第4章 (7) 僕たちの前世の辛い真実② By フェイ
僕は、この言葉をもらっていいわけない。
そんなことを言っても、まだ、柚紀にはわからないだろう。
だから・・・
だから、僕は、言わなきゃいけない。
「事故じゃ、なかったんだよ」
「え?」
「あれは、事故じゃ、なかったんだよ」
「どういうこと?私、温室に行って、お花を見てたの。そしたら、入り口から火がついて、逃げれなかったの。でも、律が入って来てくれて、嬉しかったんだよ。助かるかもしれないって思ったの。だから・・・」
「・・・確かにあのときの柚紀の状態なら、早く病院に行ければ助かっていた。でも、行けなかったんだ」
柚紀の記憶は、少しずつだけど戻っている。でも、重要なところが戻って来ていないから、この話は柚紀にはしんどいんだ。
「・・・病院に行けなかったの?」
「あぁ。途中の道で柚紀の乗った救急車が囲まれてしまったんだ。とある人の手下によって」
「・・・でも、しょうがないじゃん。その人たちの目的は知らないけど、ひどい人たちね」
その言葉に僕たち三人は固まった。
・・・あぁ。
あの人は、相当ひどい人だよ。
僕は、お母さんと目を合わせて、一番言いたくない、真実を語る準備として、土下座をした。
「・・・律?何してるの?律のお母さんも、何してるの?」
そう言った柚紀の声は、少し震えていた。
「柚紀、ちゃんと今からの話を聞くのよ」
「・・・お母さんまで、何の話?」
「いいから、これから律くんが大事な話をしてくれようとしてるの。ちゃんと、聞きなさい、柚紀」
柚紀のお母さんの声も少し震えていた。
「・・・わかった。聞かせて、律」
「うん」
僕は、これを話したら、柚紀に嫌われるかもしれない。次は柚紀が僕を殺すかもしれない。
でも、それでも構わない。
僕達は、それだけのことをあの世界でしてしまった。




