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第二章 (1) 執事フェイ  

お兄様と話した一週間後の今日、私の執事が初出勤することになっていた。

だから、私とお兄様はいつもより早く朝食を終え、お兄様の部屋でその執事が来ることを待っていた。


「お兄様、その方はいつ来られるの?」

「この時間にここに来るように言ったんだが・・・」

「そういえば、お父様とお母様が来られるというのはいつのことですか?」

「・・・日程は聞いてないんだ」

「あと・・・」

「言ってごらん?」

「電話、したいです」

「・・・誰と?」

「お父様とお母様・・・お兄様だけ、ずるい」


私は一週間で、ここの世界の生活に慣れていた。

演じるのではなく、私はそのそもエルザ様だったのではないかと今は思っている。

だから、緊張もしなくなって、普通にお兄様と話せるようになった。


「・・・かわいい」

「何か言いました?」

「何も?」


なんかお兄様が言った気がするけど、言ってないというのですから、言ってないのでしょう。



コンコンコン

「失礼します」

「名前をどうぞ」

「フェイと申します」

「入っていい」

「失礼します」


入ってきた男性はお兄様に負けないくらいイケメンだった。

黒髪の、高身長で、目がやわらかい。


「予定時間に遅れてしまい、申し訳ございません」

「別に構わないよ。エルザ、こちら、今日からエルザの執事のフェイ」

「今日からエルザ様にお仕えさせていただきます。フェイと申します」

フェイは、私の座っている椅子の横まで来て、そういった後、私に向って微笑みかけた。


あれ・・・この顔、どこかで見た気がする。


「フェイには、エルザが外出するときのお供がメインの仕事だ。他は裏方を任せることが多い。他のことは何もしなくていい」

「わかりました」

「あと、何かわからないとこがあれば、サヤというエルザ付きの女中に聞くといい。僕に聞いても構わない」

「わかりました」

「では、エルザ、今日も頑張ろうか」

「私はいつも同じことをしているだけです。いつも頑張っているのはお兄様です」

「そこはいいから。な?」

「わかりました。では、また夕食時に」

「楽しみにしてるよ」


私はお兄様の部屋を出る。

「エルザ様、今日のご予定ですが・・・」

「サヤ、その前に彼に自己紹介をさせてあげて」

「挨拶が遅れて申し訳ございません。本日からエルザ様の執事を任されることになりました。フェイと申します。何卒宜しくお願い致します」

「私はサヤと申します。よろしくお願いいたします。」

挨拶が終わったみたいなので、自分の部屋の方へ歩き出す。

「さて、サヤ。続き、お願いできる?」

「はい。今日は何もご予定が入っておりません。どうなされますか?」

「やらなければならないことはないの?」

「はい。とくには」

「そう。なら、この家をフェイに案内しましょう」

「僕に、ですか?」

「エルザ様・・・」

「私も最近は疲れやすくて、お兄様のお部屋と私の部屋、ダイニングルームにしか行ってないでしょう?私が行きたいのよ。そのついでに、案内すると言っているの」

「わかりました。でしたら、お屋敷の一階を昼食までにまわってしまいましょう。準備をしなければいけませんので、10分後にここに集合ということで」

「僕は準備は必要ないかと」

「あなた、メモ紙、持っているかしら?」

「持ってないですけど・・・」

「持っていらっしゃい。エルザ様が案内して下さるんですから、一つ一つ覚えるためにもメモは必要です」

「わかりました」


「ねえ、サヤ」

「はい」

「フェイ、どう思う?」

「基本はしっかりしてますね。性格もよさそうですし、悪くないと思います」

「私、あの人とどこかで会ってるってことはないよね?」

「・・・ないと思いますよ?」

「そうよね」

「何か気になることでも?」

「何でもないわ。服は動きやすいものがいいわ。歩くのも長いでしょう?」

「まあそうですね」


私は動きやすい形のドレスを着せてもらい、10分後にフェイと集合したのだった。

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