第四章 (11) 世界が壊されるまで・・・・
「ねえ、お母さん。犯人が私たちを襲いに来るときの、ここの警備は大丈夫?」
「ああ、そうね。もともとのお仲間が何人かいるから、今、協力をもらってるところ」
「・・・でも、あの家の時は、内部だからだけど、今回は立場的には外部でしょう?警備を強化したら、入ってこないんじゃないかって・・・」
「それは無理ね。この建物自体は、ほんとなら誰でも入れるのよ」
「え?」
「まあ、受付で、署名と、住所などの個人情報と、入館理由がいるけど」
「それじゃあ、誰でも入れるの?」
「そう。ここで大事を起こすと、後から家に、大量の請求書が届くのよ。だから、この世界の人は入ろうとしないだけ」
「じゃあ、入ってきて、私を殺したとしたら、犯人はどうするつもりなのかしら?」
「国王にでも、なる気なんでしょう。今のフェイの立場なら、最悪、なれなくもないから」
「でも・・・」
「そんなこと、あってはいけない事よ。でも、可能性なら、ないとは言えないのよ」
「でも・・・」
でもそんなことになったら、お兄様まで、巻き込んでしまう。
それは、いや。
「お兄様を、巻き込みたくない」
「ええ。私も、国民も、巻き込みたくないわ。でも、逆にここに来なければ、国民のだれかが殺されるかもしれない。だから、私たちはここに犯人を呼ぶことにした」
・・・・犯人を、呼ぶ。
怖い。
でも、
私たちがここで、平和に、幸せに生きていくには、必要なこと。
だから、
「お母さん。私、頑張る」
「・・・頑張らなくてもいいのよ?」
「で、犯人は、いつ来るの?」
「え?いつかは、わからないのよ」
わからない?
「そうなの、柚紀ちゃん。早くて3日後ってことしか、わからないのよ」
その言葉を聞いたとき、隣にいた律の表情が、一気に暗くなった。
「律、どうしたの?」
「いや・・・・柚紀。今日、何日、何曜日だっけ?」
「え、今日は、10日の火曜日」
私の言葉を聞いた律と、律のお母さんは、何かわかったような顔をしていた。
「なにか、わかったの?」
「まあ。犯人が来る日がわかったんだよ」
「え。いつ・・・なの?」
「3日後の、13日の金曜日だよ」
「え?なんで?」
「この日はイエスキリストが、弟子のユダに裏切られた日とされているんだ。だから、『13日の金曜日』は不吉な日、とされているんだ」
「そうなんだ。で、なんでその日に犯人が来るって、わかるの?」
「・・・あの人は、そういうのが、好きだったのよ。だから、もしかしてと、思うの。準備は早いに越したことはないから、進めましょう」
「・・・わかった」
相談の結果、私たちは、お兄様への説明と、この建物の管理を任された。
お母さんたちは、協力してくれる人たちの体力強化や、建物の危険察知、警備の強化など、いろいろなことをしてくれることになった。




