7.
時刻を確認した実乃理は、青ざめた。
(そうだ、今井さんからお誘いがあったんだった!!)
仕事に追われてそれどころじゃなく、頭から抜けていた。
しかし、連絡しようにも、連絡先を聞いていない。
病院内にはすでに、数人しか残っていず、その中に今井の姿は無かった。
「もう、帰ってるよね。」
実乃理は、明日謝れば良いかと思い直し、ロッカーへと向かった。
着替えようと自分のロッカーを見ると、何やら付箋が貼り付けてある。
不審に思って付箋をよく見ると、文字が書いてあった。
"終わったら、電話してね。"
下に番号が書かれている。
しかし、名前は書かれていなかった。
「やっぱり、きっと今井さんだよね、これ…」
実乃理はしばらく迷っていたがやがて、無視するのも悪い気がして、ゴソゴソとスマホを取り出し、付箋に書かれた番号を思い切ってタップした。
トゥルルル・・・ トゥルルル・・・
「はい」
繋がった!
しかし、何て言えばいいのか。
「あの・・・早乙女です・・・」
「付箋見てくれたんだ?俺、今井だけど、わかってくれた?」
やはり、電話に出たのは今井だった。
「状況から考えて、多分今井さんだろうと思って、電話をかけました。」