第三章 (7) 壊されたくない
「なに、これ」
「昨日、夕食を終えて、寝室に行くと、机に置いてあったんだ。送り先も、ここの住所も何も書いていなかったから、何かおかしいと思って、開けてみたところ、この内容だったわけだ」
・・・・・・
「君たちは、少女という人物と知り合いなのか?」
「私は、夢の中で会ったことは何度か。ですが、実際にお会いしたことはありません」
「僕も、同じです」
「じゃあ、過去の記憶があるというのは?」
「私は・・・」
これ、本当に語っていいの?
お兄様が私たちに不信感を覚えたから、私たちを確かめてるんじゃ・・・
でも、普通はこんなこと、できないよ。
「・・・私、前世で誰であったのか、思い出したのはつい先日で、まだ、あんまり思い出せてないです」
「フェイ、君は?」
「僕はすべて覚えてます」
「・・・・・・それなら、この手紙のことも信じるしかないね」
「信じるって・・・」
「そもそも、僕たちにはあまり実感がないんだけど、僕の両親は会った時から過去に会ったことがあるような気がしたらしい。だから、珍しいことではないんだ」
「・・・・・・お父様とお母様に、何か聞いたの?」
「うん。小さい頃に、僕の婚約者の話をしていた時にね」
「・・・・」
「僕はほっとけないよ。この世界が壊されるのは」
「どうして・・・・?」
「だって、『あなたの幸せ』が壊されるんだろう?僕はエルザといれて、幸せなんだ。妹といれてさ。壊されてたまるか」
「・・・・・・」
「エルザは知らなかったのか?」
・・・・・・私は何も知らない。
世界が壊される?
やっと、律に会えたのに?
また、失うの?
・・・・また?
「エルザ?」
「私は今までに3回ほどしか少女と話していません。なので、聞いていません。でも、私も壊されたくないです」
「フェイは?」
「もちろん、壊されたくはありません。なので、協力します」
「ありがとう。とりあえず、朝食を食べて、そのあとで、僕の部屋で詳しい話を聞かせてくれるかな?」
「もちろんです」
私は気まずい雰囲気で朝食を食べた。




