第四章(19)夢から覚めて、サヤさんと話す
目覚めた私は、泣いていた。
なんだか、すごい夢を見た。
とても、とても、大切な夢。
今は、まだ朝5時。
早く起きちゃった。
何より衝撃だったのは、律のお父さんとお母さんは、ラブラブな夫婦ではなかったってこと。
仲が良さそうで、幸せそうだった二人は、両思いではなかった。
多分、律のお父さんが、律のお母さんに合わせてた。だけど、律のお母さんが亡くなって、その必要がなくなって、辞めたんだ。
私が狙われているのは、律のお母さんと私が、律のお父さんの思っていた未来を、変えたから。
それなら、私は、狙われて当然なわけだ。
たとえそれが、間違っていても。
私が律に会わなかったら、律も、律のお父さんみたいに結婚してたはずなんだ。
それを変えてしまったのは、律のお母さんで、私で。
でも、律のお母さんを殺さなかったってことは、少しは、愛していたのかもしれない。
それなら、やっぱり、私が狙われてもいいや。
私は生きる。
そう思って、私はネックレスを身に着けた時の、練習を始めた。
『バリア』と言った時に、私はそのまま動かなくていいのか、解除したときに狙われる可能性もあるし・・・。
そんなことを考えていたら、時間はあっという間に過ぎた。
コンコンコン
「エルザ様、入ります。朝ですよ。」
「はい、どうぞ。」
入ってきたのは、サヤだった。
「・・・・・・柚紀ちゃん、寝れなかった?」
「いえ。疲れてしまって、すぐ寝てしまいました。」
「そっか。今日は何着る?」
「じゃあ、ドレスで、動きやすい服で。」
「わかったわ。」
律のお母さんは、知らないんだろうな。
本当は、律のお父さんは、律のお母さんを愛してなかったってこと。
私は、今まで通りにしようと思ったけど、そうもいかなかった。
今までよりも、律のお母さんのことを直視できなかった。
「柚紀ちゃん。嫌な夢でも、見た?」
「え・・・」
「今日は、私の顔、まっすぐ見てないから、私の夫のことで、思ってることがあるのかなって。」
「・・・・・・まぁ、ないと言えば、嘘になります。私は、こんなことになるなんて、思ってなかったから。」
「・・・ごめんね、柚紀ちゃん。私が、勝手なこと、したから。まだ、あの人を、信じてたときだったし、まさか、こんなことになるなんて、思ってなかったの。」
「信じてたとき、って、信じてなかったときがあるんですか?」
「ええ。私を愛してくれている。そう信じていたときがあった。」
「・・・・・・!!!」
律のお母さんは、律のお父さんが愛していなかったことを、知ってたんだ。
知っていて、それでも、知らないフリをしていたんだ・・・




