第四章(20) 律のお母さんの思いとは・・・①
「私を愛してくれている。そう信じていたときがあった。」
・・・・・・
「柚紀ちゃんは、あの人から聞いたんでしょ?」
「はい。聞いていたみたいです。さっき、夢で、みました。」
「そう。苦しい、夢だったでしょ?」
「・・・はい。だけど、みておかないといけない夢だと思いました。」
「そう。私のせいなのに、何も出来なくて、ごめんなさい。」
「律のお母さんのせいなんかじゃ・・・・・・」
「いいえ。私ね、あの時、柚紀ちゃんを律のお友達にって言った時に、夫は驚いていて、そして、悔しそうな顔をしていたの。あの時に、私は夫との関係を、理解したの。私は夫のことが好きで、結婚出来て幸せだったけど、夫は、私のことが好きで結婚してくれたわけじゃなくて、幸せでもないんだろうなって。」
「・・・・・・」
「柚紀ちゃんを律のお友達にしたかったのは本当だし、仲良くなっていく二人を見ると、本当にうれしかった。だけど、その二人を見る夫の目は、怖くて、私も、怯えてしまった。いつか、いつか、伝えようと思った。話し合おうと思った。律のために、どうしたらいいのか、私の思いと、夫の思いと、律の思いを、話し合えたらって、思っていたのに、私が、病気になって、そのまま・・・・・・」
「よく、考えてくれていたのを、全く知らなかった、私も、いけないので、そんなに自分を、責めないでください。」
「・・・・・・私も、柚紀ちゃんみたいに、輝いていた時があったのに。どこで、間違えたのかしら。私は、ただ、愛してほしかった、だけ、なのに。」
私は、その言葉を、無視できなかった。
「間違えたなんて、言わないでください!」
「え・・・・・」
「あなたは、好きだった人と結婚して、子どもに恵まれた。これは私から見た、偽りだったかもしれないけど、あなたと律のお父さんは、本当に幸せそうで、ラブラブな夫婦に見えました。お母さんを亡くした私のことを受け入れてくれました。それが私にとってとても大きなことで幸せなことでした。あなたは間違ってないです。私に、幸せをくれましたから。」
「柚紀ちゃん・・・・・・・」
律のお母さんは、泣き崩れた。




