第三章(5) 律に結婚の経緯を聞いてみた
次の日の朝4時、私は昨日と同じように誰にもバレないように部屋をこっそり抜け出して、フェイの部屋に行く。
カチャ
「待ってたよ、柚紀」
「なんで?時間、教えてないよね?まさか、寝てないとか・・・」
「ちゃんと寝た。柚紀こそ、寝てないんじゃないか
?」
「私は大丈夫。いつでも疲れたって言えば、休めるでしょ?」
「そっか」
「昨日はありがと。お兄様に問い詰められて困ってたとこ、助けてくれて」
「ああ。・・・まあ、原因は僕でもあるから」
「なんか言った?」
「いいや、気にしすんな」
・・・なんか、大事な事、つぶやいていた気がするんだけど、まあ、いっか。
「今日は何が聞きたい?」
「う〜ん、考えてみたんだけど、私、結婚の経緯が知りたい」
「・・・なんで?」
「なんか、夢で見たんだけど、結婚って幸せなイメージなのに、なんか、うなされるんだ。その理由が、知りたい」
「・・・経緯って、この間、話したよ。お母さんが僕たちを繋いでくれた」
「でも、夢には私のお父さんも、律の両親も、出てこなかったよ?」
「ああ、僕のお母さんは、僕が15歳の時に病気で死んだ。柚紀のお父さんは柚紀が13歳の時に僕に預けて、単身海外に行った。僕の父は仕事を夜遅くまでするようになった。だから、会わなくなったんだ」
「・・・私は律のお母さんが亡くなったとき、律の隣にいた?」
「うん。そばにいてくれた」
「なら、よかった」
今日の律は、話が終わるまで、とてもつらそうだった。
私達はそれから一週間、毎朝前世の話をすることになった。




