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第四章(18) あの日の夢➁

嘘だ。

私から見た律のお父さんとお母さんは、ラブラブな夫婦だったのに。


「嘘・・・・・・」

「嘘じゃない。そもそも、嘘かどうかなんて、僕にしかわからないよね?」

・・・確かに、そうだ。

人が何を思っていたのかは、私には、わからないから。

「申し訳ございません。」

「それでね、君を律の友達に、って言ったのも、妻だ。妻にとって、両思いの結婚は、それだけ幸せだったんだね。律にも彼女が必要だと思ったみたいだ。でも、僕にはそれが許せなかった。僕にはないものを、息子が目の前でもらっていく。それが、ただ、苦しかった。あと、お金が入らないからね、君の家は。」

「・・・・・・」

「少し、話し過ぎたかな。ここは、いつもは入れない。今日はゆっくり見ておくといい。」

「ありがとうございます。」

そう言うと、律のお父さんは出口の方へ歩き出した。


「あの!」

「まだ何か?」

「・・・・・・あと一つ、いいですか?」

「何かな?」

「私は部外者です。私がたとえ、あなたを、あなたの運命を変えてしまったとしても、まだ、部外者です。なので、律くんに、話されてみてはいかがですか?」


柚紀は、今の私よりも、強かった。

今の私には、こんなこと、言えない。

だから、柚紀は。すごいと思った。


「・・・君には関係ないことだ。」

律のお父さんは、そう言って、出口の方に歩き出した。

そのまま出ていくのかと思ったら、途中でポケットからたばこを取り出した。

ライターでたばこに火をつける


・・・あれ?

「あの・・・」

「・・・まだ何か。こっちも時間がないんですけど。」

「あの、律のお父さんって、たばこ吸われましたっけ?」


私がおかしいと思ったのは、たばこだった。

前に、律が『父は肺が弱いから、僕も呼吸器系は丈夫じゃなくて・・・』と言っていたのを覚えていたから。

それに、私は今まで一度も律のお父さんがたばこを吸っている姿を見たことがない。


「・・・・・・はぁ。すべて、君が悪いんだよ。君が律をそそのかすから。」

「それは、どういう・・・」

そう言いかけた時、律のお父さんは火のついたたばこを床に落とした。

火が付いた。

火はあっという間に植物に燃え移り、火が大きくなる。


ガチャ


鍵のかかった音がした。


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