第五章(1) 朝、隣で律の声がした
うーん・・・・・・
日光の光で目が覚めた。
時計は5時を指していた。
今日は戦いの日。
早く起きちゃったな・・・・・・。
「・・・・・・柚紀。もう起きたのか?」
え・・・・
急に聞えた声に驚きながら、声がした方向を振り返る。
「律!なんで?」
そこには私のベッドの近くの椅子に律がいた。
「あ、驚かせたかな?」
「まあ、驚いたけど、なんで、ここにいるか、説明して。」
寝相とか、見られてると思うと、少し恥ずかしい。
「ごめん。始めは、自分の部屋で寝てたんだけど、柚紀が心配で、ここに来ちゃって。」
「・・・・・・律がいた方が、安心する。」
「だけど、僕も明日のために寝た方がいいから、どうしようか考えて・・・」
「考えて?」
「ドアの方、見た?」
聞かれて、私は起きてドアの方向を見てなかったな、と思った。
「え、見てないけど、なんで?」
そう言われたから、ドアの方向を見た。
ドアが、なかった。
「律、ドア、見えないんだけど・・・」
「机とか、椅子とか、ドアの前に沢山積んだんだ。こうしたら、簡単には外から入れないから。」
・・・・・・
「こんなこと、どこで学んだの?」
「本。」
「どんな本読んでるのよ・・・・」
「柚紀を守りたくて、ミステリー小説とか読み漁った。犯罪系の本も読んだ。」
「ありがとう。」
ただ、嬉しかった。
本を読むことは私も好きだけど、本で学んだ知識を、実践するのは難しいことだと思う。
それを私のためにしてくれたというのだから、本当に感謝しかない。
「・・・・・・ついに、今日だな。」
「そうだね。」
「ネックレス、つけてるんだな。」
「うん。少しでも、私の言葉がネックレスに届くように。」
「そっか。」
今日の律は、なんとなく、暗い。
お父さんに、たくさん思うことがあるからだろう。
私は、律のお父さんを今、どう思っているんだろう。
殺されるかもしれないと思うと、怖い。だけど・・・・・・
この思い、律に伝えないと。
そう思った。
でも、どう伝えていいのか、わからなかった。
あと、律に聞いておきたいこと、あったっけ・・・・・・。
あ、あのこと、聞きたかった。
「ねえ、律。」
「?」
「律は、お父さんの事、好きだった?」
そう聞いたとき、律は驚いた顔をしていた。




