第二章(7) 夕食と体調悪化
私は、午前中と夕食までの時間、夕食の為に自分を落ち着かせることにした。
もちろん、怖いのは怖い。
よくわからないから。
この世界のことも、フェイの顔を見たことがあると思った理由も、お兄様に言った発言の意図も。
何もかもわからない。
でも、この一週間で、こっちの生活には慣れた。
行動ができるようになって、感情という厄介な物が出てきたのよね。
でも、行動の方は簡単に治せるけど、感情は知らないところから出てきて、モヤモヤさせてずっと居座る。
だから、振り回されている。
お兄様にも、『相談しなさい・隠し事と敬語禁止』と言われたから、もう前みたいに抱え込まなくていい。
まあ、抱え込んでいたわけじゃないけど。
「エルザ様、夕食のお時間です」
「行くわ!」
今はフェイはいなかった。
「サヤ、フェイは?」
「今日は掃除をなさっています。廊下がとてもきれいなのは彼のおかげです」
へー、彼、気が利くんだー
コンコンコン
「遅れてしまいました、お兄様」
「大丈夫、遅れてないよ。さあ、こっちへおいで」
私はいつもの机ではない、カウンター机の方へ行った。
「メイスン、いつでも始めていいよ」
「では、始めます」
その言葉のあと、鉄板が出てきて、そこにお肉が置かれ、焼かれていく。お肉の脂がジュウジュウといい音を立てる。
いい焼き具合になったとき、メイスンさんは炙りバーナーを持ってきて、お肉を炙り始めた。
その時、急に体調が悪くなった。
だけど、我慢していればなんともなくなり、その頃にはお肉はキレイに焼けていた。
「さあ、いかがでしたか?」
「ええ、とっても迫力があってよかったわ」
「僕も、楽しかった」
「では、お料理の入場です!」
メイスンさんがそう言うと、各席に料理が運ばれていった。
・・・!?
さっき目の前で料理されていたものには、トマトだと思われる赤いソースがかかっていた。
頭が痛い。
呼吸が苦しい。
体が安定しない。
私はお兄様の肩に頭を乗せる。
「・・・?」
私はお兄様の顔を見て、安心したからかそのまま意識を失ってしまった。




