第六章(24) ジーク様と僕 By フェイ
急に僕だけ話しがあるとジーク様に呼び出されて、何事かと思ったら、
「僕と友達になってくれないか」
と言われた。
「・・・ジーク様、どうなされましたか?」
「フェイ、前のようには、話せないのか?」
「前のように、とは・・・」
急に何を言い出すのかと思い、質問したのに、前のように話せと言われた。
前っていつだ・・・
「エルザが、狙われていると、僕に伝えに来たときのように・・・」
ああ、つまりは、僕にフェイではなく、律として話してくれ、ってことか。
「えっと、それは、律として、向こうの世界での僕として、話してほしいってことですか?」
「たぶん」
たぶんって・・・
まあ、いっか。
「わかりました。それで、さっきのは、どういう意味ですか?」
「・・・そのままの、意味」
「えっと、なんで僕なんですか?僕はどちらかというと、義弟になると思うんですけど」
僕はエルザの両親から許可をいただけたら、エルザと結婚したいと思っている。
もし、結婚できたとしたら、ジーク様は義兄になるわけで、親しくなるわけだから、友達でなくてもいいのではないかと思った。
けれど
「・・・それでも、友達に、なって欲しい」
ジーク様は『友達』にこだわっていた。
「質問してもいいですか?」
「いいよ」
許可が出たので、遠慮なく質問しようと思った。
「何で友達なんですか?」
「僕は、友達がいないから、友達が欲しくて・・・。友達って、親しくないと、駄目でしょ?まず、親しくできそうなのが今、フェイしかいないから、友達になって、欲しくて・・・」
僕はいつもエルザ様の近くにいるから、ジーク様のことはあまり知らないけど、お友達はいないんだ。
まあ、僕も、柚紀以外の友達はいなかったから、なんとなく友達がほしいのはわかる気がする。
「それはわかりました。なら、律とジーク様が友達になればいいんですか?」
「えっと、そうじゃなくて、話し方の問題だから、僕は、フェイと、友達に、なりたい・・・」
僕もこっちでは友達はいなかったし・・・
「失礼の無いように、善処します」
「ありがとう、フェイ!僕のこと、ジークって呼んで!」
「無理です。ジークさん、で許してください」
「じゃあ、二人のときはジークって呼んで!」
「わかりました」
「やった〜」
「あの、一つ、いいですか?」
・・・
何も応えてくれない
あ、もしかして・・・
「ひとつ、聞いていい?」
「なにかな?」
「ジーク、エルザより子供ですね」
「え、そう?」
「はい」
「そうかな・・・」
そんなことを言っているジーク様は、友達というよりも弟みたいで、変な感じだった。
僕、この人の義弟になるのか・・・。
そう思うと、今までよりも複雑な心境だった。




