第三章 (10) 出来るだけ正直に答える Byフェイ
「フェイ、どうしてエルザを寝かしたの?」
「・・・エルザ様が自分の部屋に帰るとおっしゃったからです」
「でも、寝かせる意味、あるのか?」
「先ほども言いましたが、エルザ様にはしんどい話です。ですが、私がジーク様に話さないと世界は壊される危険があります。なので、部屋に一人にするよりも安全で、僕たちも話ができる環境にするために、お昼寝を勧めました」
「なるほどね。なら、今から質問したことには、答えてくれるのかな?」
「はい」
出来るだけ・・・・
その言葉は、口にしなかった。
「君たちは、どうして死んだの?」
「事故とさっき言いましたけど?」
「・・・事故なら、先に死ぬとかないよね?あったとしても、君にはわからないはず。それに、エルザだけに辛くて、記憶を忘れるほどのこと?それは君にもあるはずなんだよ。なのに君は全部覚えているんだろう?少し、引っかかってね?・・・答えてくれるよね?」
ああ、これを先に言わないといけないのか。
でも、まだ、柚紀には話せない話。
今しかない
「柚紀はある人に殺されました。僕は柚紀を助けられなかったことなどの絶望から・・・自殺しました」
そう、僕は、自殺した。
怖くなった。
世界が、あの人が、国が。
僕の幸せが全部、その人のせいで壊された。
「そうか。そこで、少女に会ったと」
「はい。いろいろ聞かれて、答えて、で、ここに来ました」
「この世界を壊そうとしている犯人、だれかわかる?」
「・・・多分、柚紀を殺した人です」
「その人も死んだってこと?」
「まあ、そうでしょうね」
「死ぬようなことになるの?」
「・・・人、殺してますからね。死刑とか?」
「なるほど」
多分、あの人は元の世界では、死刑にはなってないだろうな。
殺した人が、たとへ王妃候補だとしても。
この世界にあの人が来るなら、多分、自殺だろう。
そんなこと、さすがに言えなかった。
「この話、エルザ様にはまだ言わないでくださいね」
「わかったよ。でも、いつかは、言わないといけない日が来る」
「わかっています」
いつか、言わないといけない。
わかってる。
でも、今じゃない。
僕だけでは話しにくい。僕自身が、この事実につぶされそうな、そんな真実は。
でも、1人じゃなくて、味方がいれば。
僕にも、柚紀にも。
それなら、話せるかもしれない。




