表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/105

第五章(12) 柚紀はどこへ行ったんだ・・・ Byフェイ

「最後に言うことはあるか?」

その質問に、父が、なんと答えるのか、少しだけ気になった。

「特にない。」

何も言わなかった。

・・・謝罪もないのか、この男は。

僕や、柚紀や、お母さんたちにも、なにもないのか。

別に、謝罪が欲しいわけじゃない。

もう二度と会いたくない。


「そうか。」


軍の人が父の肩を滝の方へ押した。


ああ、これでやっと平和になる・・・・


そう思ったのに。


隣を見ると、さっきまでそこにいたはずの柚紀がいなかった。

「柚紀?」 

僕は周りを見渡して、名前を、呼ぶ。


・・・・・・・

返事はない。

あ、エルザと呼んだ方がいいか。

「エルザ?エルザ!!」

返事はやはりなかった。


どこに行ったんだ?


「あの、フェイさん、エルザ様見かけませんでしたか?」


その時、柚紀の護衛の女の人が僕に話しかけてきた。


「僕も今探してるんだ。僕も見失った。」

「そうですか・・・隣にいましたよね?」

「うん。でも、気がついたら、いなくて。」

「私、侵入者が滝に落ちてすぐ、目を開けたんです。そのときにはいなくて・・・・」

そう。もちろんだが、この国から追放されるということは、普通、喜んで良いことではない。だから、目をつぶってお祈りすることになっている。

『次の場所で、罪を償えることを祈って。』

と。


「あの!!」

その時、僕たちの間に割り込んできたのは、さっきまで柚紀に付いていた護衛の男の人でした。

「何?今話し中ですよ。」

「すみません。さっき、周りの人に話を聞いていたら、エルザ様を見た人がいました。」

「え!何処で!!!」

僕はつい、大きな声になってしまう。

「それが・・・」

「早く言いなさい!!」

女の護衛の人も同じく大きな声を出す。


「滝に、落ちたって・・・・」

「「・・・・」」

滝、落ちる、誰が?

・・・柚紀、が?

「この話を教えてくれた人、この世界に来たばかりの人で、お祈りが分からずに、見てたそうなんです。そしたら、男と女の子が滝に落ちていったって。」

「・・・それ、ほんと、なのか?」

そんなわけない。

そんなわけない。

柚紀があの人と一緒に落ちるなんて、そんなこと、しない・・・・

あ・・・・

ああ。

違う。

そうじゃない。

一緒に落ちたんじゃない。

落とされたんだ。

あと人に。

・・・僕の、父に。

「あ、あ、」

ああ、まただ。

また僕は、近くにいたのに、助けられなかった。


「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ