表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/13

13エピローグ

最終回になります。え? 短い? これ短編のつもりだったんです。島風短編の定義をしらなくて、短い話が短編と思ってました。投稿する時、短編が1話完結の話だという事を知りました。

【誤字脱字報告ありがとうございました。感謝致します。】

春休みに入ったけど、僕は3日程体調不良になった。空音を永遠に拒絶した事は僕にとっても辛かった。しばらく食事も通らず、臥せっていた。時々、真白からLi〇eが来るので、それが唯一の気晴らしだった。真白とのやりとりも空音の事だった。真白は空音と一生会わない事には反対していた。真白が言うには空音の事を許してあげて欲しい…だった。違うんだ。僕は自信がないんだ。また、空音を甘やかしてしまうんじゃないか…真白を傷つけてしまうんじゃないかと…全部僕が卑怯なんだ。真白には本当の事を告げた。僕が卑怯だから空音を拒絶した事を、真白を傷つけたくない事を…空音の為だけじゃない…


4日目にようやく僕は回復してきた。僕はもう一つ、どうしてもやっておく事があった。真白は僕に想いを伝えてくれた。突然、壊れた様に言いだして、本人の意思に関係なく。僕は真白の気持ちがわかった。でも、僕は僕の気持ちを真白にはっきり伝えていない。僕は真白に自分の気持ちを伝えたかった。それで、真白をデートに誘った。未だ肌寒いけど、桜がきれいな筈だ。桜並木の元で、真白に気持ちを伝えられたら、いいなと思った。




真白と近くの川沿いの桜並木でデートした。真白がお弁当を作ってきてくれて、お弁当を広げて二人で食べる。


「もう、大丈夫なの?」


「ああ、もう大丈夫だよ。十七年分泣いた。そして、僕はこれからやり直すんだ」


「そう…悠馬が決めた事なら、反対はしないけど…」


「ケジメは必要だよ。僕にとっては空音はLikeな存在、でも、真白へのはLoveなんだ」


「わ、私は、ただ、悠馬を励ましたかっただけなのに……。『真白は運命の人、前世から定められた人、永遠に巡り合う人だなんて! だから僕は一生真白を愛していく』だなんて、ゆ、悠馬! 急にいくら何でもサプライズ過ぎる!」


いや、そんな事は言ってないし。ていうかこれから告白しようとしてるのに、僕よりうまい事言うの止めて…


「…真白」


あわわしている真白の名前を呼んでみる。真白は目がくるくるとあちこち向いていたが、しばらくして僕を見据えた。


「わ、私、仮初(かりそめ)の彼女の役割は終わったのかしら? 空音の事、悠馬は乗り切ったし、私の役目も終わりかな…」


真白、君は僕の気持ちに気づいてないの? 僕言ったよね? 空音はLike、真白はLove、さらって言ってしまったからいけないんだろうか? 僕はとっくに真白の本当の彼氏のつもりだ。順序が違って、僕が未だ、告白できてないだけなんだ。それとも真白は幼馴染として仮初の彼女の役割をかってくれて、本当のところは僕の事、なんとも思ってないのだろうか? 僕は心配になってきた。


「…僕は真白がずっと僕を見ていてくれた事に心を奪われたんだ」


「わ、私……。ごめん、涙が出ちゃう」


「僕の事、ずっと見ていてくれてありがとう。僕の勘違いじゃないよね? 僕、真白が僕の事なんとも思ってくれてなかったら、ヤダよ」


「そ、そ、そ、そんな、私と悠馬は互い強く思いあっているから、もう夫婦同然だから、早く結婚しようだなんて、そんな恥ずかしいこと言わないでよ!」


僕より情熱的な事言わないでよ…僕の幼馴染、凄く告白しづらい。もう、単調直入に言ってしまえ!


「真白、君の事が好きなんだ。だから、結婚して欲しい」


「……」


真白が突然、固まった。僕のプロポーズ、駄目かな? 真白の妄想の方が素敵な様な気がする。


「真白? 聞かせて欲しい。君の返事を?」


「悠馬! 責任とってよね! 私の頭をこんなにぐちゃぐちゃにしたんだから!」


「真白、返事が未だだよ」


真白は目から涙を流していた。そして、小さな声で俯きながら、言った。


「はい……真白を悠馬のお嫁さんにしてください」


「僕はこれからずっと真白だけを見ていく……」


「私もずっと悠馬を見ていく……」


僕は真白の顔に顔を寄せた。綺麗な真白の整った顔、少し、頬が赤くなってる。僕も多分真っ赤だと思う。そして、とてもいい香りがしてきた。真白の髪の香りだ。そして、目の前に真白の顔が近づくと、真白は目を閉じた。僕は真白の唇にそっと唇を寄せた。桜色の綺麗な真白の唇はとても柔らかった。真白との初めてのキスなんだ。そう思って、唇を離そうとしたら、


「―――――~~~~ッ!!!!」


真白は僕の口の中に舌を絡ましてきた。舌の感触がとても柔らかくて、突然で、でも僕はたまらず、僕も真白の舌の感触を楽しんだ。真白の口の中の感触をたっぷり楽しんだ。


「へっ、へへへっへへ~」


「もう、真白は急に、びっくりした」


「私、はしたないかな……」


「ううん、とっても美味しいキスだった。ありがとう」


そうだった。真白がクールなのは見た目だけだ。無表情で、無口だから誰も知らないけど、ホントは情熱的な子だ。真白の妄想を聞いていて僕にはわかった。誰も知らない、僕だけが知っている真白。初めてのキスにベロチューしてくる子なんだ。誰も信じないと思うけど。


「真白…」


僕は真白の名前を呼ぶと、真白の手を握った。真白も指を絡ましてくる。恋人つなぎになった。僕達、全部順番が違う、最初にいきなり彼氏彼女になって、告白が最後で、告白の時、ついでにプロポーズもした。プロポーズの後に初めてのキスする奴いないだろうな。そして、手を繋ぐのも、僕が真白と手を繋ぐのはこれが初めてだった。


「これからもよろしくお願いします」


「私もずっとよろしくお願いします」


そうして、僕達は桜並木の下で、何度も何度もキスを重ねた。


☆☆☆


3年生になって、僕と真白は同じクラスだった。そして、空音は転校して行った。隣の家からも引っ越しして行った。僕が拒絶した結果だとはいえ、本当に二度と会えなくなっていた。


そういえば、大和と海老名は僕とは違うクラスになったけど、二人はくっついた様だ。噂で海老名が大和の年上女房として君臨しているのを聞いた。大和、良かったな。


そして、卒業式を終え、僕と真白は二人で、東京に向かう新幹線の中にいた。二人は東京の同じ私大に合格していて、今日、上京する。僕と真白の家族に見送られて、もうじき、新幹線は出発しそうだ。


「あれ? 海老名さんと大和君よ」


「ホントだ。二人共見送りに来てくれたんだ」


「海老名さん、大和君と恋人同士になったんだね」


「ああ、そうみたいだね。手を繋いでる。海老名相手だと大和そうとう苦労してそうだな」


二人は大きく手を振った。僕達が見えたんだろう。そうこうしていると、新幹線の発車のベルがなった。これから故郷を離れて僕達は東京に向かい、東京で暮らす。多分、就職も東京だろう。真白とはもう、籍を入れていた。僕と真白の両親の相談で、そうした。大学を卒業して就職したら結婚式をしようと約束していた。故郷との別れ、これから偶にしかこれないだろうな。そんな事を想って、駅のホームを見ていると、


「―――――!!!!」


走り出す新幹線の中から僕はホームに空音を見つけた。空音の隣には藤沢がいた。僕は空音と目があった様な気がした。そして、空音は頭を下げた。僕に謝罪をしている様に…


「…一生じゃなくてもいいと思ったの」


真白が話しだした。


「空音、だいぶ変わった様よ。藤沢君から聞いた」


「真白が今日の事教えたの?」


「うん、勝手にごめんね。空音は私の幼馴染でもあるから、少し想う処があって」


「空音、もしかして、藤沢と?」


「うん、そうみたい。藤沢君、空音の事がきになって、2年生の春休み、空音の事、慰めていたみたい。その後、転校したけど、遠距離恋愛だったみたい」


「そっか」


『誰か僕の代わりに空音をお願いします』


僕の願いは届いたんだ。


空音は顔を上げると笑顔を僕に返した。僕も笑顔で返した。空音は僕の事を考えてくれるんだ。空音が涙を流していたら、僕は罪悪感を感じたかもしれない。でも、空音は僕の気持ちを考えてくれたのだろう。僕の幼馴染は無事更生したらしい。


僕は故郷に何も思い残す事はなくなった。新しい場所、東京に向かって、そして、真白との新しい生活が待っている場所へ。


「わ、私、気持ちの整理はできてるから! 高校生じゃなくてもピチピチで、新鮮よ。17歳よ!」


僕が感慨深くなっていたのに、真白がまた発症した。何か独り言を呟いているが、多分、今日、初夜を迎える様な妄想をしているのだろう。いや、同棲じゃないし、部屋は別々だし…隣の部屋だけど…じきそういう事になるのかな…僕達、結婚してるんだった。でも、こんな時にも真白は真白だった。僕は真白をしばらく放置していたけど、真白の頭をつついた。


「もうっ!?」


真白は妄想を邪魔されて怒ったのか、でも、恥ずかしくなった様で、かぶっていた帽子を深く被って顔を隠した。とても可愛らしかった。


「真白、好きです。僕と末永く一緒にいてください」


僕は突然真白に言った。発作的に言ってしまった。真白の病、伝ったかな? 真白は動揺せず、頬を染めて、恥ずかしそうに、


「こちらこそ、よろしくお願いします。私も悠馬の事、大好きだよ」




終わり

最後まで読んで頂いた読者様ありがとうございます☆

本作について、

「ちょっと面白かった!」

「この物語の長編版を読んでみたい!」

「その後どうなったの?」

と思って頂いたら、島風の本作の長期連載版を是非お願いします。リンクが下の方にありますよ~☆

読んで頂けると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。ぺこり (__)

『連載版こうかい』~幼馴染に振られた上、サッカー部を追放されたら、他の幼馴染がドン引きする位グイグイ来た。えっ? 僕がいなくなって困ったから戻って来てくれって? 今更そんなのしりません~


読んで頂けると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。ぺこり (__)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

読んで頂いた読者様ありがとうございます☆ 本作について、 「ちょっと面白かった!」 「島風の新作を読んでみたい!」 「次は何を書くの?」 と思って頂いたら、島風の最新作を是非お願いします。リンクがありますよ~☆ 読んで頂けると本当にうれしいです。 何卒よろしくお願いいたします。ぺこり (__)
『連載版』クラスで最低と蔑まれた上、幼馴染に振られたけど、後輩を助けたら、超グイグイ来た~俺が無実な上、実はweb小説の神作者だとわかってももう遅い~
― 新着の感想 ―
[良い点] シリアスとギャグのバランスが良く、3話に1度はにやけてしまうほど面白かったです! 特に真白の暴走っぷりと、大和への悠馬のツッコみが秀逸でした。 やはりヘイトを緩和するギャグ時空は偉大ですね…
[一言] どうしても短文の寄せ集め感が拭えないなと思いました。 気持ちのいい文章は音読してみた時につっかえないで気持ちよく読めるそうです。私にはこの小説の文章をつっかえないで読む自信はないですね。 ど…
[気になる点] >人は誰かに縋って生きるものじゃないよ と言いながら縋る先を提供する主人公。 押し付けておきながら責任は取らない。 言ってる事とやってる事が矛盾してますね。 悪癖は最後まで治らなかった…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ