きるから、逃げてほしい』と頼まれたことを伝えた。


「そんなことになっていたなんて・・・知らなくてごめんなさい。」

「いや、僕も、言わなかったし・・・」

「それなら、あなたも、柚紀の言葉を信じるしかないわ。報告を待ちましょう。」

母も父も、冷静だった。

それを見て、僕はまだまだ子供なんだな~と思ってしまった。

子供なんて名乗れる年ではもうないのだが。


僕たちはそのあと、何かと話しながら、一日を過ごした。

そして、戦いの日だと言っていた日の夕方、本邸の電話が鳴った。

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