第四章 (2) リーシャさんは・・・ Byフェイ
「お久しぶりです、柚紀のお母さん」
「え・・・」
その時、リーシャさんの周りが明るく光って、目をつぶる。
「まぶしい!」
「大丈夫?」
「うん」
目を開けると、リーシャさんが前世の姿になっていた。
「律くん、大きく、素敵な人になったね」
「・・・そんなことはありません」
そう僕が言うと、柚紀のお母さんは僕に近づいて、
「あとで、ゆっくり話そうね」
と言った。
僕は頷いた。
それを確認した柚紀のお母さんは、柚紀に近づいて行った。
「ごめんね、柚紀。あなたの成長を近くで見てあげることが出来なくて」
「そんなこと・・・・」
「でも、お父さんも頑張ったのね。柚紀がとても立派に育っているんだもの。少し仕事が多かった気がするけどね」
「お母さん・・・だよね、律」
「そうだよ。夢で見たところだろ?」
「うん。夢のまんまの、私とそっくりな・・・」
「だから、柚紀のお母さんだって」
柚紀はなかなか信じれなさそうだったけど、少しして、やっと信じることが出来たのか、柚紀のお母さんに抱き着いた。
「お母さん・・・」
「柚紀」
「ごめんね、まだ全然思い出せていなくて。でもね、言えることがある。お母さんのこと、大好きだったよ」
「私もだよ、柚紀」
「お母さんに、大きくなって、幸せそうな私と律の結婚を・・・」
スー、スー
柚紀のお母さんは、持っている特殊な力で、柚紀を眠らせた。
「・・・これ、体に影響しないかしら?」
「・・・僕にはわかりません」
「そうよね」
そう言いながら、柚紀を近くのベンチに座らせた。
「律くん、こっちで話しましょう」
僕は柚紀のお母さんに言われて、ベンチの近くの椅子に座った。
このお庭には、ベンチも、机もたくさんあった。
だから、ここに場所を指定したんだ。
「あなたは、この世界で結構格が上みたいですね」
「私はこっちの世界のさらに裏側に来たのよ。この世界の管理の方にね」
「ほかにもいるんですか?」
「いいえ。皆さん、辞めていったわ。管理の人は、辞めて、普通の国民になることもできるのよ。だから、辞めていった」
「どうしてあなたはやめなかったんですか?」
「管理の方にいれば、元の世界が見れるから。だから、最後まで、見てたんだよ」
「・・・なるほど」
「ほかの力は何も必要なかったんだけど、今思うと、あってよかった」
「僕もそう思います」
その力がなかったら、僕はここに来れてない。
だから、感謝している。
出会った時といい、今ももう一度会わせてくれた、柚紀のお母さんに。




