第四章 (1) 少女に呼ばれる Byフェイ
「・・・」
「エルザ」
「柚紀」
「あ、どれだけ寝てた?」
「一時間くらいかな」
「話は、進んだ?」
「僕のいくつかの質問に答えてもらっただけだけど、いろいろ分かったよ」
「柚紀はなんの夢、見てたの?」
「私たちが出会った時の夢。私たちとかくかく両親がいた」
「・・・」
「なんか、いろいろすごかったよ。目の色とか、わかりやすかった。しっかり遺伝してるなーって感じ」
「覚えてなかったの?」
「うん。だって、お父さんは外国に仕事に行ってたんでしょう?お母さんは小さいときに死んじゃったっていうし」
「・・・僕の両親は?」
「覚えてなかったけど、懐かしい気がした」
「そっか」
少女は出会った時の夢を見せた。
そして、僕たちの両親の外見の特徴まで詳しく見せている。
・・・僕たちに会いに来いと言ってるのか。
『時間はない。』
『決断しなさい』
「律、どうしたの?」
「・・・今から、動ける?」
「うん」
「ジーク様、少し、僕たちは僕たちで考えてきます。考えがまとまったら、また来ます」
「わかった。僕は、何をしていたらいい?」
「ジーク様はこの部屋にいて下さい。あまり外にいない方がいい。いつ壊されるのかわからないので」
「わかった。エルザ、気をつけてね」
「律がいるから大丈夫」
「そっか」
「では。失礼します」
「うん」
僕たちはジーク様の部屋を出て、廊下を進む。
「ねえ、どこに行くの?こっちって、お庭しかないよ?」
僕は、どこに少女がいるのかわからない。
でも、僕たちが初めて出会った時の夢を見せて、僕たちを呼んでいるのなら、夢の中の場所。
あの時、僕たちが挨拶をしたのは庭。
そのあと遊んでいたのは僕の部屋。
両親が話していたのは応接間。
応接間はここにもあるけど、使うにはジーク様の許可をもらう必要がある。僕たちがそう簡単に入れない場所。
僕の部屋は今もあるし、すぐに使えるが、人が勝手に入れる場所ではない。誰に見られているかわからないから。
となると場所は・・・・
「お庭に来たんだよ」
「何で?」
「それは、すぐにわかるから」
僕たちが庭に行くと、1人の清掃員がいた。
「こんにちは」
「ちょ、フェイ・・・」
「こんにちは」
「僕の事、ご存じですか?」
「はい。お名前はわかりませんが、最近ここに来られた執事さんだということは知っています」
「僕はフェイと言います。僕も、名前以外はよく知ってます」
「私はリーシャ。・・・私、執事さんに話されるようなこと、したかしら?」
「いえ、何もしてません」
「なら、どうして?」
「ちょっと、フェイ。清掃員の方と何のこと話してるのよ」
「もう、辞めませんか?」
「・・・」
「あなたが呼んだから、来たんですよ?」
「え?どういうこと、フェイ?」
「お久しぶりです、柚紀のお母さん」




