第五章(9) 私は護衛に指示を出す
「それより、もっと質素で、弱そうな、息子に近づいている女はいませんか?」
その発言に、律も、驚いているようだった。
そして、怒った顔になった。
「なぜでしょう?」
素直に、気になった。
理由は知っているけれど。
「あなたと、息子の邪魔をしないか、心配で。」
えっと、私達、設定では、そういう仲ではないのだけど・・・
「それは、大丈夫ですわ。」
一応、そう答えておくことにした。
「ですが、実は前世にも、居たのです。息子をもてあそんでいた女が。その女は、私が処分したので、こちらに来ていてもおかしくなくて。こちらに来ていたら、また、息子をもてあそぶでしょう?だから、私がその人を殺して、息子を守ってあげようと考えているのです。お二人には、幸せになっていただけるので、ご安心なさって下さい。」
この人、ほんとに律のお父さんかしら。
私を殺したときよりも、狂ってるわ。
あのときも、狂ってると思ったけれど、今思うと、あれは正常だったのね。
この人怖いわ、逃げたい。
でも、逃げるわけにはいかないのよ。
なんとかして、この人を抑えないと。
「そう言われましても・・・」
「さあ、その女の場所を、教えていただけないでしょうか?」
急かされる。
困った。
私が本人だなんて、言えない。
でも、他に女の人なんて・・・
あ、いるじゃない。
少し申し訳ないけれど・・・
「あの、教えます。でも、その前に、護衛に話をしてもいいですか?」
「ええ。もちろんです。」
私は護衛を連れて、少し律と律のお父さんから離れた。
「僕に話とはなにでしょうか。そもそも、あんなやつの許可などなくても、エルザ様はお話なさって良いのではないでしょうか。」
「ええ。そうね。でも、こうでもしないと、離れられないでしょ?」
「・・・はい。」
「で、いつも先頭にいる彼女に伝言、いいかしら。」
「はい。」
「『**********』そう伝えて。他の人には、『×××××××××××××』と伝えて。あと、貴方はその準備ができたら戻ってきて報告して。それから私は連れて行くわ。」
「わかりました。くれぐれもご無事で。」
「ええ。」
そう言うと、彼は私から離れた。
「すみません。今、指示を出していました。」
私はそう言って、律と律のお父さんのもとへ戻った。




