第五章(2) 僕は父を・・・ By 律(フェイ)
「律は、お父さんのこと、好きだった?」
そう柚紀に聞かれて、僕は驚いた。
そんなこと、聞かれると思ってなかった。
「ごめん。答えにくい質問だったかも。」
「僕こそ、ごめん。ただ、そんなこと、質問されると思ってなかったから、なかなか答えが出てこなくて・・・・・・」
「じゃあ、質問、変えていい?」
「うん。」
この質問を回避できたと思って、安心した。
「子供のとき、お父さんの事、好きだった?」
父についての質問なのは変わらなかった。
僕が、父をどう思っていたか・・・・・
「子供の時は、お父さんもお母さんも仲良さそうで、幸せそうで、その家族が好きだった。僕、お父さん個人を好きとか嫌いとか、考えてなかったかも。」
「そうなんだ。」
「でも、大きくなって、父と母の関係が変わった時に、父はお母さんを愛してなかったんじゃないかって思った。」
そうだった。
僕は、もともと、仲のいい家族が好きだった。
でも、関係が変わって、気が付いた。
お母さんは、お父さんを大切にしてたのが、よくわかった。
父は、お母さんを放っていた気がする。
それがわかって、僕は気が付いた。
父はお母さんを好きじゃないんじゃないかって。
「僕は、そう気が付いた時から、お父さんを好きじゃなくなった。お母さんが好きじゃないなら、僕も好きじゃないと思ったからかも。で、僕が父を嫌いになったのは、お母さんが死んだときに、父が笑っていたのを見た時。それが、嫌いで、恨むようになったのは、柚紀を殺して、笑ってた時。」
思い出すだけで、つらい。
「そっか・・・」
「今日、僕は父を殺して、世界を平和にしたい。」
それを言った時、次は柚紀が驚いた顔になった。




